本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある患者
トリアゾラム,ミダゾラム,アルプラゾラム,ピモジド,バッカク誘導体,アミオダロン塩酸塩及びキニジン硫酸塩水和物を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
リファンピシンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
エレトリプタン臭化水素酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
エプレレノンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
HIV感染症
通常,成人にはネルフィナビルとして1回1,250mgを1日2回,または1回750mgを1日3回食後に経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に,次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
本剤はHIV感染症の根治療法薬でないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化については,すべて担当医に報告すること。
本剤の長期投与による影響については,現在のところ不明であること。
本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険を減少させることは明らかではないこと。
本剤は必ず食後に服用すること。(空腹時に服用すると吸収が約50%減少する。)
本剤の抗ウイルス効果を最大にするために,医師への相談なしで,本剤の服用を変更したり,中止しないこと。
最も頻度の高い副作用は下痢である。下痢の発現機序については本剤の腸管運動亢進作用が示唆されている。海外の二重盲検比較試験において下痢を発現した463症例のうち,195例(42%)にロペラミドが投与されており,また,国内の臨床試験において,ロペラミドやタンニン酸製剤などの投与により,下痢が改善若しくは消失したとの報告がある。なお,下痢発現例と非発現例において,血中濃度に有意な差は認められておらず,本剤の有効性には影響は認められていない。
国内での臨床試験(38例)において,発疹が6例(15.8%)及び斑丘疹が3例(7.9%)発現している。これらの発現日は本剤の投与を開始してから,平均10日後(7〜13日後及び9〜10日後)である。本剤に起因すると考えられる発疹及び斑丘疹が発現した場合には,本剤の投与を中止し,他の適切な療法を行うこと。なお,やむを得ず本剤の投与を再開する場合には,発疹,斑丘疹が軽快したことを確認のうえ,慎重に投与すること。
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
抗HIV薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
肝機能障害のある患者。[代謝機能の低下により,高い血中濃度が持続するおそれがある。]
血友病患者及び著しい出血傾向を有する患者。[血友病患者において,本剤投与による加療中に,脳内出血,縦隔内出血の発現が報告されており,また,関節内出血,皮下出血等の出血事象の増加が報告されている。]
本剤の過剰量をごく短時間に服用した症例の報告は殆どない。本剤の特別な解毒法はない。過剰に投与した場合,吸収されていない薬剤は嘔吐,胃洗浄又は活性炭で除去する。本剤はタンパク結合率が高いため,血中からの除去法として透析は不適切である。
ラットを用いた癌原性試験(2年間)において,甲状腺ろ胞上皮の増殖性病変(過形成,腺腫,腺癌)が,300mg/kg投与の雄及び1,000mg/kg投与の雌雄で発現したとの報告がある。
本剤投与中に,本剤の添加物に由来する青色の残渣が,便中に観察されることがある。
本剤は吸湿しやすいので,開栓後は,湿気を避けて保存すること。
本剤は,主として肝代謝酵素CYP3A4及び一部CYP2C19で代謝され,また,CYP3A4の阻害作用を持つ。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| トリアゾラム(ハルシオン等)ミダゾラム(ドルミカム等)アルプラゾラム(コンスタン,ソラナックス等)ピモジド(オーラップ)バッカク誘導体アミオダロン塩酸塩(アンカロン等)キニジン硫酸塩水和物 | 本剤のチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合により,これら薬剤の代謝が抑制され,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(QT延長,Torsade de pointes等の不整脈や持続的な鎮静)が起こる可能性がある。 | 本剤のチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合により,これら薬剤の代謝が抑制され,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(QT延長,Torsade de pointes等の不整脈や持続的な鎮静)が起こる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン(アプテシン,リファジン,リマクタン等) | 本剤の血中濃度が20〜30%に低下する。リファンピシンの投与を受けた患者に本剤を投与する場合には,少なくとも2週間の間隔をおくことが望ましい。 | 本剤の血中濃度が20〜30%に低下する。リファンピシンの投与を受けた患者に本剤を投与する場合には,少なくとも2週間の間隔をおくことが望ましい。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス) | エレトリプタンの血中濃度が上昇する可能性がある。 | エレトリプタンの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エプレレノン(セララ) | エプレレノンの血中濃度が上昇する可能性がある。 | エプレレノンの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インジナビル硫酸塩エタノール付加物サキナビルメシル酸塩 | 本剤及びこれら薬剤の血中濃度が上昇する。両剤の併用による安全性及び有効性は確立していない。 | 本剤及びこれら薬剤の血中濃度が上昇する。両剤の併用による安全性及び有効性は確立していない。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リトナビル | 本剤の血中濃度が上昇する。両剤の併用による安全性及び有効性は確立していない。 | 本剤の血中濃度が上昇する。両剤の併用による安全性及び有効性は確立していない。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ホスアンプレナビルカルシウム水和物 | 本剤の血中濃度が上昇し,アンプレナビルの血中濃度が変動する。両剤の併用による安全性及び有効性は確立していない。 | 本剤の血中濃度が上昇し,アンプレナビルの血中濃度が変動する。両剤の併用による安全性及び有効性は確立していない。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デラビルジンメシル酸塩 | 本剤の血中濃度が約2倍に上昇し,デラビルジンの血中濃度が約30%低下する。 | 本剤の血中濃度が約2倍に上昇し,デラビルジンの血中濃度が約30%低下する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファブチン | 本剤の血中濃度が低下し,リファブチンの血中濃度が上昇するため,リファブチンの投与量を半量以下に減量する。 | 本剤の血中濃度が低下し,リファブチンの血中濃度が上昇するため,リファブチンの投与量を半量以下に減量する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エチニルエストラジオール又はノルエチステロンを含む経口避妊薬 | これら薬剤の血中濃度が低下するため,本剤投与中は他の避妊法の追加又は変更を行う。 | これら薬剤の血中濃度が低下するため,本剤投与中は他の避妊法の追加又は変更を行う。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フェノバルビタールフェニトインカルバマゼピン | 本剤の血中濃度を低下させるおそれがあり,これら薬剤の血中濃度が変動する可能性がある。 | 本剤の血中濃度を低下させるおそれがあり,これら薬剤の血中濃度が変動する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シンバスタチン | シンバスタチンのAUCが約6倍に上昇するとの報告があり,横紋筋融解症,ミオパシー等の副作用が発現するおそれがあることから,本剤とシンバスタチンとの併用は避けることが望ましい。 | シンバスタチンのAUCが約6倍に上昇するとの報告があり,横紋筋融解症,ミオパシー等の副作用が発現するおそれがあることから,本剤とシンバスタチンとの併用は避けることが望ましい。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アトルバスタチンカルシウム水和物 | アトルバスタチンのAUCが約1.7倍に上昇するとの報告がある。 | アトルバスタチンのAUCが約1.7倍に上昇するとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| タクロリムスシクロスポリンエベロリムス | これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので,本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので,本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アジスロマイシン水和物 | アジスロマイシンの血中濃度が約2倍に上昇するとの報告がある。 | アジスロマイシンの血中濃度が約2倍に上昇するとの報告がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ボリコナゾール | 本剤及びボリコナゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤及びボリコナゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| オメプラゾール | 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4の基質となる薬剤シルデナフィルクエン酸塩タダラフィルフルチカゾンプロピオン酸エステルトラゾドン塩酸塩 等 | これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
海外での臨床試験において,1,177例中965例(82%)に副作用が認められ,主なものは,下痢,嘔気,腹部膨満感,後天性リポジストロフィー,頭痛,脱力感,腹痛,発疹等であった。
また,国内での臨床試験及び製造販売後調査において,総症例1,430例中831例(58%)に副作用が認められ,主なものは,下痢,発疹,高トリグリセリド血症,高脂血症等であった。(再審査終了時の集計)
糖尿病,血糖値の上昇(1.6%)
本剤の投与により,糖尿病,糖尿病の悪化及び血糖値の上昇が報告されており,その中には重篤な症例やケトアシドーシスを伴う症例も報告されているので,このような症状があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
出血傾向(1.3%)
血友病患者において,本剤の投与による加療中に,脳内出血,縦隔内出血の発現が報告されており,また,関節内出血,皮下出血等の出血事象の増加が報告されているので,このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。また必要に応じて,血液凝固因子の投与などの処置を行うこと。
次のような症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。(下表の頻度は海外の臨床試験,国内の臨床試験及び製造販売後調査等より算出した。)
| 2%以上 | 2%未満 | 頻度不明注2) | |
| 全身 | 後天性リポジストロフィー(体脂肪の再分布/蓄積;胸部,体幹部の脂肪増加,末梢部の脂肪減少,野牛肩)(6.3%) | 悪液質,疼痛,体重減少,体重増加,倦怠感,発熱,背部痛,胸部痛,悪寒,疲労感,頭痛,脱力感 | |
| 循環器 | 血管拡張,浮腫,頻脈,末梢性浮腫,動悸 | QT延長,Torsade de pointes | |
| 消化器 | 下痢(44.7%),嘔気(8.1%),腹部膨満感(5.2%),腹痛(4.0%),嘔吐(2.4%) | おくび,胃炎,嚥下障害,便秘,口渇,口内炎,直腸の異常,食欲亢進,便異常,舌の異常,排便障害,口腔内違和感,鼓腸,消化不良,食欲不振,膵炎 | |
| 血液,リンパ系 | 白血球減少,リンパ節腫脹,好中球減少,貧血,血小板減少症 | ||
| 代謝,栄養系 | 高脂血症(5.0%),高トリグリセリド血症(4.8%),高尿酸血症(2.0%) | 高コレステロール血症 | |
| 肝臓 | ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇,CK(CPK)上昇,γ-GTP上昇,LDH上昇,総ビリルビン上昇,Al-p上昇,肝機能障害,肝炎 | ||
| 筋骨格系 | 筋肉痛,関節痛,下肢の痙攣 | ||
| 精神神経系 | 抑うつ,傾眠,不眠,情緒不安,不安,異常思考,睡眠異常,健忘症,混乱,多動,眩暈 | ||
| 呼吸器 | 咽頭炎,呼吸困難 | ||
| 皮膚 | 発疹(7.0%) | 斑丘疹,発汗,皮膚乾燥,皮膚の異常,毛包炎, |
多形紅斑 |
| 感覚器 | 味覚異常,視覚異常,眼の異常,嗅覚異常,味覚喪失,感覚異常 | ||
| 泌尿器 | 尿の異常,頻尿,血尿,排尿障害 | ||
| 生殖器 | 月経異常,インポテンス |
注2)自発報告等にて報告された副作用
ビラセプト錠250mg 139.8円/錠
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