テオドールシロップ2% 他

キサンチン系気管支拡張剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 テオフィリン
製造/販売 田辺三菱製薬
剤形/規格
  • テオドールシロップ2%
  • テオドールドライシ...

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禁忌

  • 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者

効能・効果

  • 気管支喘息,喘息性(様)気管支炎

用法・容量

  • テオドールシロップ2%

    • 通常,小児にテオフィリンとして,1回4〜8mg/kg(本剤0.2〜0.4mL/kg)を,1日2回,朝及び就寝前に経口投与する.
      なお,開始用量は年齢,症状,合併症等を考慮のうえ決定し,臨床症状等を確認しながら適宜増減する.

注意事項

重要な基本的注意

  • テオフィリンによる副作用の発現は,テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから,血中濃度のモニタリングを適切に行い,患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい.

  • 副作用が発現した場合には減量又は投与を中止し,テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい.

  • 小児,特に乳幼児に投与する場合には,保護者等に対し,発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を,あらかじめ指導しておくことが望ましい.

  • 小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので,本剤の投与に際しては,保護者等に対し,患児の状態を十分に観察し,異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること.

慎重投与

  • てんかんの患者〔中枢刺激作用によって発作を起こすことがある.〕

  • 甲状腺機能亢進症の患者〔甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進,カテコールアミンの作用を増強することがある.〕

  • 急性腎炎の患者〔腎臓に対する負荷を高め,尿蛋白が増加するおそれがある.〕

  • うっ血性心不全の患者〔テオフィリンクリアランスが低下し,テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので,血中濃度測定等の結果により減量すること.〕

  • 肝障害のある患者〔テオフィリンクリアランスが低下し,テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので,血中濃度測定等の結果により減量すること.〕

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人,産婦,授乳婦(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)

  • 小児

    • 小児,特に乳幼児は成人に比べて痙攣を惹起しやすく,また,テオフィリンクリアランスが変動しやすいのでテオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど,学会のガイドライン等の最新の情報も参考に,慎重に投与すること.なお,次の小児にはより慎重に投与すること.

      • てんかん及び痙攣の既往歴のある小児〔痙攣を誘発することがある.〕

      • 発熱している小児〔テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣等の症状があらわれることがある.〕

      • 6ヵ月未満の乳児〔乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない.6ヵ月未満の乳児ではテオフィリンクリアランスが低く,テオフィリン血中濃度が上昇することがある.〕

    • 低出生体重児,新生児に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)

過量投与

  • 症状

    テオフィリン血中濃度が高値になると,血中濃度の上昇に伴い,消化器症状(特に悪心,嘔吐)や精神神経症状(頭痛,不眠,不安,興奮,痙攣,せん妄,意識障害,昏睡等),心・血管症状(頻脈,心室頻拍,心房細動,血圧低下等),低カリウム血症その他の電解質異常,呼吸促進,横紋筋融解症等の中毒症状が発現しやすくなる.なお,軽微な症状から順次発現することなしに重篤な症状が発現することがある.

  • 処置

    過量投与時の処置には,テオフィリンの除去,出現している中毒症状に対する対症療法がある.消化管内に残存するテオフィリンの除去として催吐,胃洗浄,下剤の投与,活性炭の経口投与等があり,血中テオフィリンの除去として輸液による排泄促進,活性炭の経口投与,活性炭を吸着剤とした血液灌流,血液透析等がある.なお,テオフィリン血中濃度が低下しても,組織に分布したテオフィリンにより血中濃度が再度上昇することがある.

    • 痙攣,不整脈の発現がない場合

      • 服用後短時間しか経過していないと思われる場合,嘔吐を起こさせることが有効である.服用後1時間以内の患者では特に有効である.

      • 下剤を投与する.ただし,体液,電解質の異常に注意すること.

      • 活性炭を反復投与し,テオフィリン血中濃度をモニターする.

      • 痙攣の発現が予測されるようなら,フェノバルビタール等の投与を考慮する.ただし,フェノバルビタールは呼吸抑制作用を示すことがあるので,使用に際しては注意すること.

    • 痙攣の発現がある場合

      • 気道を確保する.

      • 酸素を供給する.

      • 痙攣治療のためにジアゼパム静注等を行う.痙攣がおさまらない場合には全身麻酔薬投与を考慮する.

      • バイタルサインをモニターする.血圧の維持及び十分な水分補給を行う.

    • 痙攣後に昏睡が残った場合

      • 気道を確保し,酸素吸入を行う.

      • 大口径の胃洗浄チューブを通じて下剤及び活性炭の投与を行う.

      • テオフィリン血中濃度が低下するまでICU管理を継続し,十分な水分補給を続ける.活性炭を反復経口投与しても血中濃度が下がらない場合には,活性炭による血液灌流,血液透析も考慮する.

    • 不整脈の発現がある場合

      • 不整脈治療としてペーシング,直流除細動,抗不整脈薬の投与等適切な処置を行う.

      • バイタルサインをモニターする.血圧の維持及び十分な水分補給を行う.また,電解質異常がある場合はその補正を行う.

適用上の注意

  • 調剤時

    • シロップ剤

      • 調剤する際には,よく振ること.

      • 他のシロップ剤,水,単シロップ等と混合しないこと.〔本剤の徐放性が損なわれる.また,発熱時には一時減量あるいは中止する等,投与量の調整が必要となることがある.〕

    • ドライシロップ剤

      • 他の薬剤と配合しないことが望ましい.〔発熱時には一時減量あるいは中止する等,投与量の調整が必要となることがある.〕

      • 懸濁液剤として調剤しないこと.

  • 薬剤交付時

    • シロップ剤

      粘稠性が高いため,服用時にはよく振って正確に計量するよう指導すること.

    • ドライシロップ剤

      懸濁後は速やかに服用するよう指導すること.

取扱上の注意

  • シロップ剤は5℃以下で固化することがあるので,保管に際しては注意すること.

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP1A2で代謝される.(「薬物動態」の項参照)

薬物代謝酵素用語

CYP1A2

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他のキサンチン系薬剤 (アミノフィリン,コリンテオフィリン,ジプロフィリン,カフェイン等) 中枢神経興奮薬 (エフェドリン塩酸塩,マオウ等) 過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある.(「過量投与」の項参照)副作用の発現に注意し,異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと. 併用により中枢神経刺激作用が増強される.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
交感神経刺激剤 (β刺激剤) (イソプレナリン塩酸塩,クレンブテロール塩酸塩,ツロブテロール塩酸塩,テルブタリン硫酸塩,プロカテロール塩酸塩水和物等) 低カリウム血症,心・血管症状(頻脈,不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある.副作用の発現に注意し,異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと. 心刺激作用をともに有しており,β刺激剤の作用を増強するためと考えられる.低カリウム血症の増強についての機序は不明である.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ハロタン 不整脈等の副作用が増強することがある.また,連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがある.副作用の発現に注意し,異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと. テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ケタミン塩酸塩 痙攣があらわれることがある.痙攣の発現に注意し,異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと. 痙攣閾値が低下するためと考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シメチジン メキシレチン塩酸塩 プロパフェノン塩酸塩 アミオダロン塩酸塩 エノキサシン ピペミド酸三水和物 塩酸シプロフロキサシン ノルフロキサシン トスフロキサシントシル酸塩水和物 パズフロキサシンメシル酸塩 プルリフロキサシン エリスロマイシン クラリスロマイシン ロキシスロマイシン チアベンダゾール チクロピジン塩酸塩 ベラパミル塩酸塩 ジルチアゼム塩酸塩 フルボキサミンマレイン酸塩 フルコナゾール ジスルフィラム デフェラシロクス テオフィリンの中毒症状があらわれることがある.(「過量投与」の項参照)副作用の発現に注意し,異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと. 肝薬物代謝酵素が阻害され,テオフィリンクリアランスが低下するため,テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アシクロビル バラシクロビル塩酸塩 インターフェロン イプリフラボン シクロスポリン アロプリノール テオフィリンの中毒症状があらわれることがある.(「過量投与」の項参照)副作用の発現に注意し,異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと. テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ザフィルルカスト テオフィリンの中毒症状があらわれることがある.(「過量投与」の項参照)副作用の発現に注意し,異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.またザフィルルカストの血中濃度を低下させることがある. 肝薬物代謝酵素が阻害され,テオフィリンクリアランスが低下するため,テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる.ザフィルルカストの血中濃度低下についての機序は不明である.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファンピシン フェノバルビタール ランソプラゾール リトナビル テオフィリンの効果が減弱することがある.テオフィリン血中濃度が低下することがあるので,適切な処置を行うこと. 肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため,テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フェニトイン カルバマゼピン テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがある.テオフィリン血中濃度が低下することがあるので,適切な処置を行うこと.また,相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること. 肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため,テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジピリダモール ジピリダモールの作用を減弱させることがある. アデノシン拮抗作用による.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ラマトロバン ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある. ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リルゾール リルゾールの作用を増強(副作用発現)するおそれがある. in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
タバコ 禁煙(禁煙補助剤であるニコチン製剤使用時を含む)によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある.(「過量投与」の項参照)副作用の発現に注意し,異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと. 喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され,テオフィリンクリアランスが上昇し,テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる.また,禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる.
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので,本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること. セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し,クリアランスを上昇させるためと考えられている.

副作用

副作用発現状況の概要

  • 総症例6,135例中,65例(1.06%)に副作用が認められ,主な副作用は悪心・嘔気25件(0.41%),嘔吐23件(0.37%),食欲不振8件(0.13%)であった.(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 痙攣(0.1%未満),意識障害(頻度不明)

    痙攣又はせん妄,昏睡等の意識障害があらわれることがあるので,抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと.

  • 急性脳症(頻度不明)

    痙攣,意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと.

  • 横紋筋融解症(頻度不明)

    横紋筋融解症があらわれることがあるので,脱力感,筋肉痛,CK(CPK)上昇等に注意し,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること.

  • 消化管出血(頻度不明)

    潰瘍等による消化管出血(吐血,下血等)があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

  • 赤芽球癆(頻度不明)

    赤芽球癆があらわれることがあるので,貧血があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

  • アナフィラキシーショック(頻度不明)

    アナフィラキシーショック(蕁麻疹,蒼白,発汗,血圧低下,呼吸困難等)があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

  • 肝機能障害,黄疸(いずれも頻度不明)

    肝機能障害(AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等),黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

  • 頻呼吸,高血糖症(いずれも頻度不明)

    頻呼吸,高血糖症があらわれることがある.

その他の副作用

0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
過敏症 発疹,蕁麻疹 そう痒感,固定薬疹,紅斑(多形滲出性紅斑等)
精神神経系 神経過敏(興奮,不機嫌,いらいら感),不眠 頭痛,振戦 不安,めまい,しびれ,耳鳴,不随意運動,筋緊張亢進
循環器 動悸,顔面潮紅,頻脈,顔面蒼白,不整脈(心室性期外収縮等)
消化器 悪心,嘔吐,食欲不振,下痢 腹痛 腹部膨満感,消化不良(胸やけ等),しゃっくり
泌尿器 蛋白尿,頻尿
代謝異常 血清尿酸値上昇 CK(CPK)上昇
肝臓 AST(GOT),ALT(GPT)の上昇 Al-P,LDH,γ-GTPの上昇
血液 貧血,好酸球増多
その他 発汗 鼻出血 むくみ,倦怠感,関節痛,四肢痛,胸痛,低カリウム血症,しびれ(口,舌周囲)

薬価

テオドールシロップ2% 9.7円/mL
テオドールドライシロップ20% 77.7円/g

評価サマリー

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