本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫
プロカテロール塩酸塩水和物として、通常成人1回20μg(2吸入)、小児1回10μg(1吸入)を吸入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。
過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので十分に注意すること。
投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。
発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう注意を与えること。
甲状腺機能亢進症[甲状腺機能亢進症が増悪することがある。]
高血圧[血圧が上昇することがある。]
心疾患[動悸、不整脈、症状の増悪等があらわれることがある。]
糖尿病[糖尿病が増悪することがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
本剤の過度の使用により心室性不整脈(心室頻拍、心室細動等)、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があるので、使用にあたっては用法・用量に注意すること(≪用法・用量に関連する使用上の注意≫及び「2.重要な基本的注意」の項参照)。
本剤の効果を十分にあらわすためには正しい使い方をすることが大切である。患者には専用の保管容器及び使用説明書(メプチンクリックヘラー10μgを正しくお使いいただくために)を渡し、使用方法を指導すること。
プロカテロール塩酸塩水和物の経口投与毒性試験(ラット、イヌ)において、他のβ刺激薬と同様に心筋障害が認められた。
ラットを用いた104週間混餌投与試験において、薬物投与により、卵巣間膜腫が出現した。この腫瘍はラットに特異的なものであると考えられており、また、各種β刺激薬を長期間反復投与することにより発現することが報告されている
患者への説明
患者に本剤を交付する際には、専用の保管容器及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。特に初めて本剤を投与する患者には、吸入方法をよく説明し、確実に吸入することができるよう指導すること。
本剤は防湿のためにアルミピロー包装をしているので、使用開始直前にアルミピローを開封するよう指導すること。
保管及び手入れ
使用後は必ずキャップを閉め、専用の保管容器に保管するように指導すること。
マウスピース(吸入口)が汚れた場合は、乾いたティッシュペーパー等で拭くように指導すること。(水で洗ったり、湿った物でマウスピースを拭かないこと。)
強い衝撃を与えたり、本体を分解しないように指導すること。
小児の手の届かないところに保管するように注意すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カテコールアミン製剤アドレナリンイソプレナリン等 | 不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。 | アドレナリン、イソプレナリン等のカテコールアミン製剤の併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起こる。そのため不整脈を起こすことが考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| キサンチン誘導体テオフィリンアミノフィリン水和物ジプロフィリン等 | 低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 | キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下、心・血管症状等を増強することが考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ステロイド剤ベタメタゾンプレドニゾロンヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム等利尿剤フロセミド等 | 血清カリウム値が低下し、低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 | ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。 |
本剤は副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。なお、プロカテロール塩酸塩水和物含有の吸入剤(メプチンエアー・キッドエアー・吸入液)で以下の副作用が報告されている。
調査症例6,655例中101例(1.52%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている[吸入剤:メプチンエアー・キッドエアー・吸入液(ユニットを除く)の承認時及び再審査終了時]。以下の副作用には別途市販後に報告された頻度の算出できない副作用を含む。
(頻度不明*)
ショック、
ショック、
重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。更に、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
*:自発報告又は海外において認められた副作用のため頻度不明。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 * | |
| 循環器 | 動悸、頻脈 | 心電図異常、血圧上昇、ほてり等 | 上室性期外収縮・上室性頻拍・心室性期外収縮等、顔面蒼白、血圧低下 |
| 精神神経系 | 振戦、頭痛・頭重感 | 筋痙直、手のしびれ感、めまい、冷汗、眠気等 | 神経過敏 |
| 消化器 | 嘔気・嘔吐等 | ||
| 呼吸器 | 気管・咽喉頭部異常感、鼻閉、呼吸困難等 | ||
| 過敏症 注) | 発疹、 |
||
| その他 | 全身倦怠感、脱力感、聴覚異常、血小板減少等 | 一過性(吸入後1〜2時間)の血清カリウム値の低下 |
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
*:自発報告又は海外において認められた副作用のため頻度不明。
メプチンクリックヘラー10μg
m3.comにご登録済の方
薬剤名検索
薬剤情報提供:一般財団法人日本医薬情報センター 剤形写真提供:株式会社薬事日報社
・薬剤情報・剤形写真は月一回更新しておりますが、ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。 最新情報は、各製薬会社のWebサイトなどでご確認ください。
・投稿内容の中に適応外、承認用法・用量外の記載等が含まれる場合がありますが、エムスリー、製薬会社が推奨するものではありません。