本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[9.3.1、16.6.3参照]
イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール、ポサコナゾール、リトナビル含有製剤、コビシスタット含有製剤、セリチニブ、エンシトレルビル フマル酸を投与中の患者[10.1、16.7.5参照]
不眠症
通常、成人にはダリドレキサントとして1日1回50mgを就寝直前に経口投与する。なお、患者の状態に応じて1日1回25mgを投与することができる。
本剤の影響が服用の翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。[17.3.1参照]
症状が改善した場合は、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 ナルコレプシー又はカタプレキシーのある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2 中等度及び重度の呼吸機能障害(閉塞性睡眠時無呼吸及び中等度以下の慢性閉塞性肺疾患患者を除く)を有する患者
これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。[17.3.2参照]
9.1.3 閉塞性睡眠時無呼吸及び慢性閉塞性肺疾患患者
長期投与におけるこれらの患者に対する使用経験はない。
9.1.4 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)を有する患者
本剤を投与しないこと。本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。また、重度の肝機能障害患者への投与経験はない。[2.2、16.6.3参照]
9.3.2 中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)を有する患者
本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。[7.3、16.6.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に本剤が移行することが確認されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
13.1 症状
本剤の過量投与に関する情報は少ない。臨床薬理試験において健康被験者に最大で本剤200mgを単回投与した。
50mgを超える用量では、傾眠、筋力低下、睡眠時麻痺、注意力障害、疲労、頭痛及び便秘の副作用が観察された(外国人データ)。
13.2 処置
本剤に特異的な解毒剤はない。ダリドレキサントの血漿タンパク結合率は高いため、血液透析では除去できない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
アルミピロー包装開封後は湿気を避けて保存すること。
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年11月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされています。
ダリドレキサントは主に薬物代謝酵素CYP3Aによって代謝される。[16.4参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
イトラコナゾール(イトリゾール)クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)ボリコナゾール(ブイフェンド)ポサコナゾール(ノクサフィル)リトナビル含有製剤(カレトラ、ノービア、パキロビッド)コビシスタット含有製剤(シムツーザ、ゲンボイヤ、プレジコビックス)セリチニブ(ジカディア)エンシトレルビル フマル酸(ゾコーバ)[2.3、16.7.5参照] | 本剤の副作用を増強させるおそれがある。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3Aを強く阻害し、本剤の血漿中濃度を上昇させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中枢神経抑制剤フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体 等 | 中枢神経系に対する抑制作用を増強させるおそれがあるため、本剤又は併用薬の投与量の減量の必要性を検討したうえで慎重に投与すること。 | 本剤及びこれらの薬剤は中枢神経系に対する抑制作用を有するため、相互に作用を増強させるおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルコール(飲酒)[16.7.10参照] | 本剤投与中の患者の飲酒に注意する必要がある。 | 本剤及びアルコールは中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中程度のCYP3A阻害剤ジルチアゼム、ベラパミル、エリスロマイシン、フルコナゾール 等[7.4、16.7.2参照] | 本剤の血漿中濃度が上昇し、本剤の副作用が増強するおそれがある。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3Aを中程度に阻害し、本剤の血漿中濃度を上昇させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
強い又は中程度のCYP3A誘導剤リファンピシン、フェニトイン、エファビレンツ、カルバマゼピン 等[16.7.3参照] | 本剤の効果が減弱するおそれがあるため、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 | 本剤の代謝酵素であるCYP3Aを誘導し、本剤の血漿中濃度を減少させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A基質ミダゾラム、シンバスタチン、タクロリムス 等[16.7.4参照] | これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がCYP3Aを阻害し、これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
治療域の狭いP-gp基質ジゴキシン 等[16.7.7参照] | これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がP-gpを阻害し、これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3%以上 | 1〜3%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
神経系障害 | 傾眠 | 頭痛・頭部不快感 | 浮動性めまい、睡眠時麻痺 | |
一般・全身障害 | 倦怠感・疲労 | |||
精神障害 | 悪夢 | 幻覚、異常な夢、睡眠時随伴症(夢遊症、ねごと等) | ||
胃腸障害 | 悪心 | |||
免疫系障害 | 過敏症(発疹、蕁麻疹等) |
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即効性
投稿日: 2025/07/05 参考率: 100%(5人/5人)
精神・神経科/40代/処方経験あり