マラロン配合錠

抗マラリア剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 アトバコン プログアニル塩酸塩
製造/販売 グラクソ・スミスクライン
剤形/規格
  • マラロン配合錠

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禁忌

  • 〔共通(治療及び予防)〕

    • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 〔予防の目的で投与する場合〕

    • 重度の腎障害のある患者[本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある(「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。]

効能・効果

  • マラリア

用法・容量

  • 治療

    • 通常、成人には1日1回4錠(アトバコン/プログアニル塩酸塩として1000mg/400mg)を3日間、食後に経口投与する。

    • 通常、小児には体重に応じてアトバコン/プログアニル塩酸塩として250mg/100mg(1錠)〜1000mg/400mg(4錠)を1日1回3日間、食後に経口投与する。体重別の投与量は、下記のとおりである。

      • 11〜20kg

        250mg/100mg(1錠)

      • 21〜30kg

        500mg/200mg(2錠)

      • 31〜40kg

        750mg/300mg(3錠)

      • >40kg

        1000mg/400mg(4錠)

  • 予防

    • 通常、成人及び体重40kgを超える小児には1日1回1錠(アトバコン/プログアニル塩酸塩として250mg/100mg)を、マラリア流行地域到着24〜48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤の使用に際しては、マラリアに関して十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。

  • 本剤を予防に用いる場合には、渡航先のマラリア汚染状況も踏まえて、本剤の必要性を慎重に検討すること[「その他の注意」の項参照]。

  • 意識障害や臓器不全を伴う重症マラリア患者においては、本剤の効果が十分に得られない可能性があるため、他の治療を考慮すること。

  • 本剤の投与後にマラリアが再燃した場合、又は予防的化学療法が失敗した場合には、マラリアの赤血球期に有効な別の薬剤の投与を考慮すること。

  • 三日熱マラリアに対しアトバコン及びプログアニルを単独投与したとき、再発がしばしば報告されている。三日熱マラリア又は卵形マラリアに曝露された旅行者及びこれらの原虫によるマラリア発症者には、マラリア原虫の休眠体に対する活性を示す薬剤による治療を考慮すること。

  • 腎障害のある患者において、本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある。重度の腎障害のある患者に予防の目的で投与しないこと。なお、重度の腎障害のある患者に治療の目的で使用する場合、副作用が発現する危険性が高いため、投与にあたっては、十分に観察すること(「禁忌」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)。

  • 下痢又は嘔吐が認められている急性マラリアの患者では、代替治療を検討すべきであるが、本剤を用いる場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること。

慎重投与

  • 腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者に予防の目的で投与する場合を除く)[本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある(「禁忌」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)]

過量投与

  • 徴候・症状

    アトバコン31500mgまでの過量投与症例が報告されている。そのうちジアフェニルスルホン(投与量不明)も同時に服用した過量投与患者1例では、メトヘモグロビン血症が発現した。過量投与後に発疹も報告されている。プログアニルでは、100〜200mg/日のプログアニル塩酸塩の用量に伴って時々見られる心窩部不快感や嘔吐などの有害事象が発現する可能性がある。また、可逆性の脱毛、手掌及び足底部の皮膚鱗屑、可逆性のアフタ性潰瘍ならびに血液学的副作用も報告されている。

  • 処置

    本剤の過量投与時の解毒剤は知られていない。また、血液透析の効果は不明である。過量投与時には患者を慎重に観察し、標準的な支持療法を行うこと。

適用上の注意

  • 薬剤交付時

    以下の点について指導すること。

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

  • アトバコン及びプログアニル塩酸塩のイヌにおける6ヵ月間併用投与試験において、プログアニル塩酸塩投与群に心臓(右心房)の線維性血管組織増殖及び間質性肺炎の増悪がみられた。

  • アトバコンのマウスのがん原性試験において、種特異的と考えられる肝薬物代謝酵素の誘導に関連した肝臓腫瘍の増加がみられた。

  • プログアニルの活性代謝物であるcycloguanil(DHFR阻害作用を有す)は細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性であったが、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験及びマウスを用いた小核試験では陽性を示した。しかしながら、cycloguanilによるこれらの影響は、フォリン酸の添加によって著しく消失又は減弱した。

  • マラリア流行地域への渡航者が本剤を予防に使用する際には、予防の基本はマラリア媒介蚊による刺咬を防ぐことであるため、他の予防手段(防虫スプレー、蚊帳の使用など)も必要であることを説明し、注意を促すこと。

その他の説明

  • 本剤を予防目的で使用した場合、保険給付されません。

相互作用

相互作用序文

  • テトラサイクリン、メトクロプラミド、リファンピシン及びリファブチン等を併用投与中の患者では、アトバコンの血中濃度が低下することから、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること。また、プログアニルは主にCYP2C19で代謝される。

薬物代謝酵素用語

CYP2C19

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クマリン系抗凝固剤 ワルファリン等 プログアニルはこれらの薬剤の抗凝固作用を増強する可能性がある。これらの薬剤を継続している患者においてマラリアの予防及び治療に対し本剤を開始又は中止する場合には、注意すること。 機序は不明である。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファンピシンリファブチン リファンピシンとの併用によりアトバコンの血中濃度が約53%低下し、t1/2は約33時間短縮した。また、リファブチンとの併用によりアトバコンの血中濃度が約34%低下し、t1/2は約14時間短縮した。 機序は不明である。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テトラサイクリンメトクロプラミド アトバコンの血漿中濃度はテトラサイクリンの併用で約40%低下した。また、メトクロプラミドの併用でアトバコンの血漿中濃度は約58%低下した。 機序は不明である。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジドブジン ジドブジンのみかけの経口クリアランスはアトバコンとの併用により約25%低下し、AUCは約33%増加した。 機序は不明である。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
インジナビル アトバコンとの併用によりインジナビルのCmin,ssが有意に減少した(約23%減少)。インジナビルのトラフ濃度が減少するため、併用に注意すること。 機序は不明である。

副作用

副作用発現状況の概要

  • マラリアの成人及び12歳以上の小児患者を対象とした海外臨床試験において、総症例436例中、202例(46%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、腹痛74例(17%)、悪心54例(12%)、嘔吐54例(12%)、頭痛44例(10%)であった。

  • マラリアの小児患者(3〜12歳)を対象とした海外臨床試験において、総症例115例中、27例(23%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、嘔吐11例(10%)、そう痒症7例(6%)であった。

  • 健康成人を対象としたマラリア予防の海外臨床試験(投与期間10週間)において、総症例381例中、64例(17%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、頭痛18例(5%)であった。

  • 健康小児(4〜16歳)を対象としたマラリア予防の海外臨床試験(投与期間12週間)において、総症例125例中、52例(42%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、腹痛39例(31%)、頭痛17例(14%)、嘔吐9例(7%)であった。

  • 健康小児(3歳以上)及び成人を対象としたマラリア予防の海外実薬対照臨床試験(平均投与期間28日)において、総症例493例中、149例(30%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、下痢37例(8%)、異常な夢33例(7%)、口腔内潰瘍形成29例(6%)、腹痛27例(5%)であった。

  • 健康小児(14歳以上)及び成人を対象としたマラリア予防の海外実薬対照臨床試験(平均投与期間26日)において、総症例511例中、110例(22%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、下痢27例(5%)であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明注1)

    皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 重度の肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞(頻度不明注1)

    重度の肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞があらわれることがあるので、必要に応じ肝機能検査を行うこと。

  • アナフィラキシー(頻度不明注1)

    アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 汎血球減少症(頻度不明注1),注2) 、無顆粒球症、白血球減少(頻度不明注1)

    汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。

  • 注2)重度の腎障害患者で報告されている。

その他の副作用

頻度不明 注1)
血液 貧血
過敏症 血管浮腫、血管炎
精神神経系 幻覚、頭痛、不眠症、浮動性めまい
消化器 腹痛、悪心・嘔吐、下痢、口内炎、胃障害、口腔内潰瘍形成
皮膚 発疹、脱毛、蕁麻疹
その他 低ナトリウム血症、食欲不振、アミラーゼ上昇、肝酵素上昇、発熱、咳嗽
  • 注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。

薬価

マラロン配合錠 498.1円/錠

評価サマリー

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