本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
○季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)注)
○特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)
注)最適使用推進ガイドライン対象
<気管支喘息>
通常、オマリズマブ(遺伝子組換え)として1回75〜600mgを2又は4週間毎に皮下に注射する。1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前血清中総IgE濃度及び体重に基づき、下記の投与量換算表により設定する。
<季節性アレルギー性鼻炎>
通常、成人及び12歳以上の小児にはオマリズマブ(遺伝子組換え)として1回75〜600mgを2又は4週間毎に皮下に注射する。1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前血清中総IgE濃度及び体重に基づき、下記の投与量換算表により設定する。
投与量換算表(1回投与量)
| 投与前の血清中総IgE濃度(IU/mL) | 体重(kg) | |||||||||
| ≧20〜25 | >25〜30 | >30〜40 | >40〜50 | >50〜60 | >60〜70 | >70〜80 | >80〜90 | >90〜125 | >125〜150 | |
| ≧30〜100 | 75mg | 75mg | 75mg | 150mg | 150mg | 150mg | 150mg | 150mg | 300mg | 300mg |
| >100〜200 | 150mg | 150mg | 150mg | 300mg | 300mg | 300mg | 300mg | 300mg | 450mg | 600mg |
| >200〜300 | 150mg | 150mg | 225mg | 300mg | 300mg | 450mg | 450mg | 450mg | 600mg | 4週間毎投与の表に該当しない場合には2週間毎投与の表に従い投与すること |
| >300〜400 | 225mg | 225mg | 300mg | 450mg | 450mg | 450mg | 600mg | 600mg | 4週間毎投与の表に該当しない場合には2週間毎投与の表に従い投与すること | |
| >400〜500 | 225mg | 300mg | 450mg | 450mg | 600mg | 600mg | 4週間毎投与の表に該当しない場合には2週間毎投与の表に従い投与すること | |||
| >500〜600 | 300mg | 300mg | 450mg | 600mg | 600mg | 4週間毎投与の表に該当しない場合には2週間毎投与の表に従い投与すること | ||||
| >600〜700 | 300mg | 4週間毎投与の表に該当しない場合には2週間毎投与の表に従い投与すること | 450mg | 600mg | 4週間毎投与の表に該当しない場合には2週間毎投与の表に従い投与すること | |||||
| >700〜800 | 4週間毎投与の表に該当しない場合には2週間毎投与の表に従い投与すること | |||||||||
| >800〜900 | ||||||||||
| >900〜1,000 | ||||||||||
| >1,000〜1,100 | ||||||||||
| >1,100〜1,200 | ||||||||||
| >1,200〜1,300 | ||||||||||
| >1,300〜1,500 | ||||||||||
| 投与前の血清中総IgE濃度(IU/mL) | 体重(kg) | |||||||||
| ≧20〜25 | >25〜30 | >30〜40 | >40〜50 | >50〜60 | >60〜70 | >70〜80 | >80〜90 | >90〜125 | >125〜150 | |
| ≧30〜100 | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | |||||||||
| >100〜200 | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | |||||||||
| >200〜300 | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | 375mg | ||||||||
| >300〜400 | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | 450mg | 525mg | |||||||
| >400〜500 | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | 375mg | 375mg | 525mg | 600mg | |||||
| >500〜600 | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | 375mg | 450mg | 450mg | 600mg | 投与不可 | ||||
| >600〜700 | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | 225mg | 2週間毎投与の表に該当しない場合には4週間毎投与の表に従い投与すること | 375mg | 450mg | 450mg | 525mg | 投与不可 | ||
| >700〜800 | 225mg | 225mg | 300mg | 375mg | 450mg | 450mg | 525mg | 600mg | 投与不可 | |
| >800〜900 | 225mg | 225mg | 300mg | 375mg | 450mg | 525mg | 600mg | 投与不可 | ||
| >900〜1,000 | 225mg | 300mg | 375mg | 450mg | 525mg | 600mg | 投与不可 | |||
| >1,000〜1,100 | 225mg | 300mg | 375mg | 450mg | 600mg | 投与不可 | ||||
| >1,100〜1,200 | 300mg | 300mg | 450mg | 525mg | 600mg | 投与不可 | ||||
| >1,200〜1,300 | 300mg | 375mg | 450mg | 525mg | 投与不可 | |||||
| >1,300〜1,500 | 300mg | 375mg | 525mg | 600mg | 投与不可 | |||||
投与量換算表では、本剤の臨床推奨用量である0.008mg/kg/[IU/mL]以上(2週間間隔皮下投与時)又は0.016mg/kg/[IU/mL]以上(4週間間隔皮下投与時)となるよう投与量が設定されている。
<特発性の慢性蕁麻疹>
通常、成人及び12歳以上の小児にはオマリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを4週間毎に皮下に注射する。
<効能共通>
8.1 本剤の投与は、各適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
8.2 本剤投与後にショック、アナフィラキシーが発現する可能性があること、及びその徴候や症状について患者に十分説明し、異常が認められた場合には、速やかに担当医師に連絡するよう、患者を指導すること。[11.1.1、15.1.1参照]
8.3 本剤投与中に、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Churg-Strauss症候群)があらわれることがあり、これらの多くは経口ステロイド剤の減量・中止時に発現している。本剤使用時は、好酸球数の推移及び発疹、肺症状の悪化(肺の浸潤等)、心臓合併症(心筋炎等)、ニューロパシー等の血管炎症状に注意すること。
8.4 本剤の投与中止により、通常、遊離IgE濃度及び症状が治療前の状態に戻る。
8.5 本剤投与中にめまい、疲労、失神、傾眠があらわれることがあるため、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事する場合には十分に注意させること。
8.6 本剤はIgEと複合体を形成し、遊離IgEを減少させる。IgEは寄生虫感染に対する宿主防御機能に関与する因子の1つと考えられていることから、寄生虫感染のリスクが高い地域に旅行する場合には注意すること。
8.7 本剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー性疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤投与中止・終了後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー性疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。
<気管支喘息>
8.8 本剤は気管支拡張薬、ステロイド薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬等と異なり、すでに起こっている発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではないので、患者に十分説明しておく必要がある。
8.9 本剤を投与中、大発作をみた場合は気管支拡張薬あるいはステロイド薬を投与する必要がある。
8.10 長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与によりステロイド薬の減量をはかる場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(サル)で本剤が胎盤を通過することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(サル)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
<気管支喘息>
9.7.1 低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 6歳以上の小児を対象とした臨床試験において、頭痛、発熱、上腹部痛が多く認められている。
<季節性アレルギー性鼻炎、特発性の慢性蕁麻疹>
9.7.3 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製前の準備
投与量が150mgを超える場合は投与液量一覧表を参考に、複数のバイアルを使用する。この場合、必要数の注射筒及び注射針(18ゲージ、25ゲージ)を用意すること。
14.1.2 調製方法
本剤の溶解には日局注射用水以外は使用しないこと。
(1)溶解時には以下の点に留意すること。
・18ゲージの注射針を装着した注射筒を用いて、1バイアルあたり日局注射用水を75mgバイアルの場合0.9mL、150mgバイアルの場合1.4mLを採取し、バイアル内の粉末にかかるように注入し、バイアルを立てた状態で約1分間渦を描くように回転させる。この間バイアルは振ったりせず静かに回し、泡が立たないようにすること。
・次いで約5分毎に5〜10秒間バイアルを回し、完全に粉末を溶解させる。
・溶解には約15〜20分程度を要するが、20分以上かかる場合もある。その場合、溶液中にゲル状の粒子が見えなくなるまで約5分毎に5〜10秒間バイアルを回す操作を繰り返す。40分以内に溶解しない場合には使用しないこと。また、溶解時に泡立ちが見られることがある。
(2)溶解後は出来るだけ速やかに使用すること。直ちに使用しない場合は、2〜8℃で保存し、8時間以内に使用すること。使用後の残液は使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 外観に異常を認めた場合には使用しないこと。
14.2.2 下記投与液量一覧表を参考に、必要バイアル数を溶解し、投与に必要な総投与液量を18ゲージの注射針を装着した注射筒を用いて採取する。
75mgバイアル
本剤1バイアルを日局注射用水0.9mLに溶解した溶液0.6mLがオマリズマブ(遺伝子組換え)の投与量75mgに相当する。
150mgバイアル
本剤1バイアルを日局注射用水1.4mLに溶解した溶液1.2mLがオマリズマブ(遺伝子組換え)の投与量150mgに相当する。
14.2.3 採取後25ゲージの注射針に交換し、皮下注射する。溶液は粘性があるため、注射するのに5〜10秒を要する場合がある。
14.2.4 1回につき1.2mL(150mg)を超えて投与する場合には、1箇所あたり1.2mLを超えないように部位を分けて投与すること。
| オマリズマブ(遺伝子組換え)投与量 | 必要バイアル数の例 (組み合わせはこの限りではない) |
総投与液量 | |
| 75mgバイアル | 150mgバイアル | ||
| 75mg | 1本 | − | 0.6mL |
| 150mg | − | 1本 | 1.2mL |
| 225mg | 1本 | 1本 | 1.8mL |
| 300mg | − | 2本 | 2.4mL |
| 375mg | 1本 | 2本 | 3.0mL |
| 450mg | − | 3本 | 3.6mL |
| 525mg | 1本 | 3本 | 4.2mL |
| 600mg | − | 4本 | 4.8mL |
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.2 悪性腫瘍の発現頻度は、国内及び海外の無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験において、本剤群4,254例で4.14例/1,000人・年(14例/3,382人・年)、対照群3,178例で4.45例/1,000人・年(11例/2,474人・年)であった(発現頻度比:0.93[95%信頼区間:0.39、2.27])。また、5年間の追跡調査を行った気管支喘息患者を対象とした海外の市販後観察研究においては、本剤群5,007例で16.01件/1,000人・年(295件/18,426人・年)、対照群2,829例で19.07件/1,000人・年(190件/9,963人・年)であった(発現頻度比:0.84[95%信頼区間:0.62、1.13])。なお、本剤を悪性腫瘍のリスクが高い患者(例:高齢者、喫煙者)に使用した場合の影響は不明である。本剤のがん原性試験は、一般的にがん原性試験に使用されるマウス及びラットのIgEと結合しないことから、実施されていない。
15.1.3 動脈血栓塞栓イベントの発現頻度は、国内及び海外の投与期間8週間以上無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験において、本剤群3,342例で2.69例/1,000人・年(5例/1,856人・年)、対照群2,895例で2.38例/1,000人・年(4例/1,680人・年)であった(発現頻度比:1.13[95%信頼区間:0.24、5.71])。内訳は、本剤群で心筋梗塞が2例、脳卒中、不安定狭心症、一過性脳虚血発作がそれぞれ1例、対照群で心血管死が3例、不安定狭心症が1例であった。また、5年間の追跡調査を行った気管支喘息患者を対象とした海外の市販後観察研究においては、本剤群5,007例で7.52件/1,000人・年(115件/15,286人・年)、対照群2,829例で5.12件/1,000人・年(51件/9,963人・年)であり、ベースラインの心血管危険因子で調整した多変量解析では、ハザード比1.32[95%信頼区間:0.91、1.91]であった。
15.1.4 気管支喘息患者を対象とした本剤の臨床試験は、国内成人臨床試験で48週間、国内小児臨床試験で24週間、海外成人臨床試験で5年間、海外小児臨床試験で3年間までの期間で実施されており、これらの期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。
15.1.5 スギ花粉症患者を対象とした本剤の臨床試験は、日本人の成人及び12歳以上の小児を対象として12週間の期間で実施されており、この期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。[7.6、17.1.5参照]
15.1.6 特発性の慢性蕁麻疹患者を対象とした本剤の臨床試験は、日本人の成人及び12歳以上の小児を含む臨床試験で12週間、海外の成人及び12歳以上の小児の臨床試験で最長24週間で実施されており、これらの期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。[7.7、17.1.6参照]
15.1.7 本剤投与により、抗オマリズマブ抗体が発現することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 動物を用いた反復皮下投与毒性試験において、カニクイザルでは15mg/kg/週以上(幼若動物)及び30mg/kg/週以上(成熟動物)の群で、チンパンジーでは250mg/kg/週の群で血小板数の減少が報告されている。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下、失神、蕁麻疹、舌浮腫、口唇浮腫、咽・喉頭浮腫等があらわれることがある。本剤投与後2時間以内に発現することが多いが、2時間以上経過してから発現することもある。また、長期間の定期的投与後においても発現することがある。[8.2、15.1.1参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 1%〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 感染症及び寄生虫症 | − | − | 鼻咽頭炎 | 上気道感染、咽頭炎、副鼻腔炎、寄生虫感染、尿路感染 |
| 血液 | − | − | 血小板数減少 | 出血 |
| 神経系障害 | − | 頭痛 | 傾眠、めまい | 錯感覚、失神 |
| 血管障害 | − | − | 潮紅 | 起立性低血圧 |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | − | − | − | 咳嗽、アレルギー性気管支痙攣、喉頭浮腫 |
| 胃腸障害 | − | − | 消化不良、悪心 | 下痢、上腹部痛 |
| 過敏症 | − | 蕁麻疹 | そう痒症、発疹 | 血管浮腫、血清病注) |
| 皮膚 | − | − | − | 光線過敏、脱毛 |
| 筋骨格系 | − | − | 四肢痛、筋骨格痛 | 関節痛、筋痛、関節腫脹 |
| 全身障害 | − | − | 熱感、疲労、腕の腫脹、発熱、けん怠感 | 体重増加、インフルエンザ様疾患 |
| 注射部位 | 紅斑、腫脹 | そう痒感、疼痛、出血、熱感、硬結 | 発疹、腫瘤、浮腫、蕁麻疹、しびれ感、不快感 | − |
注)III型過敏反応であり、関節炎及び関節痛、発疹(蕁麻疹又はその他の発疹)、発熱及びリンパ節腫脹を特徴とする。
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効果の強さ
投稿日: 2015/01/15 参考率: 92%(24人/26人)
内科/60代/処方経験あり