抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体製剤
| 一般名 |
パリビズマブ(遺伝子組換え)
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|---|---|
| 製造/販売 | アッヴィ |
| 剤形/規格 |
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本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
下記の新生児,乳児および幼児におけるRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染による重篤な下気道疾患の発症抑制
RSウイルス感染流行初期において
在胎期間28週以下の早産で,12ヵ月齢以下の新生児および乳児
在胎期間29週〜35週の早産で,6ヵ月齢以下の新生児および乳児
過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児,乳児および幼児
24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児,乳児および幼児
パリビズマブ(遺伝子組換え)として体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に投与する.なお,注射量が1mLを超える場合には分割して投与する.
本剤投与により,重篤な過敏症を発現するおそれがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと(「重大な副作用」の項参照).
過去に抗生物質等の筋肉内注射により,筋拘縮症が発現したとの事例が報告されているので,投与に際しては,適用上の注意を守り,十分に注意すること(「適用上の注意」の項参照).
中等度から重度の急性感染症又は発熱性疾患がある場合は,本剤の投与による有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合を除き,本剤の投与を延期すること.一般に,軽度上気道感染症等の軽度な発熱性疾患は本剤の投与延期の理由とはならない.
既に発症したRSウイルス感染症に対する本剤の治療効果は確立されていない.
血小板減少症あるいはその他の凝固障害等により出血傾向のある患者.[出血により重篤な状態を招くおそれがある.止血を確認できるまで投与部位を押さえるなど慎重に投与すること.]
感染性疾患の伝播を避けるため,調製および投与には必ず使い捨ての注射針および注射筒を使用し,また再利用しないこと.
調製時
50mg製剤,100mg製剤とも以下の操作をした際に100mg/mLがそれぞれ抜き取れるように表示量以上のパリビズマブが含有されている.
調製には添付の日局注射用水以外の溶解液は使用しないこと.
バイアルのキャップを取り去り,ゴム栓をエタノール綿等で清拭すること.
50mg製剤の場合は0.6mL,100mg製剤の場合には1.0mLの日局注射用水を徐々に添加する.泡立てないように注意しながらバイアルの内容物が渦を巻くように回しながら30秒間静かに溶解させること.この際バイアルを振盪しないこと.
調製した本剤は溶液が澄明になるまで少なくとも20分以上室温で静置すること.
本剤は保存剤を含有していないため,用時調製とし,調製後6時間以内に使用すること.
バイアルからの採取は一回のみとし,残液は廃棄すること.
投与時
新生児,乳児および幼児への投与であることから特に組織,神経に対する影響には十分注意しながら慎重に投与すること.
筋肉内投与のみとし,静脈内投与は避けること.
他の薬剤との混合注射をしないこと.
筋肉内,好ましくは大腿前外側部に注射する.臀筋への投与は坐骨神経を損傷する危険性があるため,避けること.
神経走行部位を避けるよう注意して注射すること.
同一部位への反復注射は行わないこと.
注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり,血液の逆流をみた場合は,直ちに針を抜き,部位をかえて注射すること.
本剤の5回を超える投与に関する海外市販後報告では,RSウイルス流行期間内での6回もしくはそれを超える回数の投与後における有害事象の特性は,5回までの投与後にみられるものと同様であると示唆されている.
がん原性試験,遺伝毒性試験,生殖毒性試験は実施されていない.
本剤は成人に適用されない.本剤を妊婦,産婦,授乳婦等へ投与した場合の影響は不明である.
他のヒト化抗体,ヒト・マウスキメラ抗体,マウス抗体の投与を経験した新生児,乳児および幼児に対して本剤を投与した場合の安全性は確立されていない.このような新生児,乳児および幼児に対して本剤を投与する場合には過敏症等について十分注意すること.
海外における臨床試験では本剤投与により,一部の新生児,乳児および幼児で抗イディオタイプ抗体が検出されているが,現在までに,この抗体による副作用,体内動態への影響は報告されていない.
承認時
早産又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児,乳児および幼児
海外の第II相および第III相臨床試験(総症例数1,222例)では,主な副作用として注射部位反応,発熱,神経過敏等が認められたが,多くは軽度であり,本剤投与群とプラセボ群との副作用発現率はほぼ同等であった.
国内における早産又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児,乳児および幼児31例を対象とした第I/II相臨床試験においては,副作用は認められなかった.
先天性心疾患(CHD)を有する新生児,乳児および幼児
海外の第III相臨床試験(総症例数639例)では,主な副作用として注射部位反応,発熱,発疹等が認められたが,本剤投与群とプラセボ群との副作用発現率はほぼ同等であった.
国内における先天性心疾患(CHD)を有する新生児,乳児および幼児を対象とした第III相臨床試験(安全性評価対象71例)では,主な副作用として注射部位反応,咳,鼻漏,発疹,嘔吐,発熱等が認められた.
再審査終了時
製造販売後調査の総症例570例中19例(3.3%)に副作用が認められ,主な副作用として気管支炎,上気道の炎症等が認められた.
ショック,アナフィラキシー(頻度不明)注)
ショック,アナフィラキシーがあらわれることがある.観察を十分行い,チアノーゼ,冷汗,血圧低下,呼吸困難,喘鳴,頻脈等があらわれた場合には投与を中止し,エピネフリン(1:1000)の投与による保存的治療等の適切な処置を行うこと.
注)国内外の臨床試験では認められず,頻度が明確とならない調査(海外報告等)において認められている.
次のような症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.
| 0.1%以上 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 精神神経系 | 神経過敏 | 傾眠 | 痙攣 |
| 消化器 | 下痢,嘔吐 | ||
| 循環器 | 不整脈,頻脈,徐脈 | ||
| 呼吸器 | 喘鳴,呼吸困難,咳,上気道感染,鼻炎,鼻漏 | 肺炎,細気管支炎 | |
| 血液 | 白血球減少 | 血小板数減少 | |
| 皮膚 | 発疹 | 真菌性皮膚炎,湿疹 | |
| 肝臓 | 肝機能検査値異常 | ||
| その他 | 発熱,注射部位反応,疼痛,ウイルス感染 | 悪寒,哺乳障害,中耳炎 |
シナジス筋注用50mg 79014円/瓶
シナジス筋注用100mg 156417円/瓶
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