バニヘップカプセル150mg

抗ウイルス剤

3.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 バニプレビル
製造/販売 MSD
剤形/規格
  • バニヘップカプセル...

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警告

  • 本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。

禁忌

  • 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

  • 重度の肝機能障害(Child-Pugh C)のある患者[バニプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある。](「薬物動態」の項参照)

  • 下記の薬剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

    • リファンピシン、リファブチン、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、コビシスタット含有製剤、インジナビル、イトラコナゾール、リトナビル、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、ネルフィナビル、サキナビル、シクロスポリン、アタザナビル、ロピナビル・リトナビル、エルトロンボパグ

効能・効果

  • セログループ1(ジェノタイプI(1a)又はII(1b))のC型慢性肝炎における次のいずれかのウイルス血症の改善

    • 血中HCV RNA量が高値の未治療患者

    • インターフェロンを含む治療法で無効又は再燃となった患者

用法・容量

  • 本剤は、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンと併用すること。

  • 血中HCV RNA量が高値の未治療患者、あるいはインターフェロンを含む治療法で再燃となった患者に使用する場合

    • 通常、成人にはバニプレビルとして1回300mgを1日2回、12週間経口投与する。

  • インターフェロンを含む治療法で無効となった患者に使用する場合

    • 通常、成人にはバニプレビルとして1回300mgを1日2回、24週間経口投与する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤は、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンと併用するため、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンの添付文書に記載されている警告、禁忌、併用禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の「使用上の注意」を、以下の2.及び3.の注意及び副作用を含めて必ず確認すること。

  • ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の血液検査は、投与前及び投与開始8週間は少なくとも毎週、その後は4週間に1度定期的に実施すること。

  • 抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。躁状態、攻撃的行動が他害行為に至ることがある。患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には本剤投与を中止するなど、治療継続の可否について慎重に検討すること。また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続すること。

  • B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

慎重投与

  • 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

  • 中等度の肝機能障害患者〔バニプレビルの血中濃度が上昇することがある。〕(「薬物動態」の項参照)

  • B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者〔再活性化するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)

取扱上の注意

  • 冷蔵保存しないこと(カプセルが脆くなる可能性があるため)。

相互作用

相互作用序文

  • バニプレビルは主にCYP3Aによって代謝される。また、バニプレビルはOATP1B1及びOATP1B3の基質である。(「薬物動態」の項参照)

薬物代謝酵素用語

CYP3A

薬物代謝酵素用語

OATP1B1

薬物代謝酵素用語

OATP1B3

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファンピシン(リファジン) 併用初期に肝トランスポーターの阻害によりバニプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある。バニプレビルを高用量で投与したとき、悪心、嘔吐、下痢の発現増加の報告がある。また、併用継続により代謝酵素が誘導され、併用初期よりもバニプレビルの血中濃度が低下するおそれがある。 リファンピシン併用中はOATP1B1及びOATP1B3阻害作用により、バニプレビルの肝取込みが抑制される。また、リファンピシンは反復投与によりCYP3A誘導作用を発現するためバニプレビルの代謝が亢進される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファブチン(ミコブティン)カルバマゼピン(テグレトール)フェニトイン(アレビアチン)フェノバルビタール(フェノバール)セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 併用によりバニプレビルの血中濃度を低下させ、効果を減弱させるおそれがある。 これら薬物あるいは食品のCYP3A誘導作用によりバニプレビルの代謝が亢進される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
コビシスタット含有製剤(スタリビルド)インジナビル(クリキシバン)イトラコナゾール(イトリゾール)リトナビル(ノービア)ボリコナゾール(ブイフェンド)クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)ネルフィナビル(ビラセプト)サキナビル(インビラーゼ) 併用によりバニプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある。バニプレビルを高用量で投与したとき、悪心、嘔吐、下痢の発現増加の報告がある。 これら薬物のCYP3Aに対する阻害作用により、バニプレビルの代謝が抑制される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)アタザナビル(レイアタッツ)ロピナビル・リトナビル(カレトラ)エルトロンボパグ(レボレード) 併用によりバニプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある。バニプレビルを高用量で投与したとき、悪心、嘔吐、下痢の発現増加の報告がある。 これら薬物のOATP1B1及び/又はOATP1B3阻害作用により、バニプレビルの肝取込みが抑制される。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ボセンタン ボセンタンの併用によりバニプレビルの血中濃度を低下させるおそれがある。ボセンタンと併用する際は、ウイルス学的な反応性を慎重に観察すること。また、本剤の併用はボセンタンの血中濃度を上昇させるおそれがある。 ボセンタンのCYP3A誘導作用によりバニプレビルの代謝が亢進される。また、バニプレビルはOATP1B1及びOATP1B3を阻害する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エファビレンツモダフィニルエトラビリン 併用によりバニプレビルの血中濃度を低下させるおそれがある。これら薬物と併用する際は、ウイルス学的な反応性を慎重に観察すること。 これら薬物のCYP3A誘導作用によりバニプレビルの代謝が亢進される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
タクロリムスジヒドロエルゴタミンエルゴタミンフェンタニルピモジドキニジン 本剤の併用はこれら薬物の血中濃度を上昇させるおそれがある。これら薬物と併用する際は、慎重に投与すること。また、これら薬物の添付文書を参照すること。 バニプレビルのCYP3A阻害作用により、これら薬物の代謝が抑制される。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシン 本剤の併用はジゴキシンの血中濃度を上昇させるおそれがある。ジゴキシンと併用する際は、慎重に投与すること。また、ジゴキシンの添付文書を参照すること。 バニプレビルのP-糖蛋白阻害作用により、ジゴキシンの腸管での排出が抑制され、血中濃度が上昇する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ロスバスタチンアトルバスタチンフルバスタチンシンバスタチンピタバスタチンプラバスタチンバルサルタンオルメサルタンテルミサルタンレパグリニドエゼチミブメトトレキサートミトキサントロンイリノテカンイマチニブラパチニブフェキソフェナジングリベンクラミドナテグリニド 本剤の併用はこれら薬物の血中濃度を上昇させるおそれがある。 バニプレビルはOATP1B1、OATP1B3及びBCRPを阻害する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
グレープフルーツジュース バニプレビルの血中濃度を上昇させるおそれがある。本剤服用中はグレープフルーツジュースの摂取を避けさせること。 グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3Aに対する阻害作用により、バニプレビルの代謝が抑制される。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 本剤とペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンを併用した国内第III相臨床試験において、安全性評価対象となった288例中287例(99.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、発熱211例(73.3%)、好中球減少146例(50.7%)、頭痛127例(44.1%)、白血球減少123例(42.7%)、悪心96例(33.3%)、ヘモグロビン減少95例(33.0%)、血小板減少92例(31.9%)、倦怠感91例(31.6%)、脱毛症91例(31.6%)、そう痒症90例(31.3%)、発疹90例(31.3%)であった。

  • 本剤をペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンと併用した際の副作用は以下のとおりである。なお、副作用の発現頻度は、本剤、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンの3剤併用の3試験のデータを統合して算出した。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 血液障害(血小板減少(31.9%)、好中球減少(50.7%)、白血球減少(42.7%))

    血球数減少が報告されているため、定期的に臨床検査(血液検査等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常の程度が著しい場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 貧血(21.9%)、ヘモグロビン減少(33.0%)

    貧血、ヘモグロビン減少が報告されているため、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • うつ病(2.1%)

    うつ病があらわれることがあるので、観察を十分に行い、不眠、不安、焦燥、自殺念慮等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上 1%以上5%未満
全身症状 発熱、倦怠感、疲労、インフルエンザ様疾患 悪寒、口渇
血液 ヘマトクリット減少、赤血球数減少 リンパ球数減少、網状赤血球数減少、網状赤血球数増加、溶血性貧血
消化器 悪心、腹部不快感、上腹部痛、口唇炎、便秘、下痢、消化不良、口内炎、嘔吐 腹部膨満、腹痛、口内乾燥、心窩部不快感、胃炎、胃食道逆流性疾患
皮膚 脱毛症、湿疹、そう痒症、発疹、皮膚乾燥 薬疹、紅斑、全身性そう痒症、皮膚炎、乾癬、脂漏性皮膚炎、蕁麻疹、白癬感染
精神・神経系 頭痛、浮動性めまい、味覚異常、不眠症 体位性めまい、感覚鈍麻、嗅覚錯誤、傾眠、不安、退屈感
循環器 高血圧、血圧低下、胸痛、胸部不快感、動悸、心房細動
肝臓 血中ビリルビン増加、γ-GTP増加 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、抱合ビリルビン増加、血中アルブミン減少、血中ALP増加、肝機能異常
腎臓及び尿路 膀胱炎、頻尿、腎結石症
筋・骨格系 関節痛、背部痛、筋肉痛 筋骨格硬直、関節炎、筋痙縮、筋骨格痛
呼吸器 咳嗽、口腔咽頭痛 気管支炎、呼吸困難、口腔咽頭不快感
内分泌 血中甲状腺刺激ホルモン増加、血中甲状腺刺激ホルモン減少、甲状腺機能低下症、自己免疫性甲状腺炎
眼精疲労、眼乾燥、網膜症、視力低下、網膜滲出物
耳鳴、回転性めまい
代謝 高尿酸血症
その他 注射部位反応、注射部位紅斑、注射部位そう痒感、鼻咽頭炎、体重減少、食欲減退、血中カルシウム減少、血中リン減少 注射部位皮膚炎、注射部位腫脹、歯肉炎、咽頭炎、血中LDH増加、血中カリウム減少、血中尿酸増加、細胞マーカー増加、低カリウム血症、総蛋白減少

薬価

バニヘップカプセル150mg 2812円/カプセル

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