2.1 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[症状を増悪するおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある患者
気管支喘息
通常、成人にはブデソニドとして0.5mgを1日2回または1mgを1日1回、ネブライザーを用いて吸入投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最高量は2mgまでとする。
通常、小児にはブデソニドとして0.25mgを1日2回または0.5mgを1日1回、ネブライザーを用いて吸入投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最高量は1mgまでとする。
8.1 本剤は気管支拡張剤並びに全身性ステロイド剤のように既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用すること。なお、通常本剤の効果は投与開始から2〜8日で認められ、最大効果は4〜6週間の継続投与で得られる。
8.2 本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作用性気管支拡張剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注意を与えること。また、その薬剤の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めるように患者に注意を与えると共に、そのような状態がみられた場合には、生命を脅かす可能性があるので、本剤の増量あるいは気管支拡張剤・全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減に合わせて併用薬剤を徐々に減量すること。
8.3 喘息患者において、感染を伴う喘息症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮すること。
8.4 本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量すること。
8.5 全身性ステロイド剤と比較して可能性は低いが、本剤の高用量を長期間投与する場合には、副腎皮質機能低下等の全身作用が発現する可能性があるので、定期的に検査を行うことが望ましい。また、異常が認められた場合には、患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
8.6 全身性ステロイド剤の減量は本剤吸入開始後症状の安定をみて徐々に行うこと。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる。
8.7 本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがある。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていない。本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意すること。
8.8 全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、蕁麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 結核性疾患の患者
症状を増悪するおそれがある。
9.1.2 感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症を除く)の患者
症状を増悪するおそれがある。
9.1.3 気管支粘液の分泌が著しい患者
本剤の肺内での作用を確実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用することが望ましい。
9.1.4 長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者
全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度な肝機能障害のある乳幼児患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇する可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。海外で実施された授乳中の喘息患者の本剤の乳汁移行を検討した臨床薬理試験において、ブデソニドは乳汁中に移行することが認められた
9.7 小児等
9.7.1 国内において、低出生体重児、新生児、6ヵ月未満の乳児に対する臨床試験は実施していない。
9.7.2 全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により小児の成長遅延をきたすおそれがある。本剤を長期にわたり投与する場合には、身長等の経過の観察を十分に行うこと。[15.1.3参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
13.1 症状
過量投与により副腎皮質系機能が低下することがある。
13.2 処置
患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 吸入前
(1)本剤はネブライザーを用いて吸入する薬剤であり、その使用法、吸入法を十分に説明すること。
(2)ネブライザーは機種により使用法・性能
(3)本剤の投与に際しては、医師の指示による用法・用量を守るよう指示すること。また医師の指示なしで吸入量の増減、吸入の中止を行わないよう注意させること。
(4)本剤は既に起こっている発作を抑える薬剤ではないことを説明すること。
(5)包装中に添付している患者用説明文書「パルミコート吸入液をご使用の皆さまへ」の内容を患者の保護者等に説明のうえ、その文書を本剤とともに患者あるいはその保護者等に渡すこと。
なお、必要に応じて、保護者またはそれに代わり得る適切な者に対しても十分に説明し、指導すること。
14.1.2 吸入時
(1)本剤の投与に際しては、必ずネブライザーを用いて吸入し、直接飲まないこと。
(2)泡立てない程度に揺り動かして粒子をよく再懸濁させて使用すること。
(3)吸入時には新しいアンプルを使用し、既に開管したアンプルの残液は使用しないこと。
(4)注射用、点眼用として使用しないこと。
14.1.3 吸入後
(1)口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、うがい、または口腔内をすすぐこと。うがい、口腔内のすすぎが困難な患者にかぎり、水分を取らせること。
(2)フェイスマスクを使用する場合には、口のまわりに薬剤が付着して残る可能性があるので水で顔を洗うこと。
(3)ネブライザー内の残液は使用しないこと。
14.1.4 配合使用
他剤との配合使用については、有効性・安全性が確認されていないことから、配合せず個別に吸入させることが望ましい。
なお、必要に応じて、保護者またはそれに代わり得る適切な者に対しても十分に説明し、指導すること。
14.1.5 保管時
(1)アルミ袋開封後、2ヵ月以内に使用すること。
未使用のアンプルは、光を避けるため、必ずアルミ袋に保管すること。また、凍結を避けて保存すること。
(2)小児の手の届かないところに保管すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 6ヵ月〜4歳の日本人気管支喘息患者計61例を対象とした国内の臨床試験において(対照群なしのオープン試験)、投与96週までの評価で肺炎が計9例(14.8%)、気管支肺炎が計6例(9.8%)に報告されている。なお、本剤開始前の2〜4週間の観察期間で、気管支肺炎は認められなかったが、肺炎が1例(1.6%)に認められた
15.1.2 外国における疫学調査で、吸入ステロイド剤投与によりまれに白内障が発現するとの報告がある
15.1.3 海外で実施された二重盲検試験において、ブデソニド群(パルミコートタービュヘイラー1日400μg)ならびにプラセボ群にランダムに割り付けられた軽〜中程度の喘息罹患児(5-13歳)の平均身長を評価したところ、投与開始2年後の時点ではブデソニド群の平均身長がプラセボ群に比べて低かった(プラセボ群と比較した平均身長差:−1.3cm)
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4阻害剤イトラコナゾール等[16.7参照] | 副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。 | CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | 発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管浮腫等の過敏症状 | ||
| 口腔・呼吸器 | 咽喉頭症状(刺激感、疼痛)、口腔カンジダ症 | 咳嗽、嗄声、感染、鼻出血 | 味覚異常、気管支痙攣注) |
| 消化器 | 悪心 | ||
| 精神神経系 | 落ち着きのなさ | 行動障害、神経過敏、うつ病、不眠 | |
| その他 | 皮膚挫傷 |
注)短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。
パルミコート吸入液0.25mg 104.9円/管
パルミコート吸入液0.5mg 142.5円/管
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