点滴静注用ホスカビル注24mg/mL

抗ウイルス化学療法剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ホスカルネットナトリウム水和物
製造/販売 クリニジェン
剤形/規格
  • 点滴静注用ホスカビ...

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警告

  • 1.1 本剤の投与により腎障害があらわれるので、頻回に血清クレアチニン値等の腎機能検査を行い、腎機能に応じた用量調節を行うこと。[7.2、11.1.2参照]

  • 1.2 本剤は、電解質異常に伴う発作を誘発することがあるので、定期的に血清電解質を測定するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること。[8.2、11.1.4参照]

禁忌

  • 2.1 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者[8.3参照]

  • 2.2 クレアチニンクリアランス値が、0.4mL/分/kg未満の患者[腎障害を増悪させることがある。][7.2、9.2.1参照]

  • 2.3 ペンタミジンイセチオン酸塩を投与中の患者[10.1参照]

効能・効果

  • ○後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎

  • ○造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及びサイトメガロウイルス感染症

  • ○造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎

用法・容量

  • <後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症>

    • 初期療法

      • 通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、又は1回体重1kgあたり90mgを、2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、それぞれ点滴静注する。なお、初期療法は2〜3週間以上行う。

    • 維持療法

      • 初期療法に続く維持療法には、通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90〜120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。
        維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。

  • <造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症>

    • 初期療法

      • 通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注する。初期療法は1〜2週間以上行う。

    • 維持療法

      • 通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90〜120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。
        維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。

  • <造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎>

    • 通常、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回点滴静注する。

  • なお、本剤による腎障害を軽減するため、本剤による治療中には水分補給を十分に行い、利尿を確保すること。

  • <効能共通>

    • (投与法及び希釈調製法)

      • 本剤を中心静脈より投与する場合は希釈せずに用いるが、末梢静脈より投与する場合には、血管への刺激を軽減するため、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液にて2倍に希釈して用いる(12mg/mL)こと。なお、本剤の血漿中濃度の過剰な上昇により、本剤の毒性が増強することがあるので、点滴速度に十分注意し、点滴静注以外では投与しないこと。
        また、点滴速度を調節するため、点滴ポンプを使用することが望ましい。

    • (用量の調節)

      • 本剤の用量は、各患者の腎機能に応じて個別に調節すること。

注意事項

重要な基本的注意

  • <後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎>

    • 8.1 使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。

      • ・国内で実施された臨床試験の科学的なデータは少ないこと。

      • ・本剤は後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎の根治療法薬ではないことから、症状が進行・再発する可能性があるので、定期的に眼科学的検査を受ける必要があること。

      • ・腎障害、電解質異常に伴う発作があらわれ重篤な転帰をとることがあるので、口周囲のヒリヒリ感、四肢のしびれ知覚異常等の症状があらわれた場合には、直ちに担当医に報告すること。

  • <効能共通>

    • 8.2 本剤は体内の2価陽イオンとキレートを形成し、血清中のカルシウム、マグネシウム濃度の低下を来すとの報告がある。また、血清中カリウム濃度の低下を来すことが報告されているので、本剤投与中は、定期的に血清電解質を測定するなど観察を十分に行い、口周囲のヒリヒリ感、四肢のしびれ感、知覚異常等の発現又は電解質異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[1.2、9.1.1-9.1.3、11.1.4参照]

    • 8.3 ショック等の重篤な過敏反応の発現を予測するため、十分な問診を行うこと。また、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1参照]

    • 8.4 泌尿・生殖器に局所刺激性による刺激感、潰瘍があらわれることがあるので、排尿後は洗浄・清拭等により衛生状態に注意すること。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常のある患者

      • 本剤のキレート作用によりカルシウム及びマグネシウムの血清中濃度の低下をさらに増強することがある。また、血清中カリウム濃度をさらに低下させることがある。[8.2参照]

    • 9.1.2 中枢神経系に合併、既往のある患者

      • (1)中枢神経系に異常のある患者では、慎重に観察を行い、血清電解質の補正など適切な処置を行うこと。本剤による電解質異常により症状を悪化させることがある。[8.2参照]

      • (2)中枢神経系疾患の既往歴のある患者では、精神神経系副作用の発現に注意すること。

    • 9.1.3 心機能に異常のある患者

      • 慎重に観察を行い、血清電解質の補正など適切な処置を行うこと。本剤による電解質異常により症状を悪化させることがある。[8.2参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 クレアチニンクリアランス値が、0.4mL/分/kg未満の腎機能障害患者

      • 投与しないこと。腎障害を増悪させることがある。[2.2、7.2参照]

    • 9.2.2 クレアチニンクリアランス値が、0.4mL/分/kg以上の腎機能障害患者

      • 腎障害を増悪させることがある。

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラット(75mg/kg投与)の乳汁中薬物濃度が母体血中濃度の3倍に達したとの報告がある。

  • 9.7 小児等

    • 9.7.1 治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。本剤の歯あるいは骨への沈着は、成熟動物より幼若・成長期の動物に多いことが報告されており、ヒトでも同様の作用が予想される。

    • 9.7.2 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 腎機能に注意し、慎重に投与量を設定すること。一般に腎機能が低下している場合が多い。

過量投与

  • 13.1 症状

    • 本剤の過量投与が、米国における189例の後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎を対象とした臨床試験において10例報告されている。1例は大発作、昏睡を起こし、呼吸停止、心停止により死亡した症例で、他の9例はそれぞれ推奨用量の1.14〜8倍(平均4倍)の投与を受け、3例に痙れん発作、3例に腎不全、4例に四肢や口周囲知覚異常、5例でカルシウム及びリン酸塩等の電解質異常が発現した。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤調製時の注意

    • 14.1.1 本剤は保存剤が添加されていないので、開封後は24時間以内に使用すること。

    • 14.1.2 本剤は配合変化を起こすことが知られているので、希釈液には生理食塩液及び5%ブドウ糖注射液以外は使用しないこと。

  • 14.2 薬剤投与時の注意

    • 14.2.1 局所刺激性があるため、誤って薬液が皮膚や目に触れた場合は、局所刺激及び灼熱感が生じることがある。このような場合には、流水で十分に洗浄すること。

    • 14.2.2 配合変化を起こすため、同一カテーテルを通じて、他剤や補液を同時に投与しないこと。

その他の注意

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 15.2.1 変異原性試験

      • CHO細胞を用いた染色体異常試験、マウス培養細胞を用いた形質転換試験及びマウスを用いた小核試験で変異原性が認められた。

取扱上の注意

  • 20.1 8℃以下では結晶が析出することがあるので、このような場合には微温湯で加温すること。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ペンタミジンイセチオン酸塩ベナンバックス[2.3参照] 腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがある。なお、海外で本剤とペンタミジンイセチオン酸塩(静注)との併用により、重篤な低カルシウム血症が発現し死亡した症例が報告されている。 相加的に副作用(腎障害、低カルシウム血症)が増強する。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血清カルシウム濃度に影響を及ぼす薬剤ループ利尿薬 等フロセミド 等 低カルシウム血症が起こることがある。 本剤のキレート作用により、低カルシウム血症を呈しやすくなる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
腎毒性を有する薬剤アミノグリコシド系抗生物質ゲンタマイシン硫酸塩アミカシン硫酸塩 等スルファメトキサゾール・トリメトプリムバンコマイシン塩酸塩アムホテリシンBシクロスポリンタクロリムス水和物メトトレキサートシスプラチン 等 腎障害を増強することがある。 相加的に副作用(腎障害)が増強する。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常がみられた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 ショック(頻度不明)

    • 熱・悪寒、発疹等を初発症状とし、戦慄、顔面蒼白、チアノーゼ、呼吸困難等のショック様症状があらわれることがある。

  • 11.1.2 急性腎障害(1〜10%)

    • 重度の腎障害を起こすことがある。[1.1、7.2参照]

  • 11.1.3 心不全(1%未満)、心停止(1%未満)、血栓性静脈炎(1〜10%)

  • 11.1.4 痙れん発作(1〜10%)、テタニー(1%未満)[1.2、8.2参照]

  • 11.1.5 呼吸抑制(1%未満)

  • 11.1.6 麻痺性イレウス(1%未満)

  • 11.1.7 失語症(1%未満)、痴呆(1%未満)

  • 11.1.8 横紋筋融解症(頻度不明)

  • 11.1.9 敗血症(1〜10%)

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常がみられた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上 1〜10%未満 1%未満 頻度不明
血液 貧血(28.7%)、血中ヘモグロビン減少、顆粒球減少 白血球減少、血小板減少 血栓症 白血球増多
循環器 高血圧、心電図異常、心悸亢進、浮腫、潮紅 徐脈、期外収縮、低血圧 心室性不整脈、QT間隔の延長
呼吸器 呼吸困難、喉頭炎
過敏症 発疹、そう痒
皮膚 皮膚潰瘍形成 皮膚障害、多汗
腎臓 クレアチニンクリアランス低下、血清クレアチニン上昇(18.6%)等の腎機能異常 尿毒症、排尿困難、尿道障害、多尿 蛋白尿、中毒性ネフロパシー、腎尿細管障害、夜間頻尿、抗利尿ホルモン異常 腎臓痛、尿崩症
代謝異常 アシドーシス、Al-P上昇 血液量過多、LDH上昇、体重減少、アミラーゼ上昇、CK上昇
電解質異常 低マグネシウム血症(14.4%)、低カリウム血症(13.8%)、低カルシウム血症(11.7%) 低リン酸血症、高リン酸血症、低ナトリウム血症 高カルシウム血症
消化器 悪心(30.9%)・嘔吐(17.0%) 下痢、食欲不振、腹痛、便秘、消化不良、味覚倒錯 腸炎、膵炎、鼓腸放屁、口渇、口内乾燥
精神神経系 知覚異常(12.2%)、頭痛(11.2%) めまい・眩暈、不随意筋収縮、無力症、錯乱、知覚減退、神経障害、抑うつ、不安、疲労、倦怠感、精神病、神経過敏、興奮、攻撃性、振戦、運動失調 緊張亢進、ジスキネジア、末梢神経障害、反射亢進、昏迷、協調異常、EEG異常、傾眠、健忘
泌尿・生殖器 局所刺激性による性器の刺激、陰茎潰瘍、外陰膣潰瘍
肝臓 AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、A/G比異常
筋肉 ミオパシー、筋炎、筋脱力、筋肉痛
注射部位 注射部位の疼痛 注射部位の炎症
その他 発熱(10.6%) 悪寒、感染症 視覚異常、疼痛、網膜剥離、複視、耳鳴、耳痛

薬価

点滴静注用ホスカビル注24mg/mL 10655円/瓶

評価サマリー

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