本剤は,ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること.
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
中等度以上(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害のある患者
次の薬剤を投与中の患者
アゼルニジピン,トリアゾラム,ミダゾラム,ブロナンセリン,ピモジド,エルゴタミン酒石酸塩,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩,エルゴメトリンマレイン酸塩,メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ),タダラフィル(アドシルカ),リバーロキサバン,バルデナフィル塩酸塩水和物,リオシグアト,シンバスタチン,アトルバスタチンカルシウム水和物,カルバマゼピン,フェニトイン,ホスフェニトインナトリウム水和物,フェノバルビタール,リファンピシン,エファビレンツ,セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品,エチニルエストラジオール含有製剤(「相互作用」の項参照)
腎機能又は肝機能障害のある患者で,コルヒチンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
セログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の場合
通常,成人には1日1回2錠(オムビタスビルとして25mg,パリタプレビルとして150mg及びリトナビルとして100mg)を食後に経口投与し,投与期間は12週間とする.
セログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の場合
リバビリンとの併用において,通常,成人には1日1回2錠(オムビタスビルとして25mg,パリタプレビルとして150mg及びリトナビルとして100mg)を食後に経口投与し,投与期間は16週間とする.
肝機能障害があらわれることがあるので,本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと.肝機能障害は主に本剤投与開始4週以内にあらわれやすいので,投与開始初期は必要に応じてより頻回に肝機能検査を行うこと.肝酵素上昇の有無にかかわらず,血中ビリルビン値が著しく上昇し,腹水,肝性脳症等を伴う肝不全があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察すること.肝不全の徴候が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.(「副作用」の項参照)
B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において,C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後,C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている.本剤投与に先立って,B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること.B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は,HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど,B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること.
本剤投与前及び投与開始後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン,BUN等)を行うこと.特に,腎機能が低下している患者,Ca拮抗剤を併用している患者では,急激に腎機能が悪化することがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.(「重大な副作用」の項参照)
セログループ2(ジェノタイプ2)に対しては,リバビリンと併用するため,リバビリンの添付文書に記載されている,警告,禁忌,慎重投与,重要な基本的注意,重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること.
B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者[再活性化するおそれがある.](「重要な基本的注意」の項参照)
本剤に特定の解毒薬はない.過量投与の場合は,副作用の徴候や症状を注意深く観察し,速やかに適切な対症療法を行うこと.
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
本剤のジェノタイプ1aのC型慢性肝炎患者に対する有効性は確立していない.なお,海外で実施した臨床試験において,未治療のC型慢性肝炎患者(ジェノタイプ1a)にオムビタスビル(25mg),パリタプレビル(200mg),リトナビル(100mg)を12週間投与したとき,投与終了12週後のHCV RNA陰性化の割合は62.5%(5/8例)であった.
オムビタスビルはアミド加水分解を経由し酸化的に代謝される.オムビタスビルはP糖蛋白(P-gp)の基質である.パリタプレビルはP-gp,乳癌耐性蛋白(BCRP),有機アニオントランスポーター(OATP1B1/1B3)の基質であり阻害剤である.パリタプレビル及びリトナビルは主にCYP3A4/5で代謝される.リトナビルはP-gpの基質であり阻害剤である.またCYP3A4及びBCRPの阻害作用を有する.CYP3A,P-gp,BCRP,OATP1B1/1B3を基質とする薬剤との併用はこれら薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがあるため,用量調節や十分な観察を行うこと.(「薬物動態」の項参照)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アゼルニジピン [カルブロック等] トリアゾラム [ハルシオン等] ミダゾラム [ドルミカム,ミダフレッサ等] ブロナンセリン [ロナセン] ピモジド [オーラップ] エルゴタミン酒石酸塩 [クリアミン] ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 [ジヒデルゴット等] エルゴメトリンマレイン酸塩 [エルゴメトリン] メチルエルゴメトリンマレイン酸塩 [メテルギン等] シルデナフィルクエン酸塩(肺高血圧症に適応される製剤)[レバチオ] タダラフィル(肺高血圧症に適応される製剤)[アドシルカ] リバーロキサバン [イグザレルト] バルデナフィル塩酸塩水和物 [レビトラ] | これらの薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような副作用が発現しやすくなるおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用によりこれら薬剤の血中濃度が大幅に上昇するため. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リオシグアト [アデムパス] | これらの薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような副作用が発現しやすくなるおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用ならびにリトナビルとパリタプレビルのP-gp及びBCRP阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シンバスタチン [リポバス等] アトルバスタチンカルシウム水和物 [リピトール等] | これらの薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような副作用が発現しやすくなるおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用及びパリタプレビルのOATP阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルバマゼピン [テグレトール等] フェニトイン [アレビアチン等] ホスフェニトインナトリウム水和物 [ホストイン] フェノバルビタール [フェノバール等] リファンピシン [リファジン等] エファビレンツ [ストックリン] セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血中濃度が低下し,治療効果が減弱するおそれがある.(「薬物動態」の項参照) | これら中等度から強力なCYP3A誘導薬剤により本剤の代謝が促進されるため. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
エチニルエストラジオール含有製剤 [オーソ,ルナベル等] | エチニルエストラジオール含有経口避妊薬を投与した患者においてALT(GPT)上昇が高頻度に認められている.なお,本剤治療終了の約2週間後から再開できる. | 機序不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
Ca拮抗剤(アゼルニジピンを除く) アムロジピンベシル酸塩 ニフェジピン 等 | Ca拮抗剤の血中濃度が上昇するおそれがある.臨床試験において末梢性浮腫が高頻度に報告されているので,併用に際してはCa拮抗剤を減量するなど十分注意すること.(「副作用」,「薬物動態」の項参照) | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フロセミド | フロセミドの血中濃度(Cmax)が上昇する.(「薬物動態」の項参照) | オムビタスビル及びパリタプレビルがUGT1A1を阻害するためと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シルデナフィルクエン酸塩 [バイアグラ] タダラフィル [シアリス,ザルティア] | これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある.低血圧,失神,視覚障害や勃起持続等のこれら副作用が発現するおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
エレトリプタン臭化水素酸塩 | エレトリプタンの血中濃度が上昇するおそれがある.併用は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り,副作用に対する観察を十分に行うこと. | リトナビルのCYP3A4阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ロスバスタチンカルシウム | パリタプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある.ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある. | パリタプレビル血中濃度上昇:機序不明ロスバスタチンの血中濃度上昇はパリタプレビルのOATP阻害作用ならびにパリタプレビルとリトナビルによるBCRP阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
プラバスタチンナトリウム | パリタプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある.プラバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある. | パリタプレビル血中濃度上昇:機序不明プラバスタチンの血中濃度上昇はパリタプレビルのOATP阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ピタバスタチンカルシウム | ピタバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある.横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある. | パリタプレビルのOATP阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フルバスタチンナトリウム | フルバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある.横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある. | パリタプレビルのOATP阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
オメプラゾール | オメプラゾールの血中濃度が低下するおそれがある.(「薬物動態」の項参照) | リトナビルのCYP2C19誘導作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルプラゾラム | アルプラゾラムの血中濃度(AUC)が上昇する.(「薬物動態」の項参照) | リトナビルのCYP3A4阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジアゼパム クロラゼプ酸二カリウム | ジアゼパム及びノルジアゼパムの血中濃度(AUC)が低下する.(「薬物動態」の項参照) | リトナビルのCYP2C19誘導作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クエチアピンフマル酸塩 | クエチアピンの血中濃度が上昇するおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アミオダロン塩酸塩 ベプリジル塩酸塩水和物 キニジン硫酸塩水和物 プロパフェノン塩酸塩 | これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジゴキシン | ジゴキシンの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照) | パリタプレビルとリトナビルによるP-gp阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フルチカゾンプロピオン酸エステル | フルチカゾンの血中濃度が上昇するおそれがある.クッシング症候群,副腎皮質機能抑制等の副作用があらわれるおそれがある.併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
サルメテロールキシナホ酸塩 | サルメテロールの血中濃度が上昇するおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アゾール系抗真菌薬 ケトコナゾール(経口剤:国内未発売) イトラコナゾール 等 | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある.これらアゾール系抗真菌薬の血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照) | 本剤の血中濃度上昇はアゾール系抗真菌薬のCYP3A/P-gp阻害作用による.アゾール系抗真菌薬の血中濃度上昇はリトナビルのCYP3A/P-gp阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アゾール系抗真菌薬 ボリコナゾール | 本剤との併用試験は行われていないが,リトナビルとの併用でボリコナゾールの血中濃度が低下したとの報告がある.本剤との併用においてボリコナゾールの血中濃度が低下し,ボリコナゾールの効果減弱を招くおそれがあるため,ボリコナゾール使用に関するリスクベネフィット評価によりボリコナゾールの使用が妥当と判断される場合を除き,併用は避けること.あるいは他の抗真菌療法を考慮すること. | リトナビルのCYP2C19誘導作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
コルヒチン | コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがあるので,コルヒチンを減量あるいは低用量から開始するなど注意すること.腎機能又は肝機能障害のある患者においてはコルヒチンと本剤を併用しないこと. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シクロスポリン | シクロスポリンの血中濃度が上昇するおそれがある.パリタプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照) | シクロスポリンの血中濃度上昇はリトナビルのCYP3A4阻害作用及びパリタプレビルのOATP阻害作用による.パリタプレビルの血中濃度上昇はシクロスポリンのOATP,BCRP,P-gp阻害作用によるものと考えられる. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
タクロリムス水和物 | タクロリムスのAUCが86倍,Cmaxが4.3倍に上昇したとの報告がある.(「薬物動態」の項参照) やむを得ない場合を除き併用は避けること. やむを得ず併用する場合には,タクロリムスの血中濃度のモニタリング及び投与量・投与間隔の調整を行うとともに,患者の状態を慎重に観察し,副作用発現に十分注意すること. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
エベロリムス シロリムス | エベロリムスのAUCが27倍,Cmaxが4.7倍,シロリムスのAUCが38倍,Cmaxが6.4倍に上昇したとの報告がある.(「薬物動態」の項参照) やむを得ない場合を除き併用は避けること. やむを得ず併用する場合には,これら薬剤の血中濃度をモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察し,副作用発現に十分注意すること. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ダルナビルエタノール付加物(1日1回投与) | パリタプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)本剤含有のリトナビルが薬物動態学的増強効果をもたらすので,本剤と併用する場合はリトナビル製剤を投与しないこと. | 機序不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ダルナビルエタノール付加物/リトナビル(1日2回投与) | ダルナビルの血中濃度(Cmin)が低下するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)本剤含有のリトナビルが薬物動態学的増強効果をもたらすので,本剤と同時投与する場合はリトナビル製剤と併用しないこと.本剤と同時投与しない場合はリトナビル製剤と併用すること. | 機序不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アタザナビル硫酸塩 アタザナビル硫酸塩/リトナビル | パリタプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照)本剤含有のリトナビルが薬物動態学的増強効果をもたらすので,本剤と同時投与する場合はリトナビル製剤と併用しないこと. | アタザナビルによるCYP3A及びOATP阻害作用及び/又はリトナビルによるCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リトナビル含有製剤 | パリタプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある.リトナビル含有製剤は本剤と同時に投与しないこと.(「薬物動態」の項参照) | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リルピビリン塩酸塩 | リルピビリンの血中濃度が上昇するおそれがある.(「薬物動態」の項参照) | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リファブチン | リファブチンの血中濃度が上昇するおそれがある. | リトナビルのCYP3A4阻害作用による. |
セログループ1(ジェノタイプ1)
ジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者を対象に本剤を投与した国内第III相試験において副作用(臨床検査値異常を含む)は363例中105例(28.9%)に認められた.主な副作用として末梢性浮腫15例(4.1%),頭痛12例(3.3%),悪心10例(2.8%)が認められた.(承認時)
セログループ2(ジェノタイプ2)(リバビリンとの併用)
国内第III相試験においてジェノタイプ2のC型慢性肝炎患者で副作用(臨床検査値異常を含む)は160例中98例(61.3%)に認められた.主な副作用として貧血36例(22.5%),血中ビリルビン増加29例(18.1%),そう痒14例(8.8%)が認められた.(承認時)
セログループ1(ジェノタイプ1)
体液貯留
末梢性浮腫(4.1%),浮腫(1.4%),顔面浮腫(0.6%),肺水腫(0.3%)があらわれることがある.低血圧(1.1%),無尿(0.3%)に至った例も報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.なお,体液貯留はCa拮抗剤を併用している患者であらわれやすい.(「相互作用」の項参照)
肝機能障害,肝不全
ALT(GPT)
※(0.3%),ビリルビン
※※(0.3%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある.また,肝酵素上昇の有無にかかわらず,血中ビリルビン値が著しく上昇し,腹水,肝性脳症等を伴う肝不全があらわれることがある.肝機能異常が認められた場合はより頻回に検査を行い,観察を十分に行うこと.悪化が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.ALT(GPT)が基準値上限の10倍を持続的に超える場合,あるいは肝不全の徴候が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
※基準値上限5倍超,※※基準値上限3倍超
急性腎不全(頻度不明)
急性腎不全があらわれることがあるので,定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.(「重要な基本的注意」の項参照)
セログループ2(ジェノタイプ2)(リバビリンとの併用)
体液貯留
末梢性浮腫(1.9%),浮腫(0.6%),顔面浮腫,肺水腫があらわれることがある.低血圧(0.6%),無尿に至った例も報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.なお,体液貯留はCa拮抗剤を併用している患者であらわれやすい.(「相互作用」の項参照)
肝機能障害,肝不全
ALT(GPT)
※(1.3%),ビリルビン
※※(3.8%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある.また,肝酵素上昇の有無にかかわらず,血中ビリルビン値が著しく上昇し,腹水,肝性脳症等を伴う肝不全があらわれることがある.肝機能異常が認められた場合はより頻回に検査を行い,観察を十分に行うこと.悪化が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.ALT(GPT)が基準値上限の10倍を持続的に超える場合,あるいは肝不全の徴候が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
※基準値上限5倍超,※※基準値上限3倍超
急性腎不全(頻度不明)
急性腎不全があらわれることがあるので,定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.(「重要な基本的注意」の項参照)
貧血
貧血(10.1%)があらわれることがあるので,ヘモグロビン量を定期的に測定するなど観察を十分に行い,ヘモグロビン量の減少を認めた場合は,リバビリンの添付文書に従いリバビリンの用量を調節するなど,適切な処置を行うこと.
以下の副作用が報告されている.次のような症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.
セログループ1(ジェノタイプ1)
5%未満 | 頻度不明※ | |
消化器 | 腹部不快感,便秘,心窩部不快感,胃炎,悪心,口内炎 | |
循環器 | 動悸 | |
精神神経 | 頭痛 | |
血液 | 貧血 | |
皮膚 | 脱毛症,皮脂欠乏性湿疹,紅斑,そう痒,発疹 | |
呼吸器 | 鼻咽頭炎 | |
過敏症 | 過敏症反応(舌,口唇腫脹を含む) | |
臨床検査 | AST(GOT)上昇,ALP上昇,血圧低下,クレアチニンクリアランス減少,尿中蛋白陽性,尿比重減少,尿中白血球エステラーゼ陽性 |
※自発報告
以下の副作用が報告されている.次のような症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.
セログループ2(ジェノタイプ2)(リバビリンとの併用)
5%以上 | 5%未満 | 頻度不明※ | |
消化器 | 腹部不快感,便秘,心窩部不快感,胃炎,悪心,口内炎 | ||
循環器 | 動悸 | ||
精神神経 | 頭痛 | 不眠症 | |
皮膚 | そう痒 | 脱毛症,皮脂欠乏性湿疹,紅斑,発疹 | |
呼吸器 | 鼻咽頭炎 | ||
過敏症 | 過敏症反応(舌,口唇腫脹を含む) | ||
全身症状 | 無力症,疲労 | ||
臨床検査 | 網状赤血球数増加 | AST(GOT)上昇,ALP上昇,血圧低下,クレアチニンクリアランス減少,尿中蛋白陽性,尿比重減少,尿中白血球エステラーゼ陽性 |
※自発報告
ヴィキラックス配合錠 22201.1円/錠
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効果の強さ
投稿日: 2016/04/19 参考率: 92%(55人/60人)
内科/50代/処方経験あり