エナジア吸入用カプセル中用量 他

3成分配合喘息治療剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 インダカテロール酢酸塩 グリコピロニウム臭化物 モメタゾンフランカルボン酸エステル
製造/販売 ノバルティスファーマ
剤形/規格
  • エナジア吸入用カプ...
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禁忌

  • 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により、眼圧が上昇し症状を悪化させるおそれがある。]

  • 2.2 前立腺肥大等による排尿障害がある患者[抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。][9.1.6参照]

  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.4 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[ステロイドの作用により症状を悪化させるおそれがある。]

  • 2.5 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1参照]

効能・効果

  • 気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入β2刺激剤及び長時間作用性吸入抗コリン剤の併用が必要な場合)

用法・容量

  • 通常、成人にはエナジア吸入用カプセル中用量1回1カプセル(インダカテロールとして150μg、グリコピロニウムとして50μg及びモメタゾンフランカルボン酸エステルとして80μg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入する。
    なお、症状に応じてエナジア吸入用カプセル高用量1回1カプセル(インダカテロールとして150μg、グリコピロニウムとして50μg及びモメタゾンフランカルボン酸エステルとして160μg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 本剤は喘息の急性症状を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用するよう患者を指導すること。

  • 8.2 本剤の投与期間中に発現する気管支喘息の急性の発作に対しては、短時間作用性吸入β2刺激剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注意を与えること。
    また、その薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者に注意を与えること。
    そのような状態では患者の生命が脅かされる可能性があるので、患者の症状に応じてステロイド療法の強化(本剤のより高い用量への変更等)を考慮すること。

  • 8.3 本剤の投与終了後に症状の悪化があらわれることがあるので、患者自身の判断で本剤の使用を中止することがないよう指導すること。また、投与を中止する場合には観察を十分に行うこと。

  • 8.4 本剤の投与期間中に喘息に関連した事象及び喘息の悪化があらわれることがある。本剤の投与開始後に喘息症状がコントロール不良であったり、悪化した場合には、患者自身の判断で本剤の吸入を中止せずに、医師に相談するよう指導すること。

  • 8.5 本剤は患者の喘息症状に応じて最適な用量を選択する必要があるため、本剤の投与期間中は患者を定期的に診察すること。

  • 8.6 全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により全身性の作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児の成長遅延、骨密度の低下、白内障、緑内障を含む)が発現する可能性があるので、吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節すること。特に長期間、高用量投与の場合には定期的に検査を行い、全身性の作用が認められた場合には患者の喘息症状を観察しながら適切な処置を行うこと。

  • 8.7 本剤の吸入により気管支痙攣が誘発され生命を脅かすおそれがある。気管支痙攣が認められた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 8.8 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、用法・用量を超えて使用しないよう注意すること。また、患者に対し、本剤の過度の使用による危険性を理解させ、1日1回を超えて使用しないよう注意を与えること。本剤の気管支拡張作用は通常24時間持続するので、その間は次の投与を行わないこと。[13.1参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 結核性疾患又は感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症を除く)の患者

      • 症状を悪化させるおそれがある。

    • 9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者

      • 症状を悪化させるおそれがある。

    • 9.1.3 心血管障害(冠動脈疾患、急性心筋梗塞、不整脈、高血圧、心不全、QT間隔延長等)の患者又はこれらの既往歴のある患者

      • 症状を悪化させるおそれがある。

    • 9.1.4 糖尿病の患者

      • 血糖値をモニタリングするなど慎重に投与すること。高用量のβ2刺激剤又はステロイド剤を投与すると、血糖値が上昇するおそれがある。

    • 9.1.5 てんかん等の痙攣性疾患のある患者

      • 痙攣の症状を悪化させるおそれがある。

    • 9.1.6 前立腺肥大(排尿障害のある場合を除く)のある患者

      • 排尿障害が発現するおそれがある。[2.2参照]

    • 9.1.7 低酸素血症の患者

      • 血清カリウム値に注意すること。低酸素血症により血清カリウム値の低下の心リズムに及ぼす影響が増強されることがある。[11.1.2参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 重度の腎機能障害のある患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者)又は透析を必要とする末期腎不全の患者

      • 治療上の有益性と危険性を勘案して慎重に投与し、副作用の発現に注意すること。グリコピロニウムの血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。[16.6.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。モメタゾンフランカルボン酸エステルの経皮又は経口投与による動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性作用が報告されている。インダカテロールの動物実験(ウサギ)で骨格変異の発生率増加を伴う生殖発生毒性が報告されている。また、インダカテロール及びグリコピロニウムの動物実験で胎盤通過性が報告されている(インダカテロール:ラット、グリコピロニウム:マウス、ウサギ、イヌ)。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。インダカテロール、グリコピロニウム及びモメタゾンフランカルボン酸エステルの動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

  • 13.1 症状

    • β2刺激剤の薬理学的作用による症状(頻脈、振戦、動悸、頭痛、悪心、嘔吐、傾眠、心室性不整脈、代謝性アシドーシス、低カリウム血症及び高血糖等)、抗コリン剤の薬理学的作用による症状(口内乾燥、動悸、排尿困難、眼圧上昇、便秘等)やステロイド剤による副腎皮質系機能抑制が発現するおそれがある。[8.8参照]

  • 13.2 処置

    • β刺激作用による心血管症状に対する治療剤として心選択性β遮断剤があるが、気管支痙攣を誘発する可能性があるため、使用にあたっては十分に注意すること。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • 14.1.1 吸入前

      • (1)医療従事者は、患者に専用の吸入用器具(ブリーズヘラー)及び使用説明文書を渡し、正しい使用方法を十分に指導すること。また、呼吸状態の改善が認められない場合には、本剤を吸入せずに内服していないか確認すること。

      • (2)吸入の直前にブリスター(アルミシート)からカプセルを取り出すように指導すること。

      • (3)本剤のカプセル内容物は少量であり、カプセル全体に充填されていない。

    • 14.1.2 吸入時

      • 本剤は吸入用カプセルであり、必ず専用の吸入用器具(ブリーズヘラー)を用いて吸入し、内服しないこと。[7.1参照]

    • 14.1.3 吸入後

      • 局所的な副作用(カンジダ症又は発声障害等)を予防するため、本剤吸入後に、うがいを実施するよう患者を指導すること。ただし、うがいが困難な場合には、口腔内をすすぐよう指導すること。また、口に含んだ水を飲み込まないよう指導すること。

取扱上の注意

  • 光及び湿気を避けるため、ブリスター包装のまま保存すること。

相互作用

相互作用序文

  • インダカテロールは主に代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝され、またP糖蛋白(Pgp)の基質である。モメタゾンフランカルボン酸エステルの代謝にはCYP3A4が関与している。[16.4参照]

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

P糖蛋白(Pgp)

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物ミニリンメルト(男性における夜間多尿による夜間頻尿)[2.5参照] 低ナトリウム血症が発現するおそれがある。 機序不明

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4を阻害する薬剤エリスロマイシン等[16.7.1、16.7.4、16.7.7参照] ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。 CYP3A4の活性を阻害することにより、モメタゾンフランカルボン酸エステルの代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4を阻害する薬剤エリスロマイシン等[16.7.1、16.7.4、16.7.7参照] インダカテロールの血中濃度が上昇するおそれがある。エリスロマイシンとの併用投与によりインダカテロールのCmax及びAUCがそれぞれ1.2倍及び1.4〜1.6倍に上昇したとの報告がある。 CYP3A4の活性を阻害することにより、インダカテロールの代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
P糖蛋白を阻害する薬剤ベラパミル等[16.7.2参照] インダカテロールの血中濃度が上昇するおそれがある。ベラパミルとの併用投与によりインダカテロールのCmax及びAUCがそれぞれ1.5倍及び1.4〜2.0倍に上昇したとの報告がある。 P糖蛋白の活性を阻害することにより、インダカテロールの排泄が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リトナビル[16.7.3参照] インダカテロールのAUCが上昇するおそれがある。リトナビルとの併用投与によりインダカテロールのAUCが1.6〜1.8倍に上昇したとの報告がある。 CYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害することにより、インダカテロールの代謝及び排泄が阻害されると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤MAO阻害剤三環系抗うつ剤等 QT間隔が延長され心室性不整脈等のリスクが増大するおそれがある。 いずれもQT間隔を延長させる可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
交感神経刺激剤 インダカテロールの作用が増強するおそれがある。 交感神経刺激剤との併用により、アドレナリン作動性神経刺激が増大する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
キサンチン誘導体ステロイド剤利尿剤サイアザイド系利尿剤サイアザイド系類似利尿剤ループ利尿剤[11.1.2参照] 低カリウム血症による心血管事象(不整脈)を起こすおそれがあるため、血清カリウム値に注意すること。 キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下が増強する可能性がある。ステロイド剤及びこれらの利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
β遮断剤(点眼剤を含む) インダカテロールの作用が減弱するおそれがある。やむを得ず併用する場合には、心選択性β遮断剤が望ましいが、注意すること。 β遮断剤との併用により、インダカテロールの作用が拮抗される可能性がある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)

    • 血管浮腫、呼吸困難、舌・口唇・顔面の腫脹、蕁麻疹、皮疹などがあらわれることがある。

  • 11.1.2 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)[9.1.7、10.2参照]

  • 11.1.3 心房細動(頻度不明)

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上 1%未満 頻度不明
感染症および寄生虫症 カンジダ症、尿路感染
代謝および栄養障害 高血糖
神経系障害 頭痛
心臓障害 頻脈
呼吸器、胸郭および縦隔障害 発声障害(8.7%) 口腔咽頭痛、咳嗽
胃腸障害 胃腸炎、口内乾燥
皮膚および皮下組織障害 発疹、そう痒症
筋骨格系および結合組織障害 筋痙縮、筋骨格痛
腎および尿路障害 排尿困難
一般・全身障害および投与部位の状態 発熱

薬価

エナジア吸入用カプセル中用量 290.3円/カプセル
エナジア吸入用カプセル高用量 331.5円/カプセル

評価サマリー

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効果の強さ

投稿日: 2020/12/05 参考率: 100%(1人/1人)

内科/60代/処方経験あり

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