ゼリットカプセル15 他

抗ウイルス化学療法剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 サニルブジン
製造/販売 ブリストル・マイヤーズスクイブ
剤形/規格
  • ゼリットカプセル15
  • ゼリットカプセル20

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警告

  • 本剤の投与を受けた患者で,急性の四肢の筋脱力,腱反射消失,歩行困難,呼吸困難等ギラン・バレー症候群に類似した経過及び症状が認められており,これらの多くの症例は乳酸アシドーシス発現例に認められ,死亡例の報告もある。本剤投与中は,全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難等の乳酸アシドーシスが疑われる症状,あるいはギラン・バレー症候群に類似した症状に注意し,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 末梢神経障害があらわれることがあるので,四肢のしびれ・刺痛感・疼痛等の症状が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

禁忌

  • 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・容量

  • 通常成人には,サニルブジンとして以下の用量を1日2回12時間毎に経口投与する。

    • 体重60kg以上

      1回40mg

    • 体重60kg未満

      1回30mg

  • 投与に際しては,必ず他の抗HIV薬と併用すること。

  • なお,患者の腎機能により減量を考慮する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤の使用に際しては患者又はそれに代わる適切な者に,次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。

    • 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体的状況の変化については,すべて担当医に報告すること。

    • 乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難,四肢の筋脱力,歩行困難等の症状があらわれた場合には,直ちに担当医に報告すること。

    • 末梢神経障害(四肢のしびれ・刺痛感・疼痛等)があらわれることがあり,その発症は投与量に相関していると考えられるので,処方された用量を守ること。また,四肢のしびれ・刺痛感・疼痛等の症状があらわれた場合には,直ちに担当医に報告すること。

    • 膵炎があらわれ重篤な転帰をとることがあるので,腹痛,悪心・嘔吐の症状があらわれた場合には,直ちに担当医に報告すること。

    • 本剤の長期投与により脂肪組織萎縮症,後天性リポジストロフィー等の発現リスクが上昇すること。

  • 乳酸アシドーシスがあらわれることがある。全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難,四肢の筋脱力,腱反射消失,歩行困難等が認められた場合には,乳酸アシドーシスを考慮し,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に,ギラン・バレー症候群に類似した上行性の神経筋脱力本剤に特徴的な症状であるので注意すること。また,乳酸アシドーシスの症例において,重度の脂肪肝を伴う肝腫大が報告されている。
    なお,複数の妊婦において本剤とジダノシンとの併用投与による致死性の乳酸アシドーシスが報告されているので,妊娠期間中の本剤とジダノシンの併用投与は,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 膵炎があらわれることがあるので,定期的に血清アミラーゼ,血清リパーゼ等の生化学的検査を行うなど,患者の状態を十分に観察し,慎重に投与すること。これらの検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また,腹痛,悪心・嘔吐等の膵炎の発症を示唆する臨床症状がみられた場合には直ちに投与を中止し,生化学的検査(血清アミラーゼ,血清リパーゼ等)及び画像診断等による観察を行うこと。

  • 抗HIV薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがある。本剤は,他のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(テノホビル,アバカビル)に比べ脂肪組織萎縮症や後天性リポジストロフィーの発現が多く,その発現と重症度は投与期間に相関しているとの報告がある。また,一旦発症すると本剤から他のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(テノホビル,アバカビル)に切り替えても改善しない場合があるので,本剤の投与にあたっては,リスクとベネフィットを十分に勘案し,代替の抗HIV薬を慎重に検討すること。また,体脂肪の再分布/蓄積の徴候を判定するための検査を行うなど,脂肪組織萎縮症や後天性リポジストロフィーの徴候に十分注意するとともに,身体状態の変化について定期的に問診すること。

  • 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。

慎重投与

  • 末梢神経障害又はその既往歴のある患者[症状を増悪又は再発させるおそれがある。](〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)

  • 肝障害のある患者[症状を増悪させるおそれがある。]

  • 腎障害のある患者(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)

  • 膵炎又はその既往歴のある患者[症状を増悪又は再発させるおそれがある。]

過量投与

  • 成人に長期に過量投与した際,末梢神経障害及び肝機能障害が発現したとの報告がある。サニルブジンは血液透析により除去することができる。

その他の注意

  • 変異原性試験(染色体異常試験及び小核試験)において変異原性を示したとの報告がある。

  • 本剤とヒドロキシウレアが併用されたHIV感染患者で,死亡を含む重篤な膵炎,肝障害及び高度の末梢神経障害が発現したとの報告がある。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジドブジン 細胞内において本剤の活性代謝物であるサニルブジン三リン酸が減少し,本剤の効果が減弱するとの報告があるので,本剤とジドブジンとの併用療法は避けることが望ましい。 ジドブジンが細胞内における本剤のリン酸化を抑制することが考えられている。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 〈国内の臨床試験〉

    日本国内におけるHIV感染症例を対象とした臨床第I/II相試験において,安全性解析対象80例中副作用が報告されたのは,51例(63.8%)で,主な副作用はLDH上昇(22.5%),AST(GOT)上昇(16.3%),ALT(GPT)上昇(16.3%),貧血(8.8%),悪心・嘔吐(7.5%),食欲不振(7.5%),高脂血症(中性脂肪上昇等)(7.5%),CK(CPK)上昇(7.5%)等であった。重篤な副作用として,本剤との関連性を完全には否定できない尿細管性アシドーシスによる急性腎不全に起因する死亡例が1例報告されている。
    国内の拡大臨床試験において,安全性解析対象80例中副作用が報告されたのは,18例(22.5%)で,主な副作用は悪心・嘔吐(3.8%),γ-GTP上昇(3.8%)等であった。

  • 〈使用成績調査〉

    使用成績調査の安全性集計対象症例1,853例中の副作用発現率は56.4%であり,主な副作用は,高脂血症(20.5%),肝機能障害(11.0%),末梢神経障害(8.9%),下痢(7.6%),体脂肪の再分布・蓄積(7.3%),尿酸上昇(5.4%),高乳酸血症(4.5%),γ-GTP上昇(4.3%),悪心(4.0%)等であった。
    また,1,853例中949例(51.2%)が2年を超えて投与され,長期投与に伴う副作用の発現状況に変化は認められなかった。なお,海外において,本剤の長期投与により脂肪組織萎縮症,後天性リポジストロフィー等の発現リスクが上昇するとの報告がある。

  • 〈海外の臨床試験〉

    • 米国におけるHIV感染症例を対象とした第II相試験(AI455-006試験用量0.1,0.5及び2.0mg/kg/日)において,WHO分類のグレードIII又はIVの副作用が152例中89例(58.6%)に認められた。そのうち減量又は中止を必要とする末梢神経障害は,0.1,0.5及び2.0mg/kg/日でそれぞれ51例中3例(5.9%),53例中9例(17.0%)及び48例中15例(31.3%)発現した。その他の主な副作用は,うつ病(5.9%),頭痛(4.6%),悪寒・発熱(4.6%),無力症(3.9%),筋肉痛(3.3%),下痢(2.6%),発疹(2.6%)等が認められた。また,グレードIII又はIVの臨床検査値異常はヘモグロビン減少(2.6%),好中球減少(5.3%),血小板減少(3.3%),AST(GOT)上昇(9.2%)及びALT(GPT)上昇(7.9%)等であった。(*:承認外用量)

    • また,ジドブジンを6ヵ月以上投与された症例822例を対象に,本剤に切り替えた群とジドブジンを継続して投与した群を比較した第III相二重盲検比較試験(AI455-019試験)で報告されたサニルブジンを投与された412例中の主な有害事象(本剤との因果関係に関わりなく発現した症状)は,感染(72.1%),頭痛(53.9%),悪寒・発熱(50.2%),無力症(34.7%),腹痛(34.2%),疼痛(20.6%),倦怠感(20.4%),下痢(50.0%),悪心・嘔吐(38.8%),リンパ節症(19.9%),筋肉痛(32.0%),関節痛(22.6%),減量又は中止を必要とする末梢神経障害(13.6%),不眠(29.4%),うつ病(24.0%),不安(21.8%),鼻炎(48.1%),咳(47.3%),咽頭炎(29.9%),発疹(40.0%),アミラーゼ上昇(23.2%)等であった。

    • FDAのParallel trackガイドラインに従った大規模拡大試験[AI455-900試験:40mg/日(体重60kg未満は30mg/日)及び80mg/日(体重60kg未満は60mg/日)]において,重篤な有害事象(本剤との因果関係に関わりなく発現した症状)は,11,784例中6,242例(53.0%)に認められた。主な項目は,感染(28.5%:主に日和見感染),死亡(7.2%),新生物(5.1%:主にKaposi肉腫)等であった。死亡は40mg/日群が455例(7.7%),80mg/日群が397例(6.7%)であった。なお,治療の中止を必要とする末梢神経障害は,1,413例(12.0%)であった。WHO分類のグレードIII又はIVの臨床検査値異常は,ヘモグロビン減少(3.5%),好中球減少(12.4%),血小板減少(4.7%),AST(GOT)上昇(6.2%),ALT(GPT)上昇(10.4%),アルカリフォスファターゼ上昇(4.5%)等であった。

  • 「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は,承認までの国内臨床試験及び使用成績調査2,013例の集計に基づく。海外臨床試験の有害事象については頻度不明とした。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次のような症状があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    • 乳酸アシドーシス

      乳酸アシドーシス(1.5%)があらわれることがあるので,全身倦怠感,悪心・嘔吐,腹痛,急激な体重減少,頻呼吸,呼吸困難,ギラン・バレー症候群に類似した症状(四肢の筋脱力,腱反射消失,歩行困難,呼吸困難等)等に注意すること。また,乳酸アシドーシスの症例において,重度の脂肪肝を伴う肝腫大が報告されている。

    • 末梢神経障害

      四肢のしびれ・刺痛感・疼痛等の末梢神経障害(8.8%)があらわれることがある。

    • 膵炎

      膵炎(0.4%)があらわれることがあるので,血清アミラーゼ,血清リパーゼ等の生化学的検査を定期的に行うこと。

    • 急性腎不全

      尿細管性アシドーシス等による急性腎不全(0.4%)があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

    • 錯乱,失神,痙攣

      錯乱(頻度不明),失神(0.1%未満),痙攣(0.1%未満)があらわれることがある。

    • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

      皮膚粘膜眼症候群(頻度不明)があらわれることがある。

    • 肝機能障害,肝不全

      肝機能障害(10.1%),肝不全(0.2%)があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

その他の副作用

  • 次のような副作用があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。

5%以上又は頻度不明 0.1〜5%未満 0.1%未満
精神神経系 神経過敏,思考異常,自殺企図,運動失調,知覚減退,知覚障害,偏執反応,失語症,歩行異常,薬物依存 めまい,異常感覚,不眠,異常な夢,うつ病,傾眠,筋無力症 知覚過敏,脳症,不安,言語障害
消化器 下痢(7.1%),便秘,鼓腸放屁,大腸炎,食道炎,直腸障害 悪心・嘔吐,食欲不振,消化管障害,口内炎,胃炎,消化不良,胃腸出血 嚥下障害
代謝・栄養 高脂血症(19.1%),体脂肪の再分布/蓄積(後天性リポジストロフィー,脂肪組織萎縮症,胸部,体幹部の脂肪増加,顔面・末梢部の脂肪減少,クッシング様外見,野牛肩)(6.8%) 尿酸上昇,LDH上昇,糖尿病,血清アミラーゼ上昇,高血糖,CK(CPK)上昇,低カリウム血症,糖尿,高カリウム血症 低ナトリウム血症
肝臓 胆嚢炎 γ-GTP上昇,ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇,ビリルビン上昇,Al-P上昇,肝炎,黄疸,脂肪肝,胆石症 ウロビリン尿,肝腫
腎臓 血清クレアチニン上昇,蛋白尿,BUN上昇 頻尿
全身症状 アレルギー反応,膿瘍 感染,倦怠感,発熱,腹痛,新生物(リンパ腫等),頭痛,末梢性浮腫,疼痛,下肢痛 悪寒,背部痛,無力症,インフルエンザ様症候群,浮腫,胸痛
血液・リンパ系 悪性リンパ腫様疾患 貧血,血小板減少,白血球減少,好中球減少,好酸球増多,大赤血球症,ヘモグロビン減少,リンパ球増多,単球増多,リンパ節症 リンパ球減少,好中球増多
筋骨格 筋肉痛,関節痛
呼吸器 肺疾患,気胸,鼻炎,呼吸障害,副鼻腔炎 呼吸困難,咽頭炎,肺炎,気管支炎
皮膚 真菌性皮膚炎,斑状丘疹性皮疹 発疹,そう痒,蕁麻疹,毛嚢炎 皮膚乾燥,紅斑性発疹,発汗
感覚器 耳痛,視力異常,網膜炎,網膜剥離, 味覚異常
その他 末梢性虚血 出血,体重減少 低血圧,脱水

薬価

ゼリットカプセル15 390.8円/カプセル
ゼリットカプセル20 391.8円/カプセル

評価サマリー

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