本剤又はリトナビル製剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重度の肝機能障害のある患者[B型・C型肝炎又は肝硬変等の肝疾患のある患者で、本剤投与中に門脈圧の上昇や肝疾患が悪化し、中には重篤な転帰をたどったとの報告がある。]
QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)[QT延長や心室性不整脈を起こすおそれがある。]
低カリウム血症又は低マグネシウム血症のある患者[QT延長や心室性不整脈を起こすおそれがある。]
ペースメーカーを装着していない完全房室ブロックの患者
次の薬剤を投与中の患者
アミオダロン、フレカイニド、プロパフェノン、ベプリジル、キニジン、トラゾドン、ピモジド、エルゴタミン製剤、シンバスタチン、ミダゾラム、トリアゾラム、リファンピシン、バルデナフィル、アゼルニジピン含有製剤(「相互作用」の項参照)
HIV感染症
通常、成人には、サキナビルとして1回1,000mgを1日2回、リトナビルとして1回100mgを1日2回、同時に、食後2時間以内に経口投与する。
投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医師に報告すること。
本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
本剤による治療が、性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険を減少させることは明らかではないこと。
本剤を空腹時に服用すると血中濃度が低くなり抗ウイルス作用を発揮できないことがあるため、本剤とリトナビルは食後2時間以内に同時に服用すること。
用量依存性のQT延長、PR延長が起こるおそれがあるため、不整脈が疑われる徴候や症状(動悸、失神等)があらわれた場合には、速やかに担当医師に報告すること。
担当医師の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医師に報告すること(「相互作用」の項参照)。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合には、事前に担当医師に相談すること。
本剤投与によりQT延長が起こるおそれがあることから、本剤の投与を開始する前に心血管系の状態に注意し、本剤投与中に不整脈の徴候があらわれた場合には心電図検査を行い、QT延長、PR延長が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤を含むHIVプロテアーゼ阻害剤の投与により、糖尿病の発症又は悪化が起こり、ケトアシドーシスに至った症例も報告されているため、定期的な検査等を行うこと。
抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと(「その他の副作用」の項参照)。
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある
リトナビルの用量の増加に伴い副作用が増加したとの報告がある。ときに、リトナビルとの併用により、重度の副作用、主に糖尿病性ケトアシドーシス、肝機能障害(特に肝疾患の既往歴のある患者)が報告されているので観察を十分に行うこと。
血友病患者及び著しい出血傾向を有する患者[本剤投与により、突発性の皮下血腫や出血性関節症等の出血事象の増加が血友病患者で報告されている。]
中等度の肝機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
重度の腎機能障害のある患者(【薬物動態】の項参照)
重度の徐脈等の不整脈、心疾患(虚血性心疾患、心筋症等)のある患者[QT延長や心室性不整脈を起こすおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
過量投与が明白又は疑われた場合には、できるだけ速やかに催吐剤の投与又は胃洗浄等の適切な処置を行うこと。
本剤は、肝薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)によって代謝される。更に本剤はP-糖蛋白の基質である。これらと親和性のある薬剤の血中濃度に影響を与えることがある(【薬物動態】の項参照)。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アミオダロン(アンカロン)フレカイニド(タンボコール)プロパフェノン(プロノン)ベプリジル(ベプリコール)キニジン(硫酸キニジン)トラゾドン(デジレル、レスリン)ピモジド(オーラップ) | 左記の薬剤の血中濃度が増加し、重篤又は生命に危険を及ぼすような心血管系の副作用(QT延長等)を起こすおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エルゴタミン製剤(カフェルゴット 等) | 左記の薬剤の血中濃度が増加し、急性麦角中毒(末梢血管痙攣、四肢の虚血等)を起こすおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シンバスタチン(リポバス) | 左記の薬剤の血中濃度が増加し、横紋筋融解症等のミオパシーを起こすおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ミダゾラム(ドルミカム)トリアゾラム(ハルシオン 等) | 左記の薬剤の血中濃度が増加し、持続的又は過度の鎮静、呼吸抑制を起こすおそれがある。ミダゾラムのクリアランスが減少し、半減期が延長したとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン(アプテシン、リファジン、リマクタン 等) | 本剤のAUCが減少したとの報告がある。リファンピシンの投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおくことが望ましい。また、本剤/リトナビル/リファンピシンを併用した17例中11例(65%)が28日目までに重度の肝細胞毒性を発現したとの報告がある。 | 左記の薬剤はチトクロームP450(CYP3A4)を誘導する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| バルデナフィル(レビトラ) | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アゼルニジピン含有製剤(カルブロック、レザルタス配合錠) | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デラビルジン | サキナビルメシル酸塩(600mg1日3回)とデラビルジン(400mg1日3回)を併用した場合に、サキナビルのAUCが348%、Cmaxが317%増加したとの報告がある。また、併用患者の13%で併用開始後数週間に肝細胞酵素が上昇したとの報告があるため、定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エファビレンツ | サキナビルとエファビレンツを併用した場合に、サキナビル及びエファビレンツのAUC、Cmaxが減少したとの報告がある。サキナビル/リトナビル/エファビレンツ(1,600/200/600mg1日1回)を併用した場合に、サキナビル/リトナビル(1,600/200mg1日1回)併用した場合と比較して、サキナビルのAUC、Cmaxに影響がなかったとの報告がある。サキナビル/リトナビル/エファビレンツ(1,200/100/600mg1日1回)を併用した場合又はサキナビルメシル酸塩/リトナビル(1,000/100mg1日2回)とエファビレンツ(600mg1日1回)を併用した場合に、サキナビル、エファビレンツの血中濃度に影響がなかったとの報告がある。 | 左記の薬剤は、チトクロームP450(CYP3A4)を誘導する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ネビラピン | サキナビルメシル酸塩(600mg1日3回)とネビラピン(200mg1日2回)を併用した場合に、サキナビルのAUCが24%減少したとの報告がある。 | 左記の薬剤は、チトクロームP450(CYP3A4)を誘導する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| インジナビル | サキナビルメシル酸塩とインジナビルを併用した場合に、サキナビルのAUCが増加したとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ネルフィナビル | サキナビルとネルフィナビルを併用した場合に、サキナビル及びネルフィナビルのAUCが増加したとの報告がある。併用により下痢が増加したとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アタザナビル | サキナビルメシル酸塩/リトナビル/アタザナビル(1,600/100/300mg1日1回)を併用した場合に、サキナビルメシル酸塩/リトナビル(1,600/100mg1日1回)を投与した場合と比較して、サキナビルのAUC、Cmaxがそれぞれ60%、42%、リトナビルのAUC、Cmaxがそれぞれ41%、34%増加したが、アタザナビルのAUC、Cmaxには影響をあたえなかったとの報告がある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ホスアンプレナビル | サキナビル(800mg1日3回)とアンプレナビル(750又は800mg1日3回)を併用した場合に、サキナビルのAUCが19%、アンプレナビルのAUCが32%減少したとの報告がある。サキナビルメシル酸塩/リトナビル(1,000/100mg1日2回)とホスアンプレナビル(700mg1日2回)を併用した場合に、サキナビルのAUC、Cmaxがそれぞれ15%、9%減少したとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ロピナビル・リトナビル配合剤 | サキナビル(1,200mg1日2回)とロピナビル/リトナビル(400/100mg1日2回)を併用した場合に、サキナビル単独投与の場合と比較して、サキナビルのAUC、Cmaxが増加したとの報告がある。一方、サキナビル/ロピナビル/リトナビル(1,000/400/100mg1日2回)を併用した場合に、サキナビル/リトナビル(1,000/100mg1日2回)を投与した場合と比較して、リトナビルのAUC、Cmaxは減少したが、サキナビル、ロピナビルのAUC、Cmaxに影響はなかったとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗不整脈薬リドカイン(全身投与)ジソピラミド | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗凝固剤ワルファリン | 左記の薬剤の血中濃度が変化するおそれがある。併用する場合には、INRをモニタリングすることが望ましい。 | チトクロームP450(CYP3A4、CYP2C9)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗てんかん薬カルバマゼピンフェノバルビタールフェニトイン | 本剤の血中濃度が減少するおそれがある。併用する場合には本剤の血中濃度の減少による本剤の効果の減少に注意すること。 | 左記の薬剤はチトクロームP450(CYP3A4)を誘導する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 三環系抗うつ薬アミトリプチリンイミプラミン | 左記の薬剤の血中濃度を増加させるおそれがある。併用する場合には、左記の薬剤の治療濃度をモニタリングすることが望ましい。 | チトクロームP450(CYP2D6)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クラリスロマイシン | 本剤及びクラリスロマイシンのAUC、Cmaxが増加したとの報告がある。腎機能障害のある患者は、クラリスロマイシンを減量すること。30≦Ccr≦60mL/分:50%減量Ccr<30mL/分:75%減量 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エリスロマイシン | HIV感染患者において、サキナビル(1,200mg1日3回)とエリスロマイシン(250mg1日4回)を併用した場合に、サキナビルのAUCが99%、Cmaxが106%上昇したとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ストレプトグラミン系抗生物質キヌプリスチン・ダルホプリスチン | 本剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗真菌薬ケトコナゾール注2) イトラコナゾールフルコナゾールミコナゾール | 本剤のAUCを増加させたとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファブチン | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ベンゾジアゼピン系薬剤アルプラゾラムクロラゼプ酸フルラゼパムジアゼパム | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。併用する場合には、患者の状態(鎮静効果)に注意し、必要に応じて上記の薬剤の減量を考慮すること。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| Ca拮抗薬フェロジピンニフェジピンニカルジピンジルチアゼムベラパミルアムロジピンニソルジピン | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。併用する場合には、患者の状態を注意して観察すること。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デキサメタゾン | 本剤の血中濃度を減少させるおそれがある。併用する場合には本剤の血中濃度の減少による本剤の効果の減少に注意すること。 | 左記の薬剤はチトクロームP450(CYP3A4)を誘導する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| フルチカゾンブデソニド | 低用量のリトナビルの使用により、経口吸入、経鼻投与された左記の薬剤の全身暴露症状(クッシング症候群等)が報告されている。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| H2受容体拮抗薬ラニチジン | サキナビルメシル酸塩(600mg)を食事とともにラニチジン(150mg1日2回)と併用した場合に、食事のみの場合と比較して、サキナビルのAUCが67%、Cmaxが74%増加したとの報告がある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| HMG-CoA還元酵素阻害薬アトルバスタチン | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。併用時には、筋障害の症状(筋脱力感、筋痛、CK(CPK)の上昇等)に注意すること。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 免疫抑制剤シクロスポリンタクロリムス水和物 | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 経口避妊薬エチニルエストラジオール | 左記の薬剤の血中濃度が減少するおそれがある。併用する場合には、別の避妊方法を考慮すること。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| PDE5阻害薬シルデナフィルタダラフィル | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。併用する場合には、左記の薬剤の副作用(血圧低下、視覚障害等)の増加に注意すること。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プロトンポンプ阻害剤オメプラゾール 等 | サキナビルメシル酸塩/リトナビル(1,000/100mg1日2回)とオメプラゾール(40mg1日1回)を併用した場合に、サキナビルメシル酸塩/リトナビルのみの場合と比較して、サキナビルのAUC、Cmaxがそれぞれ82%、75%増加したとの報告がある。併用する場合には、サキナビルの副作用発現に注意すること。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| グレープフルーツジュース | サキナビルメシル酸塩(600mg)を1倍又は2倍濃縮のグレープフルーツジュースで単回投与した場合に、サキナビルのAUCがそれぞれ50%、100%増加したとの報告がある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ニンニク成分含有製品 | 本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時は、ニンニク成分含有製品を摂取しないよう注意すること。サキナビル(1,200mg1日3回)とニンニクカプセル(ニンニク約8gに相当する)を併用した場合に、サキナビルのAUCが51%、8時間後の平均トラフ値が49%、Cmaxが54%減少したとの報告がある。 | 明確な機序は不明であるが、ニンニク成分により誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4の基質となる薬剤キニーネフェンタニルミルタザピンテムシロリムス 等 | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | チトクロームP450(CYP3A4)に対する競合による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| P-糖蛋白の基質となる薬剤アジスロマイシンジゴキシンダビガトラン 等 | 左記の薬剤の血中濃度が増加するおそれがある。 | P-糖蛋白機能の阻害による。 |
注2)国内では外用剤のみ
カプセル剤の承認取得時に実施されていた臨床試験40例において、副作用は18例(45.0%)に認められた。主な副作用は、LDH増加5件(12.5%)、ALT(GPT)増加4件(10.0%)、AST(GOT)増加3件(7.5%)、貧血3件(7.5%)であった。製造販売後の調査277例において、副作用は133例(48.0%)に認められた。主な副作用は、肝機能異常・肝障害32件(11.6%)、高トリグリセリド血症26件(9.4%)、高脂血症24件(8.7%)、下痢18件(6.5%)、悪心16件(5.8%)であった。(再審査終了時)
<参考:インビラーゼカプセルにおいて報告された国外の副作用>
国外における臨床第IV相試験(MaxCmin1試験)において、サキナビル/リトナビル(1,000mg/100mg)と少なくとも2剤の核酸系逆転写酵素阻害剤/非核酸系逆転写酵素阻害剤の併用群148例中104例(70.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢30件(20.3%)、悪心26件(17.6%)、疲労15件(10.1%)、嘔吐14件(9.5%)、腹痛11件(7.4%)、鼓腸11件(7.4%)等であった。
次のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺企図、錯乱(以上頻度不明a))
自殺企図、錯乱などがあらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。
痙攣、協調運動障害(以上頻度不明a))
痙攣、協調運動障害があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
膵炎(0.3%)、腸管閉塞、腹水(以上頻度不明a))
死亡にいたる膵炎や腸管閉塞、腹水などがあらわれることがあるので、定期的なアミラーゼ検査を行うなど、観察を十分に行うこと。
重度の肝機能障害(頻度不明a))、肝炎(0.3%)、黄疸、門脈圧亢進(以上頻度不明a))
重度の肝機能障害、肝炎、黄疸、門脈圧亢進があらわれることがあるので、定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。
高血糖(1.9%)、糖尿病(1.3%)
糖尿病、高血糖があらわれ、その中には重篤な症例やケトアシドーシスを伴っていた症例の報告がある。このような症状があらわれた場合には、インスリンや血糖降下剤の投与等適切な処置を行うこと。
汎血球減少症(0.3%)、溶血性貧血(頻度不明a))、白血球減少症(1.3%)、好中球減少症(0.3%)、血小板減少症(2.2%)
汎血球減少症、溶血性貧血、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
出血(頻度不明a))
死亡にいたる頭蓋内出血や、出血性関節症、筋肉内出血、胃腸出血、硝子体出血、腹膜出血、耳下腺出血等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
血栓性静脈炎、末梢血管収縮(以上頻度不明a))
血栓性静脈炎、末梢血管収縮があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
急性骨髄性白血病(頻度不明a))
急性骨髄性白血病があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明a))
皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
腎結石症(頻度不明a))
腎結石症があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
無力症、多発性関節炎(以上頻度不明a))
無力症、多発性関節炎があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
a)国内での報告はないが、国外添付文書に記載のある副作用
次のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺企図、錯乱(以上頻度不明a))
自殺企図、錯乱などがあらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。
痙攣、協調運動障害(以上頻度不明a))
痙攣、協調運動障害があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
出血(頻度不明a))
死亡にいたる頭蓋内出血や、出血性関節症、筋肉内出血、胃腸出血、硝子体出血、腹膜出血、耳下腺出血等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
血栓性静脈炎、末梢血管収縮(以上頻度不明a))
血栓性静脈炎、末梢血管収縮があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
急性骨髄性白血病(頻度不明a))
急性骨髄性白血病があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明a))
皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
腎結石症(頻度不明a))
腎結石症があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
無力症、多発性関節炎(以上頻度不明a))
無力症、多発性関節炎があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
a)国内での報告はないが、国外添付文書に記載のある副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 頻度不明a) | 1%以上b) | 1%未満c) | |
| 精神・神経 | 錯感覚、傾眠、振戦、不安、うつ病、不眠症、性欲減退、精神病性障害、睡眠障害 | 味覚異常、感覚鈍麻、頭痛 | 浮動性めまい、意識消失、末梢性ニューロパシー、嗜眠 |
| 消化器 | 嚥下障害、おくび、鼓腸、胃炎、口内乾燥、口唇乾燥、粘膜潰瘍、血中アミラーゼ増加 | 下痢(感染性を含む)(5.7%)、悪心(5.7%)、嘔吐 | 腹痛、便秘、腹部不快感、消化不良、腹部膨満 |
| 血液 | リンパ球数減少 | 貧血 | リンパ節症、ヘモグロビン減少 |
| 皮膚 |
|
発疹 | 皮膚乾燥、脱毛症 |
| 抵抗機構 | インフルエンザ、乳頭腫、HIV消耗症候群 | ||
| 肝臓 | 肝腫大 | 肝機能異常・肝障害(10.1%)、ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、γ-GTP増加、LDH増加、ALP増加 | 高ビリルビン血症 |
| 内分泌・代謝 | 低比重リポ蛋白増加、血中ブドウ糖減少、食欲亢進、脱水 | 高脂血症(7.6%)、高トリグリセリド血症(8.2%)、高コレステロール血症、高尿酸血症、食欲減退、リポジストロフィー(胸部、体幹部の脂肪の増加、末梢部の脂肪減少、野牛肩、クッシング様顔貌) | |
| 呼吸器 | 気管支炎、副鼻腔炎、呼吸困難 | 肺炎、咳嗽 | |
| 循環器 | 失神、心雑音、低血圧 | 高血圧 | |
| 筋・骨格 | 筋痙縮 | CK(CPK)増加、背部痛、関節痛、筋肉痛 | |
| 感覚器 | 耳鳴、視力障害 | ||
| 腎臓 | 血中クレアチニン増加 | ||
| その他 | 過敏症、疲労、胸痛 | 発熱 | 浮腫、体重増加、倦怠感 |
a)国内での報告はないが、国外添付文書に記載のある副作用
b)国内の臨床試験及び製造販売後調査の結果を合わせて算出した結果、1%以上の発現頻度であった副作用
c)国内の臨床試験及び製造販売後調査の結果を合わせて算出した結果、1%未満の発現頻度であるが、国外添付文書に記載のある副作用
インビラーゼカプセル200mg 130.1円/カプセル
インビラーゼ錠500mg 362.9円/錠
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