血漿分画製剤(生理的組織接着剤)
一般名 |
アプロチニン トロンビン ヒト血液凝固第XIII因子 塩化カルシウム水和物 乾燥人フィブリノゲン
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製造/販売 | CSLベーリング |
剤形/規格 |
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本剤の成分又は牛肺を原料とする製剤(アプロチニン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
下記の薬剤による治療を受けている患者[血栓形成傾向があらわれるおそれがある。]
凝固促進剤(蛇毒製剤)、抗線溶剤、アプロチニン製剤
組織の接着・閉鎖(ただし、縫合あるいは接合した組織から血液、体液または体内ガスの漏出をきたし、他に適切な処置法のない場合に限る。)
用法
フィブリノゲン末(バイアル1)をアプロチニン液(バイアル2)全量で溶解し、A液とする。トロンビン末(バイアル3)を、アプロチニン液量と同量の塩化カルシウム液(バイアル4)で溶解し、B液とする。接着・閉鎖部位にA液、B液を重層または混合して適用する。
用量
通常、10cm2あたりA液B液各々1mLを適用する。なお、接着・閉鎖部位の状態、大きさに応じ適宜増減する。
[患者への説明]
本剤の使用にあたっては疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
本剤の原材料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV、HBV、HCV及びHAVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATによるスクリーニングを実施し、適合した血漿を用いている。
その後の製造工程である60℃、10時間液状加熱処理は、HIVをはじめとする各種ウイルスの除去・不活化効果を有することが確認されており、またアプロチニンの製造工程である70℃、1時間加熱処理およびメンブレンフィルター処理はウシ由来各種ウイルスの除去・不活化効果を有することが確認されているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
アナフィラキシーを起こすおそれがあるので、観察を十分に行うこと。
現在の知見では、本剤の使用によりヒトに伝達性海綿状脳症(TSE)を伝播するとの疫学的データはなく、また、本剤に含まれる牛由来アプロチニンは、製造工程においてTSE原因物質の除去処理を行っている。しかしながら、TSE伝播についての理論的な危険性を完全に否定することはできず、また、TSE原因物質がマウス脳内に直接投与されたとき感染が認められたとの報告もあるので、頭蓋腔内、脊椎腔内及び眼球内への使用においては、治療上の有益性を勘案した上で本剤を使用すること。
重篤な肝障害、汎発性血管内凝固症候群(DIC)が考えられる病態を有する患者[血管内への流入により、血栓の形成あるいはDIC状態を悪化させるおそれがある。]
溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。]
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]
調製方法
溶解時に著しい沈殿の見られるものは使用しないこと。
溶解後、未開封のブリスター包装内で保存されている場合は常温で24時間安定であるが、ブリスター包装を開封した場合はただちに使用すること。
一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
適用時
本剤を体外循環終了時等の噴出性あるいは流出性出血の激しい部位の接着・閉鎖に使用する場合は、適切な方法で血流を遮断した上で適用すること。
本剤の過量使用は避けること。
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、使用日から少なくとも20年間保存すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
凝固促進剤蛇毒製剤抗線溶剤抗プラスミン剤アプロチニン製剤 | 併用により血栓形成傾向があらわれることがあるので併用は避けること。 | 本剤は生理的な血液凝固作用を模倣して作られており、これらの製剤と併用することにより、血液凝固作用が増強されるおそれがある。 |
ベリプラストP(胎盤組織由来の血液凝固第XIII因子を成分とする製剤)での調査では、承認時までの調査(1,225例)、市販後使用成績調査(14,007例)で副作用集計の対象となった15,232例中18例に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。また、ベリプラスト(血漿由来の血液凝固第XIII因子を成分とする製剤)では承認時までの調査で総計100例中2例3件の副作用が報告された。その内訳は、黄疸が1例(1%)、他の1例は肝機能異常・発熱であった。臨床検査値異常変動は5例19件で、その主なものは、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、フィブリノゲン上昇が各2件(2%)であった。
ショック(頻度不明)
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
精神神経系 | 頭痛 |
消化器 | 嘔吐 |
肝臓 | 黄疸、肝機能異常 |
一般的全身障害 | 過敏症、発熱、胸痛 |
ベリプラストPコンビセット組織接着用 8620.1円/組
ベリプラストPコンビセット組織接着用 12261.7円/組
ベリプラストPコンビセット組織接着用 34017.2円/組
ベリプラストPコンビセット組織接着用 54701.1円/組
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