重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
重篤な肝障害のある患者[昏睡に陥ることがある。]
慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静
疼痛時における鎮痛
激しい下痢症状の改善
通常、成人には、1回2g、1日6gを経口投与する。(コデインリン酸塩水和物として、1回20mg、1日60mg)
なお、年齢、症状により適宜増減する。
重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがあるので、18歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する患者には投与しないこと。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。(「4.副作用」の項参照)
眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
心機能障害のある患者[循環不全を増強するおそれがある。]
呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。]
脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。]
ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。]
副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
衰弱者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者[排尿障害を増悪することがある。]
器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する。]
痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある。]
胆のう障害及び胆石のある患者[胆道痙攣を起こすことがある。]
重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。]
症状
呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤な眩暈、嗜眠、心拍数の減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
処置
過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う。
麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はコデインのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。
必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では、本剤の活性代謝産物であるモルヒネの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
本剤は、主として肝代謝酵素UGT2B7、UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中枢神経抑制剤 フェノチアジン系薬剤バルビツール酸系薬剤 等 吸入麻酔剤 MAO阻害剤 三環系抗うつ剤 β-遮断剤 アルコール | 呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。 | 相加的に中枢神経抑制作用が増強する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クマリン系抗凝血剤 ワルファリン | クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。 | 機序不明。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗コリン作動性薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。 | 相加的に抗コリン作用が増強される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ナルメフェン塩酸塩水和物 | 本剤の効果が減弱するおそれがある。 | μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。 |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
(いずれも頻度不明)
依存性
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
呼吸抑制
呼吸抑制があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
錯乱
錯乱があらわれるとの報告があるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫
無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸
炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。
(頻度不明)
せん妄
類似化合物(モルヒネ)において、せん妄があらわれるとの報告があるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明 | |
循環器 | 不整脈、血圧変動、顔面潮紅 |
精神神経系 | 眠気、眩暈、視調節障害、発汗 |
消化器 | 悪心、嘔吐、便秘 |
過敏症 注) | 発疹、そう痒感 |
その他 | 排尿障害 |
注)このような場合には、投与を中止すること。
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