本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法,放射線治療及び緩和医療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に危険性及び有効性を十分説明し,同意を得てから投与すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
本剤による骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例が認められている。本剤の投与にあたっては,がん化学療法の前治療歴及び血液検査により,骨髄機能を評価し,慎重に患者を選択すること。また,本剤の投与後は定期的に血液検査を行い,骨髄抑制について確認すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
重篤な骨髄抑制のある患者[本剤投与により重篤な骨髄抑制が増強される可能性がある。](「重要な基本的注意」の項参照)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[本剤投与による胎児への放射線の影響が発現する可能性がある。](「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
固形癌患者における骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和
通常,成人には1回2.0MBq/kgを静注するが,最大141MBqまでとする。反復投与をする場合には,投与間隔は少なくとも3ヵ月以上とする。
骨髄抑制等の重篤な副作用が起こり死亡に至るおそれがあるため,本剤の投与前には,がん化学療法の前治療歴及び血液検査により,骨髄機能を確認すること。また,投与後も定期的に血液検査を行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
本剤の疼痛緩和効果は緩徐に発現するため,疼痛緩和を目的として本剤を使用する臨床的意義を慎重に検討した上で患者選択を行うこと。
骨髄抑制をもたらす抗悪性腫瘍剤又は外部放射線照射による原疾患に対する治療を行っている患者,又は治療を予定している患者に対する本剤の使用は,原疾患に対する治療が施行できなくなる場合があるので,慎重に患者選択を行うこと。
本剤投与後に一過性に疼痛が増強することがあるので,患者又はその家族に疼痛増強の可能性があることを十分に説明すること。
骨髄抑制のある患者[骨髄抑制を増悪させるおそれがある。]
感染症を合併している患者[骨髄抑制により,感染症が悪化するおそれがある。]
腎障害のある患者[腎機能の低下により,副作用が強くあらわれるおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
投与経路
緩徐に(1〜2分かけて),直接静脈内に投与すること。
投与時
他剤との混注を行わないこと。
本剤は保存剤を含まないので,分割使用しないこと。
動物実験(ラット,反復腹腔内投与)で骨腫瘍が認められたとの報告がある
本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知(患者退出等を含む)等を遵守し,適正に使用すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルシウム剤 | 本剤の効果が減弱するおそれがある。 | ストロンチウム-89の骨転移部への集積に過剰なカルシウムが競合する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗悪性腫瘍剤 | 骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。 | ともに骨髄抑制作用を有する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 外部放射線照射 | 骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。 | ともに骨髄抑制作用を有する。 |
主な副作用(頻度5%以上)は,血小板減少症14.4%(13/90例),白血球減少症13.3%(12/90例),貧血8.9%(8/90例),ほてり8.9%(8/90例),骨痛(一時的な疼痛増強)7.8%(7/90例)であった(承認時)。
骨髄抑制
血小板減少,白血球減少及び貧血(各5%以上)等の骨髄抑制があらわれることがあるので,投与後も定期的に血液検査を行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
副作用がみられた場合には,観察を十分に行い,必要に応じ適切な処置を行うこと。
| 5%以上 |
5%未満 |
|
| 過敏症 | − | 皮膚炎 |
| 筋骨格系障害 | 骨痛(一時的な疼痛増強) | 筋脱力 |
| 精神神経系 | − | 錯乱,頭痛,異常感覚 |
| 消化器 | − | 嘔気,嘔吐,食欲不振 |
| 代謝栄養障害 | − | 低カルシウム血症,低ナトリウム血症 |
| 血液 | − | 末梢性虚血,紫斑病 |
| その他 | ほてり | 一過性盲,嗅覚錯誤,末梢性浮腫,注射部位疼痛,注射部位反応 |
メタストロン注 2375.9円/MBq
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