血漿分画製剤(乾燥濃縮人アンチトロンビンIII製剤)
一般名 |
乾燥濃縮人アンチトロンビンIII
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製造/販売 | KMバイオロジクス / CSLベーリング |
剤形/規格 |
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本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向
アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)
本剤を添付の注射用水で溶解し、緩徐に静注もしくは点滴静注する。
先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向 | 本剤1日1,000〜3,000国際単位(又は20〜60国際単位/kg)を投与する。 なお、年齢、症状により適宜減量する。 |
アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC) | アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下した場合は、通常成人に対し、ヘパリンの持続点滴静注のもとに、本剤1日1,500国際単位(又は30国際単位/kg)を投与する。 ただし、産科的、外科的DICなどで緊急処置として本剤を使用する場合は、1日1回40〜60国際単位/kgを投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。 |
[患者への説明]
本剤の使用にあたっては疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している。さらに、HBV、HCV及びHIVについては個別の試験血漿で、HAV及びヒトパルボウイルスB19についてはプールした試験血漿で核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。
その後の製造工程である60℃、10時間液状加熱処理及びウイルス除去膜処理は、HIVをはじめとする各種ウイルス除去・不活化効果を有することが確認されているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分に行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
ショック等の重篤な副作用を起こすことがあるので、使用にあたっては、経過を十分観察すること。
本剤を、緊急措置以外にDICの治療に使用する場合にあたっては、患者のアンチトロンビンIII値が正常の70%以下に低下している場合においても、本剤の投与が医療上必要であると判断されたときに使用すること。
本剤の使用にあたっては、少なくとも2日以上使用してその効果を判定し、使用の継続を判断すること。
溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。]
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]
調製時
他剤との混合注射は避けることが望ましい。
本剤は、溶解後ただちに使用すること。
一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
投与時
溶解時に著しい沈殿の認められるものは投与しないこと。
溶解した液をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生することがある。投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認すること。浮遊物が認められた場合には投与しないこと。
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、使用日から少なくとも20年間保存すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
抗凝固剤トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)製剤等 | 本剤の作用が増強するおそれがある。 | 併用により、抗凝固作用が相加的に作用する。 |
延べ10,126例中、35例(0.35%)に49件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。(再審査終了時)
主な副作用は、胸部不快感5件(0.05%)、AST(GOT)上昇5件(0.05%)、ALT(GPT)上昇4件(0.04%)、悪寒2件(0.02%)、発熱2件(0.02%)、好酸球増多2件(0.02%)、蕁麻疹、発疹、嘔気・嘔吐、頭痛各1件(0.01%)であった。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
0.1%未満 | |
過敏症 注) | 発疹、蕁麻疹等 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等 |
消化器 | 嘔気・嘔吐 |
その他 | 悪寒、発熱、頭痛、胸部不快感、好酸球増多 |
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
アンスロビンP500注射用 21098円/瓶
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