○悪性腫瘍の診断
・肺癌,乳癌
(他の検査,画像診断により癌の存在を疑うが,病理診断により確定診断が得られない場合,あるいは,他の検査,画像診断により病期診断,転移・再発の診断が確定できない場合)の診断
・頭頸部癌,
大腸癌,
(他の検査,画像診断により病期診断,転移・再発の診断が確定できない場合)の診断
・脳腫瘍
(他の検査,画像診断により転移・再発の診断が確定できない場合)の診断
・原発不明癌(リンパ節生検,CT等で転移巣が疑われ,かつ,腫瘍マーカーが高値を示す等,悪性腫瘍の存在を疑うが,原発巣の不明な場合)の診断
○虚血性心疾患(左室機能が低下している虚血性心疾患による心不全患者で,心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされ,かつ,通常の心筋血流シンチグラフィで判定困難な場合)の診断
○難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる場合の脳グルコース代謝異常領域の診断
○大型血管炎の診断における炎症部位の可視化
通常,成人には本剤1バイアルを静脈内に投与し撮像する。投与量(放射能)は,年齢,体重により適宜増減するが,最小74MBq,最大370MBqまでとする。
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。
9.5 妊婦
診断上やむを得ないと判断される場合を除き,投与しないこと。動物試験において胎児移行性が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。授乳婦に投与した場合,24時間授乳を中止し投与後12時間は乳幼児との密接な接触を避けるよう指導すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
本剤は複数の包装単位を有する製剤であることから,本剤の取り違い防止のため,投与にあたっては本剤の製剤ラベルの表示を確認し,意図した患者へ確実に投与すること。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤の生理的集積の増加を避けるため,本剤投与前から撮像前は安静にして,投与後も激しい運動等は行わないこと。
なお,血糖値200mg/dL以上では,本剤の患部への集積の低下により偽陰性所見を呈する可能性が高いため,投与しないことが望ましい。
14.3 薬剤投与後の注意
膀胱部の被曝を軽減させるため及び骨盤部読影の妨げとなる膀胱の描出を避けるため,撮像前後にできるだけ排尿させること。
14.4 診断上の注意
<効能共通>
本剤の生理的集積及び病変部位の解剖学的位置を正確に把握するためには,他の画像検査所見を参考にすること。
確定診断が必要な場合,生検等を実施することが望ましい。
<悪性腫瘍の診断>
本剤は炎症等に集積し偽陽性所見を呈する可能性があるため,注意すること
。
微小な腫瘍を検出できない可能性があるため,注意すること。
悪性黒色腫の診断において,所属リンパ節転移に対する本剤の感度は低いため,所属リンパ節転移の見落としに注意すること。
<虚血性心疾患の診断>
心筋バイアビリティ診断において絶食する場合,健常部心筋への本剤の集積が抑制されない例があり,虚血心筋(糖代謝が亢進している)との鑑別に注意を要することがある。
本剤の使用に際し,医療法その他の放射線防護に関する法令を遵守すること。
特に以下の事項に留意すること。
・医療法施行規則に基づく陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の届出を行うこと。
・他の診療用放射性同位元素と同様に,記録を作成し保存すること。
その他,関連する告示,通知等の規定に従い,適正に使用すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
膵臓ホルモンインスリン | 本剤投与前4時間以内のインスリンの投与は避けること。 | 本剤の腫瘍への集積とバックグラウンドとのコントラストが低下する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1〜2%未満 | 0.1〜1%未満 | 頻度不明 | |
血液 | − | 好中球百分率増加,リンパ球百分率減少 | − |
腎臓 | 尿蛋白陽性,尿潜血陽性,尿糖陽性 | 血中尿素窒素増加 | − |
肝臓 | − | 血中ビリルビン増加 | − |
皮膚 | − | そう痒感,蕁麻疹 | 発疹,紅斑,発赤 |
消化器 | − | 嘔気,嘔吐 | − |
その他 | − | 血圧上昇,血圧低下,気分不良,発熱,血中カリウム増加,血中カリウム減少,血中アルブミン減少 | − |
頻度は製造販売後臨床試験を含む
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