マヴィレット

抗ウイルス化学療法剤

3.96364(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 グレカプレビル水和物 ピブレンタスビル
製造/販売 アッヴィ
剤形/規格
  • マヴィレット配合錠

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警告

  • 1.1

     本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。

禁忌

  • 2.1

     本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2

     重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者[9.3.1、16.6.1参照]

  • 2.3

     アタザナビル硫酸塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、リファンピシンを投与中の患者[10.1、16.7.2参照]

効能・効果

  • C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

用法・容量

  • <セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎の場合>

    • 通常、成人、12歳以上の小児及び3歳以上12歳未満かつ体重45kg以上の小児には1回3錠(グレカプレビルとして300mg及びピブレンタスビルとして120mg)を1日1回、食後に経口投与する。投与期間は8週間とする。なお、C型慢性肝炎に対する前治療歴に応じて投与期間は12週間とすることができる。

  • <セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のC型代償性肝硬変の場合>

    • 通常、成人、12歳以上の小児及び3歳以上12歳未満かつ体重45kg以上の小児には1回3錠(グレカプレビルとして300mg及びピブレンタスビルとして120mg)を1日1回、食後に経口投与する。投与期間は12週間とする。

  • <セログループ1(ジェノタイプ1)又はセログループ2(ジェノタイプ2)のいずれにも該当しないC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変の場合>

    • 通常、成人、12歳以上の小児及び3歳以上12歳未満かつ体重45kg以上の小児には1回3錠(グレカプレビルとして300mg及びピブレンタスビルとして120mg)を1日1回、食後に経口投与する。投与期間は12週間とする。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1

     B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。[9.1.1参照]

  • 8.2

     肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1参照]

  • 8.3

     C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、ワルファリンやタクロリムスの増量、低血糖によりインスリン等の糖尿病治療薬の減量が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の併用薬の用量調節が必要になる可能性がある。特にワルファリン、タクロリムス等の肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、PT-INRや血中薬物濃度、血糖値のモニタリングを頻回に行うなど患者の状態を十分に観察すること。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者

      • B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。[8.1参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者

      • 投与しないこと。本剤の曝露量が増加するおそれがある。[2.2、16.6.1参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊娠又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤成分が乳汁中へ移行することが確認されている。

  • 9.7 小児等

    • 12歳未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

過量投与

  • 13.1 処置

    • グレカプレビル及びピブレンタスビルは血液透析ではほとんど除去されない。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

相互作用

相互作用序文

  • グレカプレビルはP糖蛋白(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP)、有機アニオントランスポーター(OATP)1B1/1B3の基質であり、阻害剤である。ピブレンタスビルはP-gpの基質であり、P-gp、BCRP、OATP1B1の阻害剤である。[16.7.1、16.7.2参照]

薬物代謝酵素用語

P糖蛋白(P-gp)

薬物代謝酵素用語

乳癌耐性蛋白(BCRP)

薬物代謝酵素用語

有機アニオントランスポーター(OATP)1B1

薬物代謝酵素用語

有機アニオントランスポーター(OATP)1B3

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アタザナビル硫酸塩[レイアタッツ][2.3、16.7.2参照] グレカプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある。ALT上昇のリスクが増加するおそれがある。 アタザナビルのOATP1B阻害作用によるものと考えられる。ALT上昇の機序は不明。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アトルバスタチンカルシウム水和物[リピトール][2.3、16.7.2参照] アトルバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある。アトルバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある。 グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファンピシン[リファジン][2.3、16.7.2参照] グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。 リファンピシンのP-gp誘導作用による。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシンダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩[16.7.2参照] これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 グレカプレビル及びピブレンタスビルのP-gp阻害作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルバマゼピンエファビレンツフェニトインフェノバルビタールセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[16.7.2参照] グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。 これら薬剤のP-gp誘導作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エチニルエストラジオール ALT上昇のリスクが増加するおそれがある。 機序不明
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ロスバスタチンカルシウム[16.7.2参照] ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある。ロスバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある。 グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シンバスタチン[16.7.2参照] シンバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある。シンバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある。 グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B及びBCRP阻害作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プラバスタチンナトリウム[16.7.2参照] プラバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある。プラバスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある。 グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B阻害作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルバスタチンナトリウムピタバスタチンカルシウム水和物 これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これらスタチンによる副作用の発現リスクが高くなるおそれがある。 グレカプレビル及びピブレンタスビルのOATP1B阻害作用による。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリン[16.7.2参照] グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある。 シクロスポリンのOATP1B、P-gp及びBCRP阻害作用によるものと考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ロピナビル・リトナビル[16.7.2参照] グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある。 これら薬剤のOATP1B、P-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ダルナビルエタノール付加物/リトナビルダルナビルエタノール付加物・コビシスタット[16.7.2参照] グレカプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある。 これら薬剤のOATP1B、P-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    • AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.2参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%未満 頻度不明
消化器 悪心、腹痛、腹部膨満 嘔吐、上腹部痛
代謝・栄養 食欲減退
精神神経 頭痛、傾眠
皮膚 そう痒、発疹、薬疹、血管炎性皮疹 血管性浮腫
泌尿器・生殖器 蛋白尿
全身症状 倦怠感、疲労、悪寒、活動性低下 無力症
臨床検査 血中ビリルビン増加、ALT増加、尿中結晶陽性

薬価

マヴィレット配合錠 17422.8円/錠

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

副作用の頻度

投稿日: 2020/07/01 参考率: 92%(12人/13人)

外科/30代/処方経験あり

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