2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 リファンピシン、フェニトイン、フェニトイン・フェノバルビタール、ホスフェニトインナトリウム水和物、カルバマゼピン、アパルタミド、エンザルタミド、ミトタン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、ロミタピドメシル酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩及びエルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリンを投与中の患者[10.1、16.7.2参照]
多剤耐性HIV-1感染症
通常、成人にはレナカパビル経口剤の投与開始後15日目に、レナカパビルとして927mgを皮下投与する。以降は、927mgを6ヵ月に1回、皮下投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。
8.1 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
8.2 本剤は投与スケジュールが遵守されない場合、ウイルスの再増殖及び薬剤耐性リスクのおそれがあるため、投与スケジュールを遵守するよう患者に指導すること。
8.3 本剤の投与を中止する場合は、以下の点に留意すること。
8.3.1 本剤は投与後に長期間(12ヵ月以上)にわたって血中に残留する可能性があるため、本剤の長期作用に注意すること。[9.5、9.6、10.参照]
8.3.2 ウイルス耐性の発現リスクを最小限に抑えるため、可能であれば本剤最終投与後28週間以内に、他の抗レトロウイルス療法を開始すること。
8.4 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.4.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
8.4.2 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
8.4.3 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。[10.、16.7.1、16.7.2参照]
8.5 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 末期腎不全患者(クレアチニンクリアランスが15mL/min未満)
末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)を対象とした臨床試験は実施していない。本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)
重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした臨床試験は実施していない。本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は投与後に長期間(12ヵ月以上)にわたって血中に残留する可能性があるため、妊娠した場合に胎児が本剤に曝露される可能性がある。動物実験(ラット)で乳汁又は胎盤を介して出生児にレナカパビルが移行した報告がある。[8.3.1参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。一般に、乳児へのHIV感染を防ぐため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳をすべきでない。本剤の最後の投与から長期間(12ヵ月以上)にわたって本剤が乳汁中に認められる可能性がある。動物実験(ラット)で乳汁又は胎盤を介して出生児にレナカパビルが移行した報告がある。ヒトにおける乳汁への移行は不明である。[8.3.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、合併症や他の薬剤の併用が多い。
14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 投与前にバイアル内の溶液に粒子状物質及び変色がないか目視で確認すること。粒子状物質が含まれていたり溶液が変色している場合は、使用しないこと。
14.1.2 溶液をバイアルから取り出すときは、添付のバイアルアダプターを用いること。
14.1.3 溶液をバイアルから取り出したら、速やかに使用すること。
14.1.4 各バイアルは1回限りの使用とし、残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 注射部位1カ所あたり1.5mLを
14.2.2 注射部位は、腹部とし、臍から5cm以上離すこと。
14.2.3 同一箇所への2本の注射は避け、投与ごとに注射部位を変えること。
14.2.4 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、硬結等)には注射しないこと。
14.2.5 バイアルアダプター、シリンジ、注射針は再使用しないこと。
本剤は遮光する必要があるため、使用直前まで外箱に入れて保存すること。
レナカパビルはCYP3A、P-gp及びUGT1A1の基質であり、CYP3Aの中程度の阻害薬
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン(リファジン)フェニトイン(アレビアチン)フェニトイン・フェノバルビタール(ヒダントールD/E/F)ホスフェニトインナトリウム水和物(ホストイン)カルバマゼピン(テグレトール)アパルタミド(アーリーダ)エンザルタミド(イクスタンジ)ミトタン(オペプリム)[2.2、16.7.2参照] | レナカパビルの血漿中濃度が低下するため、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性がある。 | これら薬剤の強いCYP3A、P-gp又はUGT1A1の誘導作用により、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[2.2参照] | レナカパビルの血漿中濃度が低下するため、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性がある。 | セント・ジョーンズ・ワートの強いCYP3A、P-gp及びUGT1A1の誘導作用により、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)[2.2参照] | ロミタピドメシル酸塩の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 | レナカパビルのCYP3A阻害作用により、ロミタピドメシル酸塩の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(パルタン)エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)[2.2参照] | これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 | レナカパビルのCYP3A阻害作用により、これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジゴキシン | ジゴキシンの血漿中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は、ジゴキシンの血漿中濃度のモニタリングを行うこと。 | レナカパビルのP-gp阻害作用により、ジゴキシンの血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 直接経口抗凝固薬(DOAC)リバーロキサバンダビガトランエドキサバン | これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 | レナカパビルのCYP3A又はP-gp阻害作用により、これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シンバスタチン | シンバスタチンの血漿中濃度が上昇する可能性がある。シンバスタチンは最低用量から開始し、安全性(ミオパチーなど)をモニタリングしながら慎重に増量すること。 | レナカパビルのCYP3A阻害作用により、シンバスタチンの血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| コルチコステロイド(全身性)デキサメタゾンヒドロコルチゾンコルチゾン | 全身性コルチコステロイドの曝露量が著しく上昇する可能性がある。これら薬剤は最低用量から開始し、安全性をモニタリングしながら慎重に増量すること。また、全身性デキサメタゾンとの併用によりレナカパビルの血漿中濃度が低下し、特に長期間投与する場合は、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性があるため、他のコルチコステロイドへの代替を検討すること。 | レナカパビルのCYP3A阻害作用により、コルチコステロイドの曝露量が著しく上昇し、クッシング症候群及び副腎抑制のリスクが増加する可能性がある。また、デキサメタゾンのCYP3A誘導作用により、レナカパビルの血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ミダゾラム(経口)トリアゾラムキニジン[16.7.2参照] | これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 | レナカパビルのCYP3A阻害作用により、これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ホスホジエステラーゼ5(PDE-5)阻害薬シルデナフィルタダラフィルバルデナフィル | これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。勃起不全の治療のためにこれら薬剤を本剤と併用する場合は、これら薬剤は最低用量から開始すること。肺動脈性肺高血圧症の治療のためにタダラフィルを本剤と併用することは推奨されない。 | レナカパビルのCYP3A阻害作用により、これら薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アタザナビル/リトナビル | レナカパビルの血漿中濃度が上昇する可能性がある。アタザナビル/リトナビルと本剤の併用は推奨されない。 | アタザナビル/リトナビルの強いCYP3A、P-gp及びUGT1A1阻害作用により、レナカパビルの血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エファビレンツ[16.7.2参照] | レナカパビルの血漿中濃度が低下する可能性があり、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性がある。エファビレンツと本剤の併用は推奨されない。 | エファビレンツのCYP3A、P-gp及びUGT1A1誘導作用により、レナカパビルの血漿中濃度が低下した。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファブチンフェノバルビタールネビラピン | レナカパビルの血漿中濃度が低下する可能性があり、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性がある。これら薬剤と本剤の併用は推奨されない。 | これら薬剤の中程度のCYP3A、P-gp又はUGT1A1誘導作用により、レナカパビルの血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 3%以上 | |
| 胃腸障害 | 悪心 |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 注射部位反応(腫脹、疼痛、結節、紅斑、硬結、そう痒感、漏出、不快感、腫瘤、血腫、浮腫、潰瘍)(63%) |
本剤及びレナカパビル経口剤の発現頻度
シュンレンカ皮下注463.5mg 3208604円/組
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