ヴァイデックスECカプセル125 他

抗ウイルス化学療法剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 ジダノシン
製造/販売 ブリストル・マイヤーズスクイブ
剤形/規格
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警告

  • 本剤の投与により膵炎があらわれることがあるので,血清アミラーゼ,血清リパーゼ,トリグリセライド等の生化学的検査を行うなど,患者の状態を十分に観察すること。

禁忌

  • 膵炎の患者[膵炎を増悪させることがある。]

  • 本剤に対する過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • HIV感染症

用法・容量

  • 通常成人には,ジダノシンとして以下の用量を1日1回食間に経口投与する。

    • 体重60kg以上

      400mg

    • 体重60kg未満

      250mg

  • なお,症状により適宜増減する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に,次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。

    • 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化については,すべて担当医に報告すること。

    • 本剤と相互作用を起こす薬剤があるかもしれないので,処方箋の有無にかかわらず服用している他の薬剤(ビタミン剤等を含む)をすべて担当医に報告すること。

  • 本剤の投与により膵炎があらわれ重篤な転帰をとることがあるので,血清アミラーゼ,血清リパーゼ,トリグリセライド等の生化学的検査を定期的に行うこと。これらの検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また,腹痛,悪心・嘔吐等の臨床症状がみられた場合には,本剤の投与を中止し,生化学的検査(血清アミラーゼ,血清リパーゼ,トリグリセライド等)及び画像診断等による観察を十分に行うこと。

  • 本剤の投与により末梢神経障害があらわれることがあるので,末端のしびれ,刺痛感,四肢の疼痛等の症状が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 本剤の投与により,乳酸アシドーシス,重度の脂肪肝を伴う肝腫,ときに重篤な肝障害,門脈圧亢進症(非肝硬変性も含む)があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお,複数の妊婦において本剤とサニルブジンとの併用投与による致死性の乳酸アシドーシスが報告されているので,妊娠期間中の本剤とサニルブジンの併用投与は,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 本剤の大量投与により網膜色素脱失があらわれることがあるので,定期的に視力検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 本剤の投与により高尿酸血症があらわれることがあるので,著しい尿酸値の上昇が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 抗HIV薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「その他の副作用」の項参照)

  • 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。

慎重投与

  • 膵炎の既往歴のある患者[再発することがある。]

  • 末梢神経障害又はその既往歴のある患者[症状を増悪又は再発させることがあるので,減量,休薬若しくは中止を考慮すること。]

  • 腎障害のある患者[腎障害のある患者では,本剤の消失半減期が延長し,副作用が強くあらわれるおそれがあるので,以下の表を参考にして投与量を調節するなど慎重に投与すること。]

    • <腎障害患者に対するカプセル剤投与量の目安>

      *:重篤な腎障害(クレアチニンクリアランス<10mL/分)のある体重60kg未満の患者には本剤の投与は適さないため,他の治療法を用いること。
      クレアチニンクリアランス(mL/分) 投与量(ジダノシンとして)・投与回数
      体重60kg以上 体重60kg未満
      ≧60 400mg・1日1回 250mg・1日1回
      30〜59 200mg・1日1回 125mg・1日1回
      10〜29 125mg・1日1回 125mg・1日1回
      <10 125mg・1日1回

    • 血液透析を受けている患者には,血液透析終了後に投与すること。血液透析により投与量を追加する必要はない。

  • 肝障害のある患者[肝障害を増強することがある。]

その他の注意

  • 変異原性試験(突然変異試験,染色体異常試験,形質転換試験)では,変異原性が陽性であった。

  • マウス,ラットへの90日以上の投与では,骨格筋に対する毒性が認められているが,ヒトでのミオパシーとの関連性は明らかではない。

  • 本剤とヒドロキシウレアが併用されたHIV感染患者で,死亡を含む重篤な膵炎,肝障害及び高度の末梢神経障害が発現したとの報告がある。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ペンタミジン,アルコール,スルホンアミド,ザルシタビン,副腎皮質ステロイド剤 副作用を増強することがある。 これらの薬剤は副作用として膵炎が報告されている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ペンタミジン,アルコール,スルホンアミド,ザルシタビン,抗結核抗生物質,H2受容体拮抗剤,サリドマイド 副作用を増強することがある。 これらの薬剤は副作用として末梢神経障害が報告されている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ガンシクロビル 副作用を増強することがある。定期的に血清アミラーゼ,血清リパーゼ,トリグリセライド等の生化学的検査を行い,これらの検査値の上昇が認められた場合には,本剤の減量若しくは投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 本剤(錠剤)のAUCが111±114%(10〜493%)増大したとの報告がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アロプリノール 副作用を増強することがある。 本剤(錠剤)のAUCが腎障害を有する患者において312%,健常成人において113%増大したとの報告がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リバビリン 肝不全,乳酸アシドーシス,膵炎等の副作用を増強する可能性がある。 in vitroにおいて本剤のリン酸化を促進することが報告されている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 本剤の副作用を増強する可能性があるので,本剤の減量を考慮すること。なお,米国において,以下の用量が推奨されている。通常クレアチニンクリアランス60mL/分以上の成人に併用する際は,ジダノシンとして以下の用量を1日1回食間に経口投与する。体重60kg以上:250mg体重60kg未満:200mgまた,抗HIV薬による治療経験のない高ウイルス量患者において,本剤を減量して併用した場合,効果の減弱が報告されている。 本剤のAUCとCmaxが上昇する。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 副作用の概要(再審査終了時までの集計)

    • <海外の臨床試験−カプセル剤の最終成績−>

      HIV感染症を対象とした比較臨床試験(AI454-152,-158)で,ジダノシンカプセル剤/サニルブジン/ネルフィナビル併用群の安全性解析対象例324例中,289例(89.2%)に有害事象(薬剤の因果関係に関わりなく発現した症状)が認められ,その主な有害事象及び臨床検査値異常は,下痢(59.3%),感染症(48.8%),悪心・嘔吐(27.5%),末梢神経障害(27.2%),頭痛(20.1%),無力症(18.2%),発疹(17.6%),腹痛(16.0%),AST(GOT)の上昇(44.8%),ALT(GPT)の上昇(42.2%)等であった。重篤な副作用として,薬剤(併用した3剤)に関連した膵炎が1例報告されている。

    • <国内の臨床試験>

      総症例427例(承認時65例及び使用成績調査362例)における主な副作用及び臨床検査値異常は,下痢47例(11.0%),アミラーゼ上昇31例(7.3%),肝機能障害29例(6.8%),嘔気23例(5.4%),AST(GOT)の上昇19例(4.5%),ALT(GPT)の上昇17例(4.0%),食欲不振16例(3.8%),しびれ(感)11例(2.6%),肝障害及びγ-GTP上昇10例(2.3%)であった。

  • 本項は,ジダノシンの他の製剤で認められる有害事象がカプセル剤でも同様に認められる可能性が高いので,ジダノシンの錠剤及びドライシロップ剤の国内及び海外臨床試験において問題となった副作用について記載する。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 膵炎(頻度不明)

    膵炎があらわれることがあるので,血清アミラーゼ,血清リパーゼ,トリグリセライド等の生化学的検査を定期的に行うこと。これらの検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 乳酸アシドーシス(0.2%)

    乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 肝障害,門脈圧亢進症(非肝硬変性も含む)

    重度の脂肪肝を伴う肝腫,重篤な肝障害(0.5%),門脈圧亢進症(非肝硬変性も含む)(頻度不明)があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 網膜色素脱失・視神経炎(頻度不明)

    網膜色素脱失・視神経炎があらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 発作・痙攣(0.2%),錯乱(頻度不明)

    発作・痙攣,錯乱があらわれることがある。

  • ミオパシー(頻度不明)

    ミオパシーがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 低換気症(頻度不明)

    低換気症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • アナフィラキシー様反応(頻度不明)

    アナフィラキシー様反応があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

    皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 急性腎不全(頻度不明)

    急性腎不全があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 汎血球減少症(0.2%)

    汎血球減少症があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 横紋筋融解(頻度不明)

    横紋筋融解があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 脳血管障害・脳出血(頻度不明)

    脳血管障害・脳出血があらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上又は頻度不明 1〜5%未満 1%未満
精神神経系 末梢神経障害注)(末端のしびれ,刺痛感,四肢の疼痛等) 頭痛,不眠,抑うつ,疼痛,めまい,神経過敏,運動障害,嗜眠,不安感,緊張亢進,思考異常
消化器 下痢,悪心,血清アミラーゼ上昇 食欲不振 腹痛,嘔吐,便秘,口内炎,口渇,メレナ,食欲亢進,耳下腺腫大,唾液腺炎,消化不良,胃腸障害,鼓腸放屁,腹部膨満感
肝臓 AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇,γ-GTP上昇 ビリルビン上昇
腎臓 頻尿,尿蛋白,尿潜血,血尿
循環器系 血管拡張,不整脈,血管炎,高血圧
血液 貧血,血小板減少 顆粒球減少,出血傾向,好酸球増多
全身症状 倦怠感 悪寒・発熱,無力症,体重減少,脱水症,インフルエンザ様症候群,全身浮腫
筋骨格 関節痛 筋肉痛,関節炎,筋萎縮,筋力喪失
皮膚 発疹注)そう痒感注),紅斑注),湿疹,膿痂疹,脱毛
呼吸器 呼吸困難,喘息,うっ血,咳
代謝異常 体脂肪の再分布/蓄積(胸部,体幹部の脂肪増加,末梢部の脂肪減少,野牛肩) 尿酸上昇 糖尿病,低血糖,高血糖,CK(CPK)上昇,高脂血症
感覚器 味覚異常,耳痛,難聴,視力障害(羞明,斜視),眼の乾燥
その他 成育不全
  • *:頻度不明

  • 注):発現した場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

薬価

ヴァイデックスECカプセル125 948.2円/カプセル
ヴァイデックスECカプセル200 1393.4円/カプセル

評価サマリー

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