1.1 本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。[5.1-5.4参照]
1.2 インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防
| 効能又は効果 | 用法及び用量 | ||
| 治療 | 成人 | ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。 | |
| 小児 | 10歳以上 | ||
| 10歳未満 | ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。 | ||
| 予防 | 成人 | ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。また、20mgを1日1回、2日間吸入投与することもできる。 | |
| 小児 | 10歳以上 | ||
| 10歳未満 | ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。 | ||
8.1 抗インフルエンザウイルス薬の服薬の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。
異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、1)異常行動の発現のおそれがあること、2)自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。[11.1.3参照]
8.2 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[5.2参照]
8.3 本剤投与後に失神やショック症状があらわれたとの報告がある。この失神やショック症状はインフルエンザウイルス感染症に伴う発熱、脱水等の全身状態の悪化に加え、本剤を強く吸入したこと又は長く息を止めたことが誘因となった可能性及び本剤による可能性がある。患者には使用説明書に記載されている吸入法を十分に理解させ、くつろいだ状態(例えば座位等)で吸入するよう指導すること。[11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者
本剤は、夾雑物として乳蛋白を含む乳糖水和物を使用しており、アナフィラキシーがあらわれたとの報告がある。
9.1.2 慢性呼吸器疾患(気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等)を有する患者
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。インフルエンザウイルス感染症により気道過敏性が亢進することがあり、気管支攣縮や呼吸機能低下がみられた例が報告されている。[11.1.2参照]
9.1.3 基礎疾患(糖尿病を含む慢性代謝性疾患、慢性腎機能障害、慢性心疾患)を有する患者、あるいは免疫低下状態の患者等
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。使用経験が少ない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 本剤を適切に吸入投与できると判断された場合にのみ投与すること。
9.7.2 幼児へ投与する場合には、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
9.7.3 低出生体重児、新生児又は乳児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。[16.6.2参照]
14.1 薬剤投与時の注意
本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用すること。[7.1参照]
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 患者又は保護者には添付の使用説明書を渡し、空の容器によるデモンストレーションも含めて使用方法を指導すること。
14.2.2 本剤は防湿のためアルミ包装されているので、吸入の直前にアルミ包装を開封すること。
本剤は、「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療」の目的で使用した場合にのみ保険給付されます。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン | 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの効果が得られないおそれがある。 | ワクチンウイルスの増殖が抑制され、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの効果が減弱する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗等があらわれることがある。本剤投与後に失神やショック症状があらわれた場合には、患者に仰臥位をとらせ安静を保つとともに、補液を行うなど適切な処置を行うこと。[8.3参照]
11.1.2 気管支攣縮(頻度不明)、呼吸困難(頻度不明)[9.1.2参照]
11.1.3 異常行動(頻度不明)
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.4 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.5%以上 | 0.5%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 蕁麻疹 | 発疹、紅斑、そう痒 | |
| 消化器 | 下痢 | 胃腸炎、悪心、嘔吐、腹痛、口内炎、腹部膨満、食欲減退、腹部不快感 | |
| 精神神経系 | めまい、頭痛 | ||
| 呼吸器 | 咳嗽(むせ) | ||
| 血液 | 白血球数増加 | ||
| 肝臓 | ALT上昇 | 肝機能異常、AST上昇、γ-GTP上昇 | |
| 泌尿器 | 尿蛋白 | ||
| その他 | CRP上昇、尿中ブドウ糖陽性 |
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効果の強さ
投稿日: 2018/01/27 参考率: 91%(31人/34人)
小児科/60代/処方経験あり