<効能共通>
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
<予防>
2.2 重度の腎障害のある患者[9.2.2、16.6.3参照]
マラリア
マラロン配合錠
治療
成人
通常、1日1回アトバコン/プログアニル塩酸塩として1000mg/400mgを3日間、食後に経口投与する。
小児
通常、体重に応じアトバコン/プログアニル塩酸塩として下記の投与量を1日1回3日間、食後に経口投与する。
5〜8kg
125mg/50mg
9〜10kg
187.5mg/75mg
11〜20kg
250mg/100mg
21〜30kg
500mg/200mg
31〜40kg
750mg/300mg
>40kg
1000mg/400mg
予防
成人
通常、1日1回アトバコン/プログアニル塩酸塩として250mg/100mgを、マラリア流行地域到着24〜48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。
小児
通常、体重に応じアトバコン/プログアニル塩酸塩として下記の投与量を1日1回、マラリア流行地域到着24〜48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。
11〜20kg
62.5mg/25mg
21〜30kg
125mg/50mg
31〜40kg
187.5mg/75mg
>40kg
250mg/100mg
<効能共通>
8.1 本剤の使用に際しては、マラリアに関して十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
8.2 本剤の投与後にマラリアが再燃した場合、又は予防的化学療法が失敗した場合には、マラリアの赤血球期に有効な別の薬剤の投与を考慮すること。
8.3 重度の肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞があらわれることがあるので、必要に応じ肝機能検査を行うこと。[11.1.2参照]
<予防>
8.4 マラリア流行地域への渡航者が本剤を予防に使用する際には、予防の基本はマラリア媒介蚊による刺咬を防ぐことであるため、他の予防手段(防虫スプレー、蚊帳の使用など)も必要であることを説明し、注意を促すこと。[5.5参照]
9.2 腎機能障害患者
<治療>
9.2.1 重度の腎障害のある患者
他剤の投与を考慮するなど投与の可否を慎重に判断し、治療による有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇することで副作用が発現する危険性が高い。[16.6.3参照]
<予防>
9.2.2 重度の腎障害のある患者
投与しないこと。本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇することで副作用が発現する危険性が高い。[2.2、16.6.3参照]
<効能共通>
9.2.3 腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者を除く)
本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある。
9.4 生殖能を有する者
出産可能年齢の女性は、本剤投与中も神経管欠損の予防のために葉酸サプリメントを継続して良い。本剤の配合成分であるプログアニルは、マラリア原虫のジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を阻害することにより効果を発現する。葉酸サプリメントにより本剤の効果が減弱することを示すデータはない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.1 アトバコン
ラットに投与したところ、ヒトに本剤を投与したときの血漿中濃度の約6.5倍の曝露量において生殖発生毒性はみられなかったが、ウサギでは、ヒトでの血漿中濃度の約1.4倍の曝露量において母動物毒性(体重及び摂餌量の低値)に関連すると考えられる流産及び胎児体長・体重の軽度な低値がみられた。また、ラット及びウサギでは単回経口投与により胎盤を通過して胎児に分布することが報告されている。
9.5.2 プログアニル
ラット及びウサギの胚・胎児発生に関する試験では、最高用量のそれぞれ20及び40mg/kg/日(ヒト全身曝露量の約1/25及び1倍に相当)の投与によっても悪影響は認められなかった。ラットの出生前・後の発生及び母体機能に関する試験では、最高16mg/kg/日(ヒト全身曝露量の約1/50に相当)の投与により悪影響は認められなかった。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.6.1 アトバコン
動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.6.2 プログアニル
わずかにヒト乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児又は体重5kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、肝・腎機能等の生理機能が低下している。本剤の薬物動態試験において、高齢者の全身曝露量が増加した。[16.6.2参照]
13.1 症状
13.1.1 アトバコン
31500mgまでの過量投与症例が報告されている。そのうちジアフェニルスルホン(投与量不明)も同時に服用した過量投与患者1例では、メトヘモグロビン血症が発現した。過量投与後に発疹も報告されている。
13.1.2 プログアニル
可逆性の脱毛、手掌及び足底部の皮膚鱗屑、可逆性のアフタ性潰瘍ならびに血液学的副作用が報告されている。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 アトバコン及びプログアニル塩酸塩のイヌにおける6ヵ月間併用投与試験において、プログアニル塩酸塩投与群に心臓(右心房)の線維性血管組織増殖及び間質性肺炎の増悪がみられた。
15.2.2 アトバコンのマウスのがん原性試験において、種特異的と考えられる肝薬物代謝酵素の誘導に関連した肝臓腫瘍の増加がみられた。
15.2.3 プログアニルの活性代謝物であるcycloguanil(DHFR阻害作用を有す)は細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性であったが、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験及びマウスを用いた小核試験では陽性を示した。しかしながら、cycloguanilによるこれらの影響は、フォリン酸の添加によって著しく消失又は減弱した。
本剤を予防目的で使用した場合、保険給付の対象とならない。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝固剤ワルファリンカリウム等 | プログアニルはこれらの薬剤の抗凝固作用を増強する可能性がある。これらの薬剤を継続している患者においてマラリアの予防及び治療に対し本剤を開始又は中止する場合には、注意すること。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン[16.7.2参照]リファブチン[16.7.3参照] | リファンピシンとの併用によりアトバコンの血漿中濃度が約53%低下し、t1/2は約33時間短縮した。また、リファブチンとの併用によりアトバコンの血漿中濃度が約34%低下し、t1/2は約14時間短縮した。併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| テトラサイクリン塩酸塩メトクロプラミド[16.7.6参照] | アトバコンの血漿中濃度はテトラサイクリンの併用で約40%低下した。また、メトクロプラミドの併用でアトバコンの血漿中濃度は約58%低下した。併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジドブジン[16.7.5参照] | ジドブジンのみかけの経口クリアランスはアトバコンとの併用により約25%低下し、AUCは約33%増加した。 | 機序は不明である。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
11.1.2 重度の肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞(いずれも頻度不明)[8.3参照]
11.1.3 アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.4 汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 血液 | 貧血 |
| 過敏症 | 血管性浮腫、血管炎 |
| 精神神経系 | 幻覚、頭痛、不眠症、浮動性めまい |
| 消化器 | 腹痛、悪心、嘔吐、下痢、口内炎、胃障害、口腔内潰瘍形成 |
| 皮膚 | 発疹、脱毛、蕁麻疹 |
| その他 | 低ナトリウム血症、食欲不振、アミラーゼ上昇、肝酵素上昇、発熱、咳嗽 |
マラロン配合錠 507.3円/錠
マラロン小児用配合錠 246.8円/錠
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