キサンチン系薬剤の投与により、重篤な副作用がみられた患者〔本剤にプロキシフィリンが含まれているため〕
バルビツール酸系化合物に対して過敏症の既往歴のある患者
アドレナリン及びイソプロテレノール等のカテコールアミンを投与中の患者〔不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある「相互作用」の項参照〕
急性間欠性ポルフィリン症の患者〔本剤に含まれるフェノバルビタールにより、ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。〕
ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル、アスナプレビル、ダクラタスビル塩酸塩、バニプレビル、エルバスビル、グラゾプレビル水和物、ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩、ダルナビル エタノール付加物・コビシスタット、リルピビリン塩酸塩、リルピビリン塩酸塩・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン
下記疾患に伴う咳嗽及び気道閉塞症状
気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎
通常成人1回1錠を1日1〜2回就寝前又は必要時に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないよう注意すること。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。(「副作用」の項参照)
てんかんの患者〔本剤に含まれるプロキシフィリンの中枢刺激作用により、発作が誘発されるおそれがある〕
甲状腺機能亢進症の患者〔甲状腺機能亢進症の患者においては、頻脈、動悸等の循環器系の症状を呈することが多く、本剤に含まれるプロキシフィリン及びエフェドリン塩酸塩の心筋に対する興奮作用により、これらの症状が悪化するおそれがある〕
腎疾患(特に急性期)のある患者〔副作用があらわれやすい〕
心疾患のある患者〔本剤に含まれるプロキシフィリン及びエフェドリン塩酸塩の心筋に対する興奮作用により、症状が悪化するおそれがある〕
肝疾患のある患者〔副作用があらわれやすい〕
高血圧の患者〔本剤に含まれるエフェドリン塩酸塩のβ受容体刺激作用により、症状が悪化するおそれがある〕
糖尿病の患者〔本剤に含まれるエフェドリン塩酸塩により血糖が上昇し、症状が悪化するおそれがある〕
緑内障の患者〔本剤に含まれるエフェドリン塩酸塩により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある〕
前立腺肥大症の患者〔本剤に含まれるエフェドリン塩酸塩により、排尿困難が生じるおそれがある〕
頭部外傷後遺症の患者〔本剤に含まれるフェノバルビタールにより、意識障害等が増強されるおそれがある〕
進行した動脈硬化症の患者〔本剤に含まれるフェノバルビタールにより、意識障害等が増強されるおそれがある〕
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
小児(「小児等への投与」の項参照)
(本剤に含まれるフェノバルビタールについて)
症状
中枢神経系及び心血管系抑制。血中濃度40〜45μg/mL以上で眠気、眼振、運動失調が起こり、重症の中毒では昏睡状態となる。呼吸は早期より抑制され、脈拍は弱く、皮膚には冷汗があり、体温は下降する。肺の合併症や腎障害の危険性もある。
処置
呼吸管理。消化管に薬物が残留している場合は、胃洗浄、活性炭投与を行う。また、炭酸水素ナトリウム投与による尿アルカリ化、利尿剤投与により薬物の排泄を促進させる。重症の場合は血液透析や血液灌流を考慮すること。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
服用時
本剤は腸溶錠なので、かまずに服用させること。
本剤に含まれるフェノバルビタールは、ラット及びマウスに長期間大量投与(ラット:25mg/kg、マウス:75mg/kg)したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの報告がある。
本剤に含まれるフェノバルビタールにより、血清免疫グロブリン(IgA、IgG等)の異常があらわれることがある。
本剤に含まれるフェノバルビタールと抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
本剤に含まれるフェノバルビタールは薬物代謝酵素CYP3A等の誘導作用を有する。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カテコールアミン アドレナリン(ボスミン)イソプロテレノール(プロタノール)等 | エフェドリン塩酸塩はカテコールアミンとの併用により不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので併用しないこと。 | アドレナリン作動性神経活性を亢進させ、不整脈を起こす。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ボリコナゾール (ブイフェンド) タダラフィル (肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ) マシテンタン (オプスミット) チカグレロル (ブリリンタ) アルテメテル・ルメファントリン (リアメット配合錠) オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル (ヴィキラックス配合錠) アスナプレビル (スンベプラ) ダクラタスビル塩酸塩 (ダクルインザ) バニプレビル (バニヘップ) エルバスビル (エレルサ) グラゾプレビル水和物 (グラジナ) ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩 (ジメンシー配合錠) ダルナビル エタノール付加物・コビシスタット (プレジコビックス配合錠) | フェノバルビタールにより、これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リルピビリン塩酸塩 (エジュラント) リルピビリン塩酸塩・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩・エムトリシタビン (コムプレラ配合錠) | フェノバルビタールにより、リルピビリン塩酸塩の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リルピビリン塩酸塩・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン (オデフシィ配合錠) | フェノバルビタールにより、リルピビリン塩酸塩及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 (スタリビルド配合錠) | フェノバルビタールにより、エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下するおそれがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩 (ゲンボイヤ配合錠) | フェノバルビタールにより、エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下するおそれがある。また、テノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ソホスブビル・ベルパタスビル (エプクルーサ配合錠) | フェノバルビタールにより、ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下するおそれがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩 (ビクタルビ配合錠) | フェノバルビタールにより、ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するため、この薬剤の効果が減弱し、この薬剤に対する耐性が発現する可能性がある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン塩酸塩 (ジャルカ配合錠) | フェノバルビタールにより、ドルテグラビル及びリルピビリン塩酸塩の血中濃度が低下するおそれがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びUGT1A1誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 他のキサンチン系薬剤 テオフィリン等 中枢神経興奮薬 | プロキシフィリンは他のキサンチン系薬剤や中枢神経興奮剤との併用により、過度の中枢神経刺激作用をあらわすことがある。注1) | 中枢刺激作用の増強による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ハロタン | 不整脈等の副作用の増強及び反復併用によりプロキシフィリンの血中濃度の上昇をきたすことがある。注1) | 不明(心臓に対する作用の相加あるいは相乗効果と考えられている) |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| チクロピジン塩酸塩 パナルジン等 | この薬剤はテオフィリン、フェノバルビタールの血中濃度を上昇させることがある。注1) | チクロピジンにより、プロキシフィリンとフェノバルビタールの肝における代謝が阻害されることによる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| MAO阻害剤 甲状腺製剤 チロキシン、リオチロニン等 | エフェドリン塩酸塩の作用が増強され、血圧上昇や心拍数増加をきたすことがある。注1) | アドレナリン作動性神経活性の亢進による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| キサンチン誘導体 テオフィリン、ジプロフィリン等 | エフェドリン塩酸塩との併用により、血清カリウム値が低下するおそれがあるので、血清カリウム値をモニターするとともに、減量するなど注意すること。 | エフェドリン塩酸塩及びキサンチン誘導体はともに細胞内へのカリウム移行作用を持つ。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ステロイド剤 プレドニゾロン、ベタメタゾン等 利尿剤 フロセミド、ヒドロクロロチアジド等 | エフェドリン塩酸塩との併用により、血清カリウム値が低下するおそれがあるので、血清カリウム値をモニターするとともに、減量するなど注意すること。 | ステロイド剤及び利尿剤は尿中へのカリウム排泄を増加させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 中枢神経抑制剤 フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、トランキライザー、トピラマート等 抗ヒスタミン剤 ジフェンヒドラミン等 アルコール | フェノバルビタールにより、相互に作用が増強されることがある。注1) | 中枢神経抑制作用の増強による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| MAO阻害剤 | フェノバルビタールにより、相互に作用が増強されることがある。注1) | 不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 三環系抗うつ剤 イミプラミン等 四環系抗うつ剤 マプロチリン等 | (1)相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。(2)これらの抗うつ剤の血中濃度が低下することがある。注2) | (1)本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。(2)フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| メチルフェニデート | フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど注意すること。 | メチルフェニデートが肝代謝を抑制すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| バルプロ酸ナトリウム スチリペントール | (1)これらの薬剤はフェノバルビタールの血中濃度を上昇させ、作用を増強させるおそれがある。注1) (2)フェノバルビタールにより、これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注2) | (1)これらの薬剤が肝でのフェノバルビタールの代謝を抑制し、その血中濃度を上昇させることによる。(2)フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クロバザム | (1)フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある。(2)クロバザムの血中濃度が低下することがある。注2) | (1)機序不明(2)フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ソホスブビル レジパスビル・ソホスブビル グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル テノホビル アラフェナミドフマル酸塩 | フェノバルビタールにより、これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。 | フェノバルビタールのP糖蛋白誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| イリノテカン | フェノバルビタールにより、イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 主にCYP3A4で代謝される薬剤 アゼルニジピン イグラチモド イマチニブ インジナビル カルバマゼピン サキナビル シクロスポリン ゾニサミド タクロリムス フェロジピン ベラパミル モンテルカスト等 副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン等 卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤 ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等 PDE5阻害剤 タダラフィル(勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア)、シルデナフィル、バルデナフィル | フェノバルビタールは、これらの薬剤の血中濃度を低下させ、作用を減弱させることがあるので、用量に注意すること。注2) | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アミノフィリン水和物 クロラムフェニコール テオフィリン トロピセトロン パロキセチン フレカイニド | フェノバルビタールは、これらの薬剤の血中濃度を低下させ、作用を減弱させることがあるので、用量に注意すること。注2) | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ラモトリギン デフェラシロクス カナグリフロジン水和物 | フェノバルビタールにより、これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注2) | フェノバルビタールがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ルフィナミド | フェノバルビタールにより、これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注2) | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アピキサバン | フェノバルビタールにより、これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注2) | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ドキシサイクリン | フェノバルビタールにより、ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤 ワルファリン等 | フェノバルビタールは、クマリン系抗凝血剤の作用を減弱させることがあるので、通常より頻回に血液凝固時間を調べ、それに応じて、クマリン系抗凝血剤の投与量を決定する必要がある。 | フェノバルビタールが肝の薬物代謝酵素を誘導してクマリン系抗凝血剤の代謝を促進させ、その血中濃度を低下させることによる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルベンダゾール | フェノバルビタールにより、アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 利尿剤 チアジド系降圧利尿剤等 | フェノバルビタールにより、起立性低血圧が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 | 不明(高用量のフェノバルビタールは血圧を低下させることがある) |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アセタゾラミド | この薬剤はフェノバルビタールの骨代謝障害作用を増強させ、クル病、骨軟化症をあらわしやすい。注1) | 不明(アセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシスがクル病発症の要因として重視されている) |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アセトアミノフェン | フェノバルビタールの長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。 | フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。 |
注1)臨床経過を注意深く観察し、それに応じて本剤又は併用薬剤の投与量を変更するなど必要な処置を行うこと。
注2)本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。
総投与症例91例中、1例(1.10%)に副作用が認められ、その症状は悪心1件(1.10%)であった。また、本剤の投与によると思われる臨床検査値の異常変動がみられたのは、AST(GOT)の軽度上昇1件(1/47、2.13%)であった。(承認時)
(本剤に含まれるフェノバルビタールについて)
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
過敏症症候群
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
顆粒球減少、血小板減少
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸抑制
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(本剤に含まれるエフェドリン塩酸塩について)
重篤な血清カリウム値の低下
β2-刺激剤により重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、β2-刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。さらに、低酸素血症は、血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には、血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
(本剤に含まれるプロキシフィリンについて)
ショック、アナフィラキシーショック
類薬(アミノフィリン水和物)でショック、アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害
類薬(テオフィリン)で痙攣及びせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることが報告されている。
急性脳症
類薬(テオフィリン)で痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることが報告されているので、このような症状があらわれた場合は、投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
類薬(テオフィリン)で横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
肝機能障害
類薬(アミノフィリン水和物)で肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(本剤に含まれるフェノバルビタールについて)
依存性
類薬(フェノバルビタール)の連用により、薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、投与中止により、不安、不眠、痙攣、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の離脱症状があらわれるおそれがある。
| 頻度不明 | 0.1〜5%未満 | |
| 過敏症注1) | 発疹等 | |
| 精神神経系 | アステリクシス、めまい、発汗、神経過敏、脱力感、知覚異常、振戦、精神機能低下、興奮、多動等 | 眠気、睡眠障害、頭痛等 |
| 循環器 | 血圧上昇等 | 心悸亢進、動悸等 |
| 消化器 | 腹痛、下痢等 | 胃腸障害、胃部膨満感、悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、口渇等 |
| 肝臓注2) | 黄疸、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇等 | AST(GOT)上昇等 |
| 腎臓 | 排尿困難、蛋白尿等の腎機能障害 | 頻尿等 |
| 血液注2) | 血小板減少、巨赤芽球性貧血、低カルシウム血症等 | |
| 骨・歯注3) | クル病、骨軟化症、歯牙の形成不全 | |
| 長期連用注1) | 不安、幻覚、妄想を伴う精神症状、薬物依存傾向 | |
| その他 | 血清葉酸値の低下、ヘマトポルフィリン尿、発熱 |
注1)症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2)異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注3)異常(血清Al-P値の上昇、血清カルシウム・無機リンの低下等)があらわれた場合には、減量又はビタミンDの投与など適切な処置を行うこと。
アストモリジン配合腸溶錠 17.9円/錠
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