スタリビルド配合錠

抗ウイルス化学療法剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 エムトリシタビン エルビテグラビル コビシスタット テノホビルジソプロキシルフマル酸塩
製造/販売 ギリアド・サイエンシズ
剤形/規格
  • スタリビルド配合錠

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警告

  • B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.1参照]

禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 次の薬剤を投与中の患者:カルバマゼピン,フェノバルビタール,フェニトイン,ホスフェニトイン,リファンピシン,セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩,エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン,エルゴメトリンマレイン酸塩,メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,アスナプレビル,バニプレビル,シンバスタチン,ピモジド,シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ),バルデナフィル塩酸塩水和物,タダラフィル(アドシルカ),ブロナンセリン,アゼルニジピン,リバーロキサバン,トリアゾラム,ミダゾラム,ロミタピドメシル酸塩[10.1,16.7参照]

  • 2.3 腎機能又は肝機能障害がありコルヒチンを投与中の患者[9.2.1,9.3.1,10.2参照]

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・容量

  • 通常,成人には1回1錠(エルビテグラビルとして150mg,コビシスタットとして150mg,エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として300mgを含有)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 本剤の使用に際しては,国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。

    • 8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。

    • 8.1.2 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。

    • 8.1.3 抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は,性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが,その危険性を完全に排除することはできないこと。

    • 8.1.4 抗HIV療法が,血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。

    • 8.1.5 担当医の指示なしに用量を変更したり,服用を中止したりしないこと。

    • 8.1.6 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため,服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また,本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合,事前に担当医に相談すること。

  • 8.2 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。

  • 8.3 本剤投与前にクレアチニンクリアランス,尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。クレアチニンクリアランスが70mL/min以上であることを確認すること。また,本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること。[7.4,9.2.2,10.2,11.1.1,15.1,16.6.1参照]

  • 8.4 テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において,骨粗鬆症が現れ,大腿骨頚部等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の試験において,144週間の投与により腰椎と大腿骨頚部の骨密度の減少が見られている。骨密度の減少した患者の大部分は,投与開始後24〜48週目にかけて発現し,以降は144週目まで持続していた。

  • 8.5 アジア系人種におけるエムトリシタビンの薬物動態は十分に検討されていないが,少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において,Cmaxの上昇を示唆する成績が得られているので,HBV感染症合併患者を含め,副作用の発現に注意すること。

  • 8.6 エムトリシタビン製剤の試験において皮膚変色が発現し,その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者

      • 本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合,重症化するおそれがある。[1.参照]

    • 9.1.2 腎機能障害のリスクを有する患者

      • 血清リンの検査を実施すること。

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 腎機能障害がありコルヒチンを投与中の患者

      • 投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇する可能性がある。[2.3,10.2参照]

    • 9.2.2 中等度及び重度の腎機能障害のある患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)

      • エムトリシタビン及びテノホビルの血中濃度が上昇する。[7.4,8.3,10.2,11.1.1,15.1,16.6.1参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 肝機能障害がありコルヒチンを投与中の患者

      • 投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇する可能性がある。[2.3,10.2参照]

    • 9.3.2 重度の肝機能障害のある患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)

      • エルビテグラビルの血中濃度が上昇する可能性がある。[16.6.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,投与しないことが望ましい。本剤投与中に妊娠が判明した場合の代替薬への変更は,変更によるリスクを考慮した上で適切な時期に実施すること。妊娠中期及び妊娠後期の妊婦に本剤を投与したとき,出産後と比較しエルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度低下が認められている。[16.6.3参照]動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳を避けさせること。テノホビル及びエムトリシタビンのヒト乳汁への移行が報告されている。なお,エルビテグラビル及びコビシスタットのヒト乳汁への移行は不明である。動物実験(ラット)においてエルビテグラビル,コビシスタット及びテノホビルの乳汁への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。[5.3参照]

  • 9.8 高齢者

    • 患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

過量投与

  • 13.1 処置

    • エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される。エルビテグラビル及びコビシスタットは血漿蛋白との結合率が高いため,血液透析又は腹膜透析による除去は有用ではないと考えられる。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 健康被験者あるいは軽度から中等度の腎機能障害を有する被験者の腎機能(GFR)に及ぼすコビシスタットの影響を検討した。イオヘキソールクリアランスは変化がなかったが,血清クレアチニン値を用いた推算クレアチニンクリアランス及び24時間内因性クレアチニンクリアランスはプラセボに比べ最大で約28%低下した。なお,健康被験者で腎血漿流量を測定したところ,変化はなかった。[7.4,8.3,9.2.2,10.2,11.1.1,16.6.1参照]

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のマウスを用いたがん原性試験(2年間)において,臨床用量におけるヒトの全身曝露量の10倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。

取扱上の注意

  • 開栓後は,湿気を避けて保存すること。

相互作用

相互作用序文

  • エルビテグラビル

    • CYP3Aで代謝される

  • コビシスタット

    • CYP3A及び一部がCYP2D6で代謝され,CYP3A及びCYP2D6を阻害する。また,P-gpを阻害する

  • テノホビル及びエムトリシタビン

    • 糸球体ろ過と能動的な尿細管分泌により腎排泄される

薬物代謝酵素用語

CYP3A

薬物代謝酵素用語

CYP2D6

薬物代謝酵素用語

P-gp

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルバマゼピン(テグレトール等)フェノバルビタール(フェノバール等)フェニトイン(アレビアチン等)ホスフェニトイン(ホストイン)リファンピシン(リファジン等)セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[2.2,16.7参照] エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。 これら薬剤のCYP3A及びP-gpの誘導作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)エルゴメトリンマレイン酸塩メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン)[2.2参照] これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(末梢血管攣縮,四肢及びその他組織の虚血等)が起こる可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アスナプレビル(スンベプラ)[2.2参照] アスナプレビルの血中濃度が上昇し,肝臓に関連した有害事象が発現し,また重症化する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バニプレビル(バニヘップ)[2.2参照] バニプレビルの血中濃度が上昇し,悪心,嘔吐,下痢の発現が増加する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シンバスタチン(リポバス)[2.2参照] シンバスタチンの血中濃度が上昇し,重篤な有害事象(横紋筋融解症を含むミオパチー等)が起こる可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピモジド(オーラップ)[2.2参照] ピモジドの血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(不整脈等)が起こる可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ)バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)タダラフィル(アドシルカ)[2.2,10.2参照] これら薬剤の血中濃度が上昇し,視覚障害,低血圧,持続勃起及び失神等の有害事象が起こる可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ブロナンセリン(ロナセン)アゼルニジピン(カルブロック)リバーロキサバン(イグザレルト)[2.2参照] これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
トリアゾラム(ハルシオン)ミダゾラム(ドルミカム)[2.2参照] これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(鎮静作用の延長や増強又は呼吸抑制等)が起こる可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)[2.2参照] ロミタピドの血中濃度が著しく上昇する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アミオダロン塩酸塩ベプリジル塩酸塩水和物ジソピラミドリドカイン塩酸塩プロパフェノン塩酸塩キニジン硫酸塩水和物 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の血中濃度をモニタリングすることが望ましい。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリンタクロリムス水和物テムシロリムス[16.7参照] これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の血中濃度をモニタリングすることが望ましい。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クロナゼパムエトスクシミド これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察することが望ましい。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アムロジピンベシル酸塩ジルチアゼム塩酸塩フェロジピンニカルジピン塩酸塩ニフェジピンベラパミル塩酸塩 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察することが望ましい。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
パロキセチン塩酸塩水和物アミトリプチリン塩酸塩イミプラミン塩酸塩ノルトリプチリン塩酸塩トラゾドン塩酸塩 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用時にこれら薬剤を増量する場合は慎重に行い,患者の状態を注意して観察することが望ましい。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
コルヒチン[2.3,9.2.1,9.3.1参照] コルヒチンの血中濃度が上昇する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルチカゾンプロピオン酸エステル(吸入剤,点鼻剤) フルチカゾンの血中濃度が上昇し,血清コルチゾール濃度が低下する可能性がある。長期間併用する場合は,他剤への変更を考慮すること。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アトルバスタチンカルシウム水和物 アトルバスタチンの血中濃度が上昇する可能性がある。アトルバスタチンカルシウム水和物と併用する場合は,最少量から投与し,安全性を観察しながら増量すること。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
サルメテロールキシナホ酸塩 サルメテロールの血中濃度が上昇し,QT延長,動悸及び洞性頻脈等の心血管系有害事象の発現リスクが上昇する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ)タダラフィル(シアリス,ザルティア)[10.1参照] これら薬剤の血中濃度が上昇し,低血圧,失神,視覚障害及び持続勃起等の有害事象が増加する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クロラゼプ酸二カリウムジアゼパムエスタゾラムフルラゼパム塩酸塩ゾルピデム酒石酸塩 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の減量を考慮すること。また,患者の状態を注意して観察することが望ましい。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ボセンタン水和物 ボセンタンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,ボセンタン水和物の減量を考慮すること。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ダサチニブ水和物ラパチニブトシル酸塩水和物エベロリムスブデソニドエプレレノントルバプタンエレトリプタン臭化水素酸塩クエチアピンフマル酸塩 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
デキサメタゾン エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。 デキサメタゾンのCYP3A誘導作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クラリスロマイシン クラリスロマイシン及びコビシスタットの血中濃度が上昇する可能性がある。 クラリスロマイシン及びコビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
イトラコナゾールボリコナゾール エルビテグラビル,コビシスタット及びこれら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 これら薬剤及びコビシスタットのCYP3A等阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フレカイニド酢酸塩メキシレチン塩酸塩 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の血中濃度をモニタリングすることが望ましい。 コビシスタットのCYP2D6阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ペルフェナジン これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これら薬剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察し,減量等の措置を考慮すること。 コビシスタットのCYP2D6阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メトプロロール酒石酸塩チモロールマレイン酸塩 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これら薬剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察し,減量等の措置を考慮すること。 コビシスタットのCYP2D6阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リスペリドン リスペリドンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,リスペリドンの減量を考慮すること。 コビシスタットのCYP3A及びCYP2D6阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
酒石酸トルテロジンデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A及びCYP2D6阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
多価陽イオン(Mg,Al,Ca,Fe,Zn等)含有経口製剤マグネシウム・アルミニウム含有制酸剤マグネシウム含有下剤スクラルファート水和物 等[16.7参照] エルビテグラビルの血中濃度が低下する可能性があるため,2時間以上間隔をあけて投与することが望ましい。 エルビテグラビルが多価陽イオンと錯体(キレート)を形成し吸収が抑制されるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシン[16.7参照] ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい。 コビシスタットが消化管においてP-gpを阻害するため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファブチン[16.7参照] エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。また,リファブチンの活性代謝物である25-脱アセチル体の血中濃度が上昇する可能性がある。 リファブチンのCYP3A及びP-gp誘導作用,及びコビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アシクロビルバラシクロビル塩酸塩ガンシクロビルバルガンシクロビル塩酸塩 これら薬剤,テノホビル又はエムトリシタビンの血中濃度が上昇し,これら薬剤又は本剤による有害事象を増強する可能性がある。 尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により排泄が遅延するため。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
レジパスビル・ソホスブビル[16.7参照] 本剤による有害事象を増強するおそれがある。 機序不明。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エチニルエストラジオール[16.7参照] エチニルエストラジオールの血中濃度が低下する可能性がある。 機序不明。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ワルファリンカリウム ワルファリンの血中濃度が変動する可能性があるためINRのモニタリングを行うことが望ましい。 機序不明。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
腎毒性を有する薬剤[7.4,8.3,9.2.2,11.1.1,15.1,16.6.1参照] 併用は避けることが望ましい。 腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 腎不全又は重度の腎機能障害(1%未満)

    • 腎機能不全,腎不全,急性腎障害,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害が現れることがあるので,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。[7.4,8.3,9.2.2,10.2,15.1,16.6.1参照]

  • 11.1.2 膵炎(頻度不明)

    • 血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。

  • 11.1.3 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明)

    • 乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。エムトリシタビン又はテノホビルを含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されている。

その他の副作用

  • 次の副作用が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上 2%未満
代謝及び栄養障害 脂質異常症,食欲減退,食欲亢進,アルコール不耐性,インスリン抵抗性,ビタミンD欠乏,耐糖能障害,低リン酸血症,体脂肪の再分布/蓄積
精神障害 異常な夢,不眠症 気分変調性障害,うつ病,不安,リビドー消失,自殺企図,パニック発作,妄想症,ストレス
神経系障害 頭痛,浮動性めまい 傾眠,味覚異常,注意力障害,錯感覚,感覚鈍麻,記憶障害,運動失調,協調運動異常,嗅覚錯誤,認知障害,筋緊張亢進
眼障害 黄疸眼,眼瞼痙攣,眼乾燥,流涙増加,視力障害,眼そう痒症
胃腸障害 悪心,下痢 放屁,胃腸障害,腹部膨満,嘔吐,腹痛,便秘,口内乾燥,胃食道逆流性疾患,口の感覚鈍麻,口唇炎,嚥下障害,肛門周囲痛,流涎過多,舌障害,おくび,耳下腺腫大
皮膚及び皮下組織障害 発疹,全身性そう痒症,寝汗,皮膚炎,多汗症,脱毛症,剥脱性皮膚炎,皮膚疼痛,光線過敏性反応,皮膚色素過剰,好酸球性膿疱性毛包炎,ざ瘡,皮膚灼熱感
筋骨格系及び結合組織障害 筋骨格痛,関節痛,骨粗鬆症,顎関節症候群,四肢不快感,筋痙縮,筋骨格不快感
腎及び尿路障害 蛋白尿,血尿,頻尿,腎結石症,腎仙痛,結晶尿,糖尿
一般・全身障害及び投与部位の状態 疲労 無力症,異常感,熱感,発熱,空腹,疼痛,末梢腫脹,胸痛,悪寒,宿酔,インフルエンザ様疾患
臨床検査 血中クレアチニン増加,肝機能検査異常,アミラーゼ増加,リパーゼ増加,血中クレアチンホスホキナーゼ増加,糸球体濾過率異常,低比重リポ蛋白増加,体重減少,血中アルカリホスファターゼ増加,尿中結晶陽性,体重増加
その他 鼻炎,胃腸炎,ウイルス感染,バーキットリンパ腫,ホジキン病,肛門性器疣贅,好中球減少症,薬物過敏症,甲状腺機能低下症,回転性めまい,右脚ブロック,頻脈,高血圧,しゃっくり,中毒性肝炎,勃起不全,月経困難症,不規則月経,挫傷,腰椎骨折

薬価

スタリビルド配合錠 7046.9円/錠

評価サマリー

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