リツキサン注10mg/mL 他

抗CD20モノクローナル抗体

4.0(2件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 リツキシマブ(遺伝子組換え)
製造/販売 全薬工業
剤形/規格
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警告

  • 本剤の投与は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器腫瘍、自己免疫疾患ネフローゼ症候群及び慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療、並びに腎移植あるいは肝移植に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

  • 本剤の投与開始後30分〜2時間よりあらわれるinfusion reactionのうちアナフィラキシー様症状、肺障害、心障害等の重篤な副作用(低酸素血症、肺浸潤、急性呼吸促迫症候群、心筋梗塞、心室細動、心原性ショック等)により、死亡に至った例が報告されている。これらの死亡例の多くは初回投与後24時間以内にみられている。また、本剤を再投与した時の初回投与後にも、これらの副作用があらわれるおそれがある。本剤投与中はバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)のモニタリングや自他覚症状の観察を行うとともに、投与後も患者の状態を十分観察すること。特に以下の患者については発現頻度が高く、かつ重篤化しやすいので注意すること(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。

    • 血液中に大量の腫瘍細胞がある(25,000/μL以上)など腫瘍量の多い患者

    • 脾腫を伴う患者

    • 心機能、肺機能障害を有する患者

  • 腫瘍量の急激な減少に伴い、腎不全、高カリウム血症、低カルシウム血症、高尿酸血症、高Al-P血症等の腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome)があらわれ、本症候群に起因した急性腎不全による死亡例及び透析が必要となった患者が報告されている。血液中に大量の腫瘍細胞がある患者において、初回投与後12〜24時間以内に高頻度に認められることから、急激に腫瘍量が減少した患者では、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分観察すること。また、本剤を再投与した時の初回投与後にも、これらの副作用があらわれるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。

  • B型肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中又は治療終了後に、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全による死亡例が報告されている(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。

  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)等の皮膚粘膜症状があらわれ、死亡に至った例が報告されている(「重大な副作用」の項参照)。

  • ゼヴァリン イットリウム(90Y)静注用セット及びゼヴァリン インジウム(111In)静注用セットの前投薬として本剤を用いる場合には、ゼヴァリン イットリウム(90Y)静注用セット及びゼヴァリン インジウム(111In)静注用セットの添付文書についても熟読すること。

禁忌

  • 本剤の成分又はマウスタンパク質由来製品に対する重篤な過敏症又はアナフィラキシー反応の既往歴のある患者

効能・効果

  • CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫

  • 免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患

  • ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎

  • 難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)

  • 慢性特発性血小板減少性紫斑病

  • 下記のABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制

    • 腎移植、肝移植

  • インジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液投与の前投与

  • ※CD:cluster of differentiation

用法・容量

    • <CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に用いる場合>

      • 通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、併用する抗悪性腫瘍剤の投与間隔に合わせて、1サイクルあたり1回投与する。

      • 維持療法に用いる場合は、通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を点滴静注する。投与間隔は8週間を目安とし、最大投与回数は12回とする。

    • <免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患に用いる場合>

      • 通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。

    • <ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎及び慢性特発性血小板減少性紫斑病に用いる場合>

      • 通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。

    • <難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)に用いる場合>

      • 通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。ただし、1回あたりの最大投与量は500mgまでとする。

    • <ABO血液型不適合腎移植・肝移植における抗体関連型拒絶反応の抑制に用いる場合>

      • 通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を点滴静注する。ただし、患者の状態により適宜減量する。

    • <インジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液投与の前投与に用いる場合>

      • 通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として250mg/m2を1回、点滴静注する。

  • 本剤は用時生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて10倍に希釈調製し使用する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤の初回投与中又は投与開始後24時間以内に多くあらわれるinfusion reaction(症状:発熱、悪寒、悪心、頭痛、疼痛、そう痒、発疹、咳、虚脱感、血管浮腫等)が約90%の患者において報告されている。これらの症状は、通常軽微〜中等度で、主に本剤の初回投与時にあらわれている。患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は適切な処置(解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤等の投与)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること(「重大な副作用」の項参照)。

  • 抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等の前投与を行った患者においても、重篤なinfusion reactionが発現したとの報告があるので、患者の状態を十分に観察すること。

  • 不整脈や狭心症等の心機能障害を合併する患者又はその既往歴のある患者に投与する場合は、投与中又は投与直後に心電図、心エコー等によるモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること(「重大な副作用」の項参照)。

  • B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)で、本剤の投与により、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎又は肝炎があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている。本剤投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。また、本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「重大な副作用」の項参照)。

  • 本剤の治療中より末梢血リンパ球の減少があらわれ、治療終了後も持続すること、また免疫グロブリンが減少した例が報告されていることなど、免疫抑制作用により細菌やウイルスによる感染症が生じる又は悪化する可能性がある。本剤によりニューモシスチス肺炎発現のおそれがあるので、適切な予防措置を考慮すること(「重大な副作用」の項参照)。

  • 咽頭扁桃、口蓋扁桃部位に病巣のある患者で、本剤投与後、炎症反応に起因する病巣の一過性の腫脹がみられ、病巣腫脹により呼吸困難をきたしたという報告がある。このような症状が発現した場合は、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。

  • 現在までに、本剤の投与により伝達性海綿状脳症(TSE)をヒトに伝播したとの報告はない。本剤は、マスターセルバンク構築時にカナダ、米国又はニュージーランド産ウシの血清由来成分を使用しているが、理論的なリスク評価を行い一定の安全性を確保する目安に達していることを確認している。しかしながら、TSEの潜在的伝播の危険性を完全に排除することはできないことから、疾病の治療上の必要性を十分検討の上、本剤を投与すること。なお、投与に先立ち、患者への有用性と安全性の説明も考慮すること。

  • 免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:リツキシマブ(遺伝子組換え)(免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患(成人))」等)を熟読すること。

  • 慢性特発性血小板減少性紫斑病に用いる場合、本剤により血小板数の過剰増加があらわれたとの報告があるため、血小板数を定期的に測定し、異常が認められた場合は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと(「その他の注意」の項参照)。

慎重投与

  • 感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者[免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。HBs抗体陽性患者に本剤を投与した後、HBs抗体が陰性の急性B型肝炎を発症した例が報告されている。]

  • 心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者[投与中又は投与後に不整脈、狭心症等を悪化又は再発させるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]

  • 肺浸潤、肺機能障害のある患者又はその既往歴のある患者[投与中又は投与直後に気管支痙攣や低酸素症を伴う急性の呼吸器障害があらわれ、肺機能を悪化させるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]

  • 重篤な骨髄機能低下のある患者あるいは腫瘍細胞の骨髄浸潤がある患者[好中球減少及び血小板減少を増悪させ重篤化させるおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]

  • 降圧剤による治療中の患者[本剤投与中に一過性の血圧下降があらわれることがある。]

  • 薬物過敏症の既往歴のある患者

  • アレルギー素因のある患者

適用上の注意

  • 調製時

    • 希釈液として生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液以外は使用しないこと。

    • 抗体が凝集するおそれがあるので、希釈時及び希釈後に泡立つような激しい振動を加えないこと。

    • 希釈後の液は速やかに使用すること。また、使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。

  • 投与時

    • 本剤の投与は点滴静注のみとし、急速静注、静脈内大量投与はしないこと。

    • 他剤との混注はしないこと。

    • タンパク質溶液であるために、わずかに半透明の微粒子がみられることがあるが、これにより本剤の薬効は影響を受けない。なお、これ以外の外観上の異常を認めた場合には使用しないこと。

その他の注意

  • 本剤が投与された患者ではヒト抗キメラ抗体を生じることがあり、これらの患者に再投与された場合は、アレルギー、過敏反応等が発現するおそれがある(【臨床成績】の項参照)。

  • 海外において、慢性特発性血小板減少性紫斑病の患者に投与した場合、血小板数が増加し、血栓塞栓症が認められたとの報告がある。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
生ワクチン又は弱毒生ワクチン 接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。 本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
不活化ワクチン ワクチンの効果を減弱させるおそれがある。 Bリンパ球傷害作用によりワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
免疫抑制作用を有する薬剤免疫抑制剤副腎皮質ホルモン剤等 発熱などの感染症(細菌及びウイルス等)に基づく症状が発現した場合は、適切な処置を行う。 過度の免疫抑制作用による感染症誘発の危険性がある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 国内臨床試験成績(CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫承認時)

    • 安全性評価症例157例中、副作用は93.6%に認められ、主な副作用は発熱(64.3%)、悪寒(34.4%)、そう痒(21.7%)、頭痛(21.0%)、ほてり(20.4%)、血圧上昇(17.8%)、頻脈(17.2%)、多汗(15.9%)、発疹(14.0%)等であった。臨床検査値異常は白血球減少(47.8%、2,000/μL未満の白血球減少12.1%)、好中球減少(45.9%、1,000/μL未満の好中球減少18.5%)、血小板減少(10.2%、5万/μL未満の血小板減少1.9%)、AST(GOT)上昇(10.8%)等であった(血液障害については【臨床成績】の項参照)。

  • 国内臨床試験成績(CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用、維持療法承認時)

    • R-CHOPレジメン(本剤、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロンの併用)による寛解導入療法の安全性評価症例62例中、副作用は98.4%に認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎等の感染症(48.4%)、悪心(46.8%)、倦怠感(43.5%)、食欲減退(40.3%)、口内炎(37.1%)、味覚異常(35.5%)、発熱(32.3%)、口腔咽頭不快感(27.4%)、嘔吐(25.8%)であった。臨床検査値異常は、白血球減少(100%、2,000/μL未満の白血球減少82.3%)、好中球減少(95.2%、1,000/μL未満の好中球減少90.3%)等であった。維持療法が実施された58例中、副作用は86.2%に認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎等の感染症(69.0%)、倦怠感(17.2%)、口内炎(15.5%)、低体温(10.3%)、感覚鈍麻(10.3%)であった。臨床検査値異常は、白血球減少(63.8%、2,000/μL未満の白血球減少5.2%)、好中球減少(58.6%、1,000/μL未満の好中球減少17.2%)等であった。

  • 国外臨床試験成績(CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫承認時)

    • 安全性評価症例356例中、主な有害事象(本剤との因果関係の有無にかかわらず発現した事象)は発熱(53%)、悪寒(33%)、感染症(31%)、虚脱/倦怠感(26%)、悪心(23%)、頭痛(19%)、発疹(15%)、寝汗(15%)等であり、臨床検査値異常は白血球減少(14%、2,000/μL未満の白血球減少4%)、好中球減少(14%、1,000/μL未満の好中球減少6%)、血小板減少(12%、5万/μL未満の血小板減少2%)等であった。

  • 国外臨床試験成績(CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用、維持療法承認時、PRIMA試験)

    • R-CHOPレジメン(本剤、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾン(国内未承認)の併用)、R-CVPレジメン(本剤、シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾン(国内未承認)の併用)又はR-FCMレジメン(本剤、フルダラビンリン酸エステル、シクロホスファミド水和物及びミトキサントロン塩酸塩の併用)による寛解導入療法時の安全性評価症例1,193例において、重篤な副作用は、R-CHOPレジメン(881例)で16.7%、R-CVPレジメン(268例)で14.9%、R-FCMレジメン(44例)で29.5%に認められ、主に発熱性好中球減少症(2.1%)、薬物過敏症(1.2%)、肺炎(1.2%)、発熱(0.9%)、好中球減少症(0.8%)、注入に伴う反応(0.6%)及び便秘(0.6%)であった。

    • 維持療法群の安全性評価症例501例において、重篤な副作用、Grade 3以上の副作用及び本剤との因果関係が否定できないGrade 2以上の感染症は29.3%に認められ、主に気管支炎(5.2%)、好中球減少症(3.4%)、上気道感染(3.4%)、副鼻腔炎(2.2%)、白血球減少症(1.6%)、口腔ヘルペス(1.4%)、尿路感染(1.4%)、感染(1.2%)及び肺炎(1.2%)であった。

  • 国外臨床試験成績(CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用、維持療法承認時、EORTC20981試験)

    • R-CHOPレジメンによる寛解導入療法時の安全性評価症例234例において、副作用は97.9%に認められた。CHOPレジメン(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾン(国内未承認)の併用)と比較してR-CHOPレジメンで発現率が5%以上高かった副作用は、脱毛症(45.3%)、便秘(26.9%)、過敏症(17.5%)及び悪寒(7.7%)であった。

    • 維持療法又は無治療観察時の安全性評価症例332例において、副作用は維持療法群(166例)の73.5%で認められた。無治療観察群と比較し維持療法群で発現率が5%以上高かった副作用は、無力症(25.3%)、関節痛(9.0%)、咳嗽(7.8%)、口内炎(7.8%)及び上気道感染(6.0%)であった。

  • 国内臨床試験成績(難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)承認時)

    • 安全性評価症例54例中、副作用は全例に認められ、主な副作用は上気道感染等の感染症(90.7%)、結膜炎(22.2%)、血圧上昇(22.2%)、湿疹(18.5%)、発熱(16.7%)、呼吸困難(14.8%)、尿酸値上昇(14.8%)、皮脂欠乏性湿疹(11.1%)、頭痛(11.1%)、そう痒(11.1%)、口腔咽頭不快感(11.1%)等であり、臨床検査値異常は、CRP上昇(40.7%)、ALT(GPT)上昇(25.9%)、好酸球増多(20.4%)、好中球減少(16.7%、1,000/μL未満の好中球減少11.1%)、白血球減少(16.7%、2,000/μL未満の白血球減少0%)であった。

  • 国内臨床試験成績(ABO血液型不適合腎移植における抗体関連型拒絶反応の抑制承認時)

    • 安全性評価症例20例中、副作用は90.0%に認められた。主な副作用は、発熱(40.0%)、サイトメガロウイルス感染(25.0%)、サイトメガロウイルス血症(15.0%)、尿路感染(15.0%)、悪寒(15.0%)、血圧上昇(15.0%)等であった。臨床検査値異常は、免疫グロブリンM減少(85.0%)、免疫グロブリンG減少(85.0%)、白血球減少(60.0%、2,000/μL未満の白血球減少15.0%)、免疫グロブリンA減少(55.0%)、好中球減少(40.0%、1,000/μL未満の好中球減少25.0%)等であった。

  • 国内臨床試験成績(ABO血液型不適合肝移植における抗体関連型拒絶反応の抑制承認時)

    • 承認時までにABO血液型不適合肝移植での臨床試験成績は得られていない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害(頻度不明注)

    低血圧、血管浮腫、低酸素血症、気管支痙攣、肺炎(間質性肺炎、アレルギー性肺炎等を含む)、閉塞性細気管支炎、肺浸潤、急性呼吸促迫症候群、心筋梗塞、心室細動、心原性ショック等がinfusion reactionの症状としてあらわれることがある(【警告】欄参照)。
    バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)のモニタリングや自他覚症状の観察など、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、気管支拡張剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。

  • 腫瘍崩壊症候群(頻度不明注)

    腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。

  • B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎の増悪(頻度不明注)

    B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎又は肝炎の増悪による肝不全があらわれることがあるので、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、直ちに抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。

  • 肝機能障害、黄疸(0.1〜5%未満)

    AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、総ビリルビン等の肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 皮膚粘膜症状(頻度不明注)

    皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、天疱瘡様症状、苔癬状皮膚炎、小水疱性皮膚炎等があらわれ、死亡に至った例が報告されている。これらの症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 汎血球減少(頻度不明注)、白血球減少(5〜10%未満)、好中球減少(10%以上)、無顆粒球症(頻度不明注)、血小板減少(5%未満)

    重篤な血球減少があらわれることがあり、好中球減少については、本剤の最終投与から4週間以上経過して発現する例が報告されているので、本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は休薬等の適切な処置を行うこと。

  • 感染症(頻度不明注)

    細菌、真菌、あるいはウイルスによる重篤な感染症(敗血症、肺炎等)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明注)

    進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 間質性肺炎(頻度不明注)

    間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 心障害(頻度不明注)

    心室性あるいは心房性の不整脈、狭心症、心筋梗塞が報告されている。これらの症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 腎障害(頻度不明注)

    透析を必要とする腎障害が報告されていることから、患者の状態を十分に観察し、尿量減少、血清クレアチニンやBUNの上昇が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 消化管穿孔・閉塞(頻度不明注)

    消化管穿孔・閉塞があらわれることがあるので、初期症状としての腹痛、腹部膨満感、下血、吐血、貧血等の観察を十分に行い、異常が認められた場合は、直ちにX線、CT検査等を実施して出血部位、穿孔・閉塞所見の有無を確認し、適切な処置を行うこと。

  • 血圧下降(頻度不明注)

    一過性の血圧下降が発現することがあるので、このような症状があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 可逆性後白質脳症症候群等の脳神経症状(頻度不明注)

    可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣発作、頭痛、精神症状、視覚障害、高血圧等)があらわれることがある。また、本剤の治療終了後6か月までの間に、失明、難聴等の視聴覚障害、感覚障害、顔面神経麻痺等の脳神経障害が報告されている。患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 注):自発報告又は国外において報告された頻度を算出できない副作用のため頻度不明とした。

その他の副作用

  • 以下の副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    • (頻度不明は※)

5%以上又は頻度不明注) 5%未満
呼吸器 咽喉頭炎(28.3%)、鼻炎(24.2%)、口腔咽頭不快感(15.7%)、咳、呼吸障害 喘鳴、鼻出血
循環器 血圧上昇(17.4%)、頻脈(11.6%)、潮紅 動悸、血管拡張、末梢性虚血、徐脈
消化器 悪心・嘔吐(22.9%)、腹痛(11.6%)、口内炎(11.6%)、食欲不振、下痢 口内乾燥、便秘、しぶり腹
過敏症 発熱(47.8%)、悪寒(21.8%)、発疹(20.5%)、そう痒(18.8%)、ほてり(15.4%)、関節痛、蕁麻疹、血清病 筋肉痛、インフルエンザ様症候群
全身状態 疼痛(39.9%)、倦怠感(24.2%)、虚脱感(23.2%)、頭痛(21.2%)、多汗(11.3%)、浮腫 胸痛、体重増加、無力症
精神神経系 異常感覚、しびれ感 眩暈、不眠症
血液・凝固 貧血(26.6%)、フィブリン分解産物[FDP、Dダイマー]増加 、血小板増加 好酸球増多
腎臓 電解質異常 BUN上昇、クレアチニン上昇
肝臓 ALT(GPT)上昇(13.7%)、AST(GOT)上昇(13.3%)、Al-P上昇 総ビリルビン上昇
その他 CRP上昇(27.1%)、LDH上昇(16.7%)、総蛋白減少、尿酸値上昇、結膜炎、帯状疱疹、筋攣縮 皮脂欠乏性湿疹、投与部位反応(疼痛、腫脹等)、アルブミン減少、しゃっくり
  • 注):自発報告又は国外において報告された頻度を算出できない副作用のため頻度不明とした。

薬価

リツキサン注10mg/mL 32212円/瓶
リツキサン注10mg/mL 157855円/瓶

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

エビデンスの確かさ・信頼性

投稿日: 2015/03/08 参考率: 100%(2人/2人)

整形外科/30代/処方経験あり

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