閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により、眼圧が上昇し症状を悪化させるおそれがある。]
前立腺肥大等による排尿障害がある患者[抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β
2刺激剤の併用が必要な場合)
通常、成人にはアノーロエリプタ1吸入(ウメクリジニウムとして62.5μg及びビランテロールとして25μg)を1日1回吸入投与する。
本剤は気管支喘息治療を目的とした薬剤ではないため、気管支喘息治療の目的には使用しないこと。なお、気管支喘息を合併した慢性閉塞性肺疾患患者に本剤を適用する場合には、気管支喘息の管理が十分行われるよう注意すること。
本剤は急性増悪の治療を目的としておらず、慢性閉塞性肺疾患に基づく症状を安定させるためには、本剤を継続して投与する必要がある。ただし、用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当でないと考えられるので、漫然と投与を継続せず中止すること。
本剤の吸入後に奇異性気管支痙攣があらわれることがある。そのような状態では、患者の生命が脅かされる可能性があるので、気管支痙攣が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
過度に本剤の使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、用法・用量を超えて投与しないよう注意すること。(「過量投与」の項参照)
甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。]
心疾患を有する患者[抗コリン作用により心不全、心房細動、期外収縮が発現又は悪化するおそれがある。β
2刺激作用により上室性頻脈、期外収縮等の不整脈が発現又は悪化するおそれがある。また、QT延長が発現するおそれがある。]
高血圧の患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
糖尿病の患者[高用量のβ
2刺激剤を投与すると、血糖値が上昇するおそれがある。血糖値をモニタリングするなど慎重に投与すること。]
前立腺肥大のある患者[排尿障害が発現するおそれがある。]
徴候・症状
本剤の過量投与により、抗コリン剤の薬理学的作用による症状(口内乾燥、視調節障害及び頻脈等)の発現やβ
2刺激剤の薬理学的作用による症状(頻脈、不整脈、振戦、頭痛及び筋痙攣等)が発現するおそれがある。また、外国人健康成人にUMEC/VI 500/100μgを1日1回10日間吸入投与したときQT間隔延長が認められた。(「薬物動態」の項参照)
処置
対症療法を行うとともに、必要に応じて患者をモニターすること。
本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用すること(内服しても効果はみられない)。医療従事者は、患者に正しい使用方法を十分に説明すること。
薬剤交付時
患者に使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
本剤は防湿のためアルミ包装されているので、使用開始直前にアルミ包装を開封するよう指導すること。
ビランテロールトリフェニル酢酸塩は、主としてCYP3A4で代謝される。また、ウメクリジニウム臭化物は、主としてCYP2D6で代謝される。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4阻害作用を有する薬剤 リトナビルケトコナゾール(経口剤:国内未発売)エリスロマイシン等 | ケトコナゾール(経口剤)を併用した臨床薬理試験において、血中のビランテロールの曝露量の増加が認められたとの報告がある。 | CYP3A4による代謝が阻害されることにより、ビランテロールの血中濃度が上昇する可能性がある。(「薬物動態」の項参照) |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
β遮断薬 | ビランテロールの作用が減弱するおそれがある。 | β受容体においてビランテロールと競合する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤 抗不整脈剤三環系抗うつ剤等 | QT間隔が延長され心室性不整脈等のリスクが増大するおそれがある。 | いずれもQT間隔を延長させる可能性がある。(「薬物動態」の項参照) |
第III相国際共同臨床試験2試験において、本剤又はウメクリジニウム(UMEC)/ビランテロール(VI)125/25μg*が投与された816例(日本人39例を含む)中61例(7.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、頭痛7例(0.9%)、口内乾燥7例(0.9%)、咳嗽6例(0.7%)、味覚異常5例(0.6%)であった。
国内長期投与試験において、UMEC/VI 125/25μg*が投与された130例中8例(6.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、高血圧2例(1.5%)であった。(承認時)
*)本剤の承認された用量は、UMEC/VI 62.5/25μg1日1回である。
心房細動(頻度不明)
心房細動が発現することがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「慎重投与」の項参照)
0.5%以上 | 頻度不明 注) | |
感染症 | 咽頭炎 | |
循環器 | 頻脈 | |
呼吸器 | 咳嗽 | |
消化器 | 口内乾燥 | 便秘 |
注)海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
アノーロエリプタ7吸入用 1997.2円/キット
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。
効果の強さ
投稿日: 2018/09/16 参考率: 100%(7人/7人)
内科/60代/処方経験あり