本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。
本剤投与により血中ビリルビン値が著しく上昇し、肝機能障害、腎機能障害等を発現し、死亡に至った症例が報告されているので、次の事項に注意すること。
本剤投与中は定期的に血中ビリルビン値を測定すること。
血中ビリルビン値の持続的な上昇等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤投与中止後も血中ビリルビン値が上昇することがあるので、患者の状態を注意深く観察すること。
患者に対し、本剤投与後に眼球・皮膚の黄染、褐色尿、全身倦怠感等がみられた場合は、直ちに受診するよう指導すること。
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
エファビレンツ、リファンピシン、リファブチンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
セログループ1(ジェノタイプI(1a)又はII(1b))のC型慢性肝炎における次のいずれかのウイルス血症の改善
血中HCV RNA量が高値の未治療患者
インターフェロンを含む治療法で無効又は再燃となった患者
通常、成人にはシメプレビルとして100mgを1日1回経口投与し、投与期間は12週間とする。本剤は、ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又はペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)、及びリバビリンと併用すること。
本剤の投与は、ペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又はペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)、及びリバビリンと併用投与するため、各製品の添付文書に記載されている警告、禁忌、併用禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の【使用上の注意】を必ず確認すること。
光線過敏症があらわれることがあるため、本剤、ペグインターフェロン アルファ-2a、2b(遺伝子組換え)及びリバビリンの併用中は、過剰な太陽光線への曝露を避け、光曝露に対する防護策を講じるよう患者に対し指導すること。[「その他の注意」の項参照]
B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
血中総ビリルビンが高値の患者[血中総ビリルビン値が高い患者における使用経験がない。また、本剤投与時に血中ビリルビン値の上昇が報告されている(【警告】、「重大な副作用」の項参照)。]
中等度以上の肝機能障害患者[Cmax及びAUCが上昇することが報告されている(「薬物動態」の項参照)。]
B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者[再活性化するおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。]
徴候、症状
過量投与に関するデータは限られている。健康成人に1日1回400mgを5日間反復投与した場合、また外国人の健康成人に600mg単回投与及び1日1回400mgを5日間反復投与した場合又はC型慢性肝炎患者に1日1回200mgを4週間投与した場合に、臨床的徴候及び症状は観察されなかった。
処置
本剤に対する特別な解毒剤はない。過量投与した場合には、バイタルサイン及び臨床症状の観察や消化管除染など一般的な支持療法を行う。本剤は血漿蛋白結合率が高いため、透析でシメプレビルが除去される可能性は低い。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
本剤は
小児の手の届かない所に保管すること。
シメプレビルは主にCYP3Aにより代謝される。シメプレビルはトランスポーター[P糖蛋白(P-gp)、OATP1B1]の基質であり、また、CYP3A、P-gp
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エファビレンツ ストックリン リファンピシン リファジン等 リファブチン ミコブティン | 本剤の血漿中濃度が著しく低下し、本剤の効果が減弱する。 | これらの薬剤の強いCYP3A(4)誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 強力なCYP3A阻害剤 リトナビル ダルナビル/リトナビル クラリスロマイシンイトラコナゾールボリコナゾールコビシスタットを含む薬剤等 | 本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。本剤とこれら薬剤を併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。本剤200mg1日1回とリトナビル100mg1日2回を併用したとき、本剤のAUCが7.2倍に上昇した。本剤50mg1日1回とダルナビル/リトナビル800mg/100mg1日1回を併用したとき、本剤150mg1日1回単独投与したときと比して、本剤のAUCが2.6倍に上昇した。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ミルクシスル(マリアアザミ)含有食品 | 本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 他のHIVプロテアーゼ阻害剤 アタザナビルホスアンプレナビルロピナビルインジナビルネルフィナビルサキナビル | 本剤の血漿中濃度に影響を及ぼすおそれがある。本剤の血漿中濃度が低下し本剤の効果が減弱する、もしくは本剤の血漿中濃度が上昇し副作用が発現するおそれがあるので、本剤と併用する場合は十分注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用又は誘導作用により、本剤の代謝が阻害又は促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 他の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 エトラビリンネビラピン | 本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤と併用する場合は十分注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A(4)誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン | 本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤と併用する場合は十分注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A(4)誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤と併用する場合は十分注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A(4)誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デキサメタゾン(全身性) | 本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤と併用する場合は十分注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A(4)誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エリスロマイシン | 本剤及びエリスロマイシンの血漿中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。本剤とエリスロマイシンを併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。本剤150mg1日1回とエリスロマイシン500mg1日3回を併用したとき、本剤のAUCが7.5倍に上昇し、エリスロマイシンのAUCは1.9倍に上昇した。 | 本剤及びエリスロマイシンのCYP3A及びP-gp阻害作用により、本剤及びエリスロマイシンの代謝及び排出が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン | 本剤及びシクロスポリンの血漿中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | シクロスポリンのCYP3A、P-gp及びOATP1B1の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害される。本剤のCYP3A(4)阻害作用により、シクロスポリンの代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シルデナフィル タダラフィル | これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、これらの薬剤は低用量から投与を開始し、必要に応じて増量することを考慮すること。 | 本剤のCYP3A(4)阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| トリアゾラム | トリアゾラムの血漿中濃度が上昇するおそれがある。本剤とトリアゾラムを併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤のCYP3A(4)阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アミオダロン ジソピラミド フレカイニド リドカイン(全身性) メキシレチン プロパフェノン キニジン | これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これらの薬剤と併用する場合は、血中濃度をモニタリングすること。 | 本剤のCYP3A(4)阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シンバスタチン アトルバスタチン | これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。これらの薬剤の用量を漸増し、効果を発現する最小の用量を用い、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤のOATP1B1阻害作用及び/又はCYP3A4阻害作用により、これらの薬剤の排出及び/又は代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ロスバスタチン | これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、これらの薬剤の用量を漸増し、効果を発現する最小の用量を用いること。 | 本剤のOATP1B1及びBCRP阻害作用により、ロスバスタチンの排出が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プラバスタチン ピタバスタチン | これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、これらの薬剤の用量を漸増し、効果を発現する最小の用量を用いること。 | 本剤のOATP1B1阻害作用により、これらの薬剤の排出が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アムロジピン ベプリジル ジルチアゼム フェロジピン ニカルジピン ニフェジピン ニソルジピン ベラパミル | これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。これらの薬剤と併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤のCYP3A4阻害作用及び/又はP-gp阻害作用により、これらの薬剤の代謝及び/又は排出が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジゴキシン | ジゴキシンの血中濃度が上昇する。ジゴキシンの血中濃度をモニタリングし、効果が発現する用量まで漸増すること。 | 本剤のP-gp阻害作用により、ジゴキシンの排出が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| タクロリムス | タクロリムスの血中濃度が低下する。 | 機序不明 |
C型慢性肝炎患者を対象に本剤とペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又は2b(遺伝子組換え)及びリバビリンと併用した国内第II相及び第III相臨床試験(全投与期間)における安全性評価対象症例436例中426例(97.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。本剤の副作用は、発疹203例(46.6%)、そう痒症105例(24.1%)、血中ビリルビン増加97例(22.2%)、便秘29例(6.7%)、光線過敏性反応8例(1.8%)であった。(承認時)
本剤とペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又は2b(遺伝子組換え)及びリバビリンの併用で認められた重大な副作用は以下のとおりである。
敗血症(頻度不明 * )
易感染性となり、重篤な感染症を誘発し敗血症に至ることがあるので、定期的な血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳出血(頻度不明 * )
脳出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高ビリルビン血症(頻度不明 * )
血中ビリルビン値が著しく上昇することがあり、肝機能障害、腎機能障害等を発現して死亡に至った症例が報告されているので、本剤投与中は定期的に血中ビリルビン値を測定し、患者の状態を注意深く観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(【警告】の項参照)
肝機能障害(頻度不明 * )
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白血球減少、好中球減少(頻度不明 * )
白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与の中止を考慮し、適切な処置を行うこと。
貧血(0.2%) **
貧血があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与の中止を考慮し、適切な処置を行うこと。
多形紅斑(0.2%) **
多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*:国内自発報告のため頻度不明とした。
**:頻度は3剤併用した国内臨床試験における重篤症例を示す。
本剤をペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又は2b(遺伝子組換え)及びリバビリンと併用した際の本剤の副作用は以下のとおりである。次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 5%以上10%未満 | 5%未満 | 頻度不明 * | |
| 血液およびリンパ系障害 | 血小板減少 | |||
| 胃腸障害 | 便秘 | |||
| 肝胆道系障害 | 血中ビリルビン増加 | |||
| 皮膚および皮下組織障害 | 発疹、そう痒症 | 光線過敏性反応 | ||
| 臨床検査 | 高ビリルビン血症 | Al-P増加 |
*:本剤とペグインターフェロン アルファ-2a(遺伝子組換え)又は2b(遺伝子組換え)及びリバビリンの併用で認められた国内自発報告
ソブリアードカプセル100mg 13005.3円/カプセル
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