2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
嚢胞性線維症における肺機能の改善
通常、ドルナーゼ アルファ(遺伝子組換え)として2.5mgを1日1回ネブライザーを用いて吸入投与する。なお、患者の状態に応じて1回2.5mgを1日2回まで吸入投与することができる。
8.1 本剤の作用は、DNAを多く含む膿性分泌物の粘稠性を低下させるものであることから、標準的な肺理学療法を含め、痰の排出促進等を目的とした通常の治療は継続して行うこと。
8.2 本剤は、セルバンク調製時に米国又はカナダ産を含むウシ胎仔血清を使用しているが、セルバンク調製時点では米国及びカナダにおける牛海綿状脳症感染牛の発生は認められていなかった。また、製造工程の培地成分としてウシの脾臓由来成分を使用しているが、この成分は、欧州の公的機関である欧州薬局方委員会(EDQM)の評価に適合している。このウシの原産国はオーストラリア及びニュージーランドであり、現時点で両国での牛海綿状脳症感染牛の発生は確認されていない。本剤の投与によりTSEがヒトに伝播したとの報告はない。このことから、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて低いものと考えられるが、理論的リスクは完全に否定し得ないため、その旨を患者へ説明することを考慮すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 重度の肺機能低下を伴う嚢胞性線維症患者
特に注意深く患者の状態を観察すること。重度の肺機能低下を伴う嚢胞性線維症患者を対象とした海外臨床試験において、本剤投与群ではプラセボ群と比較し呼吸困難の発現率が高い傾向が認められている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(サルへの静脈内投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
5歳未満の幼児等を対象とした有効性を指標とした臨床試験は実施していない。また、低出生体重児、新生児、3カ月未満の乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現に注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤の投与にあたっては、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対して以下の注意事項を十分に説明し、指導すること。
(1)吸入時
・本剤はジェット式ネブライザーを用いた吸入にのみ使用すること(本剤は酵素製剤であるため、超音波式ネブライザーでは、加熱により本剤の活性が失われるおそれがある。また、メッシュ式ネブライザーで本剤を吸入したときの臨床成績はない)。
・吸入時には新しいアンプル1本を使用し、残液は使用しないこと。
・希釈したり、他の薬剤又は溶液と混合したりしないこと。
(2)保管時
・本剤は2〜8℃で保管すること。
・未使用のアンプルは、光を避けて保管すること。[20.参照]
・小児の手の届かないところに保管すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤に対する抗体の産生が本剤の有効性及び安全性に与える影響は明確ではない。なお、海外臨床試験においては、本剤投与患者の5%未満に抗ドルナーゼ アルファ抗体の産生が認められたが、いずれの患者も抗ドルナーゼ アルファIgE抗体は検出されなかった。また、同試験においては抗ドルナーゼ アルファ抗体が産生された患者においても肺機能検査値の改善が認められた。
15.1.2 承認用法・用量とは異なる用法・用量で実施された(本剤1回10mgを1日2回、2週間連日投与後、2週間休薬を1サイクルとし、6サイクル実施された)海外臨床試験において、本剤の休薬により2週間以内に肺機能改善効果が消失することが示唆された。[7.2参照]
アルミピロー包装開封後は遮光して保存すること。[14.1.1参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 | |
| 呼吸器 | 咽頭炎(非感染性)(14.5%)、発声障害(非感染性)、鼻炎(非感染性)、呼吸困難(非感染性) | 喉頭炎(非感染性)、肺機能検査値低下 | |
| 消化器 | 消化不良 | ||
| 皮膚 | 発疹 | 蕁麻疹 | |
| 眼 | 結膜炎 | ||
| 全身 | 胸痛(胸膜炎性・非心臓性)、発熱 |
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