グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症の患者に本剤を投与後、重篤な溶血性貧血が認められている。G6PD欠損症等の溶血性貧血のリスクの有無については、家族歴を含めて問診を行うなど十分に確認を行うこと。[2.2、8.2、9.1.2、10.2、11.1.1参照]
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症の患者[1.、8.2、11.1.1参照]
2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5、15.2.1、15.2.3参照]
三日熱マラリア及び卵形マラリア
通常、成人にはプリマキンとして30mgを1日1回14日間、食後に経口投与する。
通常、小児にはプリマキンとして0.5mg/kg(最大30mg)を1日1回14日間、食後に経口投与する。
8.1 本剤の使用に際しては、マラリアの診断・治療に関して十分な知識と経験をもつ医師又はその指導の下で行うこと。
8.2 本剤の服用により溶血性貧血、メトヘモグロビン血症があらわれるおそれがある。溶血性貧血は投与開始後1週間以内に認められることがあるので、本剤の投与前及び投与中は、ヘモグロビン値、ハプトグロビン値等の血液検査を頻回に行い、異常が認められた場合は本剤による治療継続の可否を慎重に判断すること。患者に対し、溶血性貧血を示唆する徴候(尿の暗色化、青白い肌、息切れ、めまい、疲労など)や、メトヘモグロビン血症の徴候(青みがかった唇や爪など)がみられた場合には、直ちに使用を中止し、医師に連絡するよう指導すること。危険因子のない患者でもメトヘモグロビン濃度を一過性に最大10%上昇させる可能性がある。[1.、2.2、9.1.2、10.2、11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 関節リウマチやエリテマトーデスなどによって顆粒球減少の傾向を呈する患者
顆粒球減少の発現が増加するおそれがある。
9.1.2 溶血性貧血の既往あるいは家族歴のある患者及び先天性NADH・メトヘモグロビン還元酵素欠損症の患者
血液障害の発現が増加するおそれがある。[1.、8.2、10.2、11.1.1参照]
9.1.3 心疾患等のリスクを有する患者
QT間隔延長及び不整脈があらわれるおそれがある。[10.2、13.1参照]
9.1.4 遺伝的にCYP2D6の活性が欠損している患者(Poor Metabolizer)又はCYP2D6の活性が低い患者(Intermediate Metabolizer)
治療効果が減弱するおそれがある。[16.4、16.7.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤は母体及び胎児に血管内溶血を引き起こす可能性がある。また、プリマキンには遺伝毒性の可能性があることが報告されている。ラット器官形成期投与試験で胎児に対する影響が認められたとの報告がある。[2.3、9.4.1、15.2.1、15.2.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳婦にプリマキン0.5mg/kgを投与したところ、乳汁中にプリマキンが移行すること、生後1ヶ月以上のG6PDが正常な乳児における授乳を介したプリマキンの相対投与量は授乳婦への投与量の1%未満であったことが報告されている。
9.7 小児等
本剤投与による溶血性貧血を含むリスクとベネフィットを考慮した上で、投与の可否を慎重に判断すること。4歳未満の小児に対する臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。
13.1 症状
本剤の過量投与により、腹部仙痛、嘔吐、黄疸、心窩部灼熱感・苦悶、不整脈及びQT延長を含む心臓血管系の障害、中枢神経系の障害、チアノーゼ、メトヘモグロビン血症、中等度の白血球増加又は白血球減少、貧血、顆粒球減少、急性溶血性貧血などが発現することがある。[9.1.3参照]
13.2 処置
症状のあるメトヘモグロビン血症に対しては、メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)1〜2mg/kgにより治療すること。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 遺伝毒性試験のうち、細菌を用いる復帰突然変異試験及びマウス骨髄細胞染色体異常試験において陽性結果が報告されている
15.2.2 サル14日間及び28日間経口投与毒性試験で脳神経系への影響(大脳皮質における浮腫及びグリオーシス、並びに背側運動核、視索上核及び室傍核における細胞消失、細胞凝集、核濃縮等)が認められたとの報告がある
15.2.3 ラット器官形成期投与試験で母動物に強い毒性が認められる用量で胎児にも影響(内臓異常、骨格変異等)が認められたとの報告がある
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 溶血性貧血が報告されている薬剤イブプロフェン等の解熱消炎鎮痛剤、セフェム系抗生物質製剤、メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)等[1.、8.2、9.1.2、11.1.1参照] | 併用により溶血性貧血の危険性が高まる可能性がある。 | 両剤の相加的な溶血作用によるものと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 骨髄抑制を起こすおそれのある薬剤抗悪性腫瘍剤、骨髄抑制剤、ペニシラミン、金製剤等 | 併用により骨髄抑制による副作用が増強するおそれがある。 | 機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| QT延長を起こすことが知られている薬剤キノロン系抗菌薬モキシフロキサシン塩酸塩、レボフロキサシン水和物等クラスIA抗不整脈薬キニジン、プロカインアミド等クラスIII抗不整脈薬アミオダロン、ソタロール等スルピリド、イミプラミン、ピモジド、ハロペリドール、エリスロマイシン、コハク酸ソリフェナシン等[9.1.3参照] | QT延長を起こすおそれがある。 | 機序は不明である。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 溶血性貧血、白血球減少、メトヘモグロビン血症(いずれも頻度不明)
溶血性貧血を示唆する徴候(尿の暗色化、ヘモグロビン値あるいは赤血球数の急激な減少等)がみられた場合、又は白血球数の急激な減少が認められた場合は、本剤の使用を直ちに中止すること。[1.、2.2、8.2、9.1.2、10.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹、そう痒症 |
| 消化器 | 悪心、嘔吐、胃部不快感、腹痛 |
| 精神神経系 | 浮動性めまい |
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