<同種造血幹細胞移植>
同種造血幹細胞移植患者の感染管理に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに投与すること。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 次の薬剤を投与中の患者
ピモジド、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン、エルゴメトリン[10.1参照]
下記におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制
○同種造血幹細胞移植
通常、成人にはレテルモビルとして480mgを1日1回経口投与する。シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回経口投与する。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者
レテルモビルの血漿中濃度が上昇するおそれがある。[7.4、16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤投与の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、本剤投与による催奇形性等が生じる可能性があることについて、患者に十分説明すること。
妊娠ラット及びウサギの器官形成期に投与したとき、同種造血幹細胞移植患者の臨床曝露量(シクロスポリン併用下での240mg経口投与)のそれぞれ18倍及び2.8倍の母動物毒性を示す用量で骨格奇形、胎児体重の減少等が認められた。妊娠ラットに着床から分娩後まで投与した試験では、臨床曝露量の3.7倍まで胚・胎児毒性は認められなかった。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁移行が認められている
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
動物試験(ラット)において、同種造血幹細胞移植患者の臨床曝露量(シクロスポリン併用下での240mg経口投与)の3倍以上の曝露量で精巣毒性(精細管の変性、精子数の低値、精子の運動性低下、異常精子発現率の増加、受胎能への影響等)が認められた。ラット精巣毒性に対する無毒性量での曝露量は、臨床曝露量と同程度であった。雄マウス及びサルでは、動物における最高用量(臨床曝露量のそれぞれ5.7倍及び3.5倍)まで精巣への影響は認められなかった。第III相試験ではレテルモビルに関連した精巣毒性を示唆する所見は認められなかった。
レテルモビルは有機アニオン輸送ポリペプチド1B1/3(OATP1B1/3)、P-糖蛋白(P-gp)及びUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1/3(UGT1A1/3)の基質である。レテルモビルはCYP3Aの時間依存的な阻害作用、並びに乳癌耐性蛋白(BCRP)及びOATP1B1/3の阻害作用を有する。また、レテルモビルはCYP2C9及びCYP2C19の誘導作用を有する可能性がある。[16.7.1参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ピモジド(オーラップ)[2.2参照] | 併用により、ピモジドの血漿中濃度が上昇し、QT延長及び心室性不整脈を引き起こすおそれがある。 | レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)ジヒドロエルゴタミンメチルエルゴメトリン(パルタンM)エルゴメトリン[2.2参照] | 併用により、これら麦角アルカロイドの血漿中濃度が上昇し、麦角中毒を引き起こすおそれがある。 | レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3Aの基質フェンタニルキニジンミダゾラム等[16.7.2参照] | 併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。 | レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ボリコナゾール[16.7.2参照] | 併用により、ボリコナゾールの血漿中濃度が低下する。併用時は、ボリコナゾールの治療効果を減弱させるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察することが推奨される。 | レテルモビルの併用により、CYP2C9及びCYP2C19が誘導されると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C9又はCYP2C19の基質フェニトインワルファリン等 | 併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。フェニトインとの併用時は、血中フェニトイン濃度を頻繁にモニタリングすること。ワルファリンとの併用時は、INRを頻繁にモニタリングすること。 | レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン[16.7.2参照] | 併用により、レテルモビルの血漿中濃度が低下する。また、リファンピシンとの併用終了翌日に単独投与したレテルモビルの血漿中濃度がさらに低下するので、リファンピシンとの併用終了後、レテルモビルの有効性が減弱する可能性がある。 | リファンピシンの併用により、P-gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アトルバスタチン[16.7.2参照] | 併用により、アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇する。併用時は、アトルバスタチンの副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。 | レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シンバスタチン | 併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。 | レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ロスバスタチンフルバスタチン | 併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。 | レテルモビルの併用により、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プラバスタチンピタバスタチン | 併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること。 | レテルモビルの併用により、OATP1B1/3が阻害されると予測される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン[16.7.2参照] | 併用により、レテルモビル及びシクロスポリンの血中濃度が上昇する。レテルモビルとの併用時及び中止時には、シクロスポリンの血中濃度を頻繁にモニタリングし、シクロスポリンの用量を調節すること。 | レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害される。シクロスポリンの併用により、OATP1B1/3が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| タクロリムスシロリムス[16.7.2参照] | 併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する。レテルモビルとの併用時及び中止時には、これらの薬剤の血中濃度を頻繁にモニタリングし、これらの薬剤の用量を調節すること。 | レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エベロリムス[16.7.3参照] | 併用により、エベロリムスの血中濃度が上昇するおそれがある。レテルモビルとの併用時及び中止時には、エベロリムスの血中濃度を頻繁にモニタリングし、エベロリムスの用量を調節すること。 | レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
| 1%以上5%未満 | 1%未満 | |
| 胃腸障害 | 悪心、下痢、嘔吐 | |
| 免疫系障害 | 過敏症 | |
プレバイミス錠240mg 14645.5円/錠
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