本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
去勢抵抗性前立腺癌
通常、成人にはエンザルタミドとして160mgを1日1回経口投与する。
本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
痙攣発作があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣発作を起こすおそれがある。]
痙攣発作を起こしやすい患者(脳損傷、脳卒中等の合併又はこれらの既往歴のある患者、痙攣発作の閾値を低下させる薬剤を投与中の患者等)[痙攣発作を誘発するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]
症状
過量投与により、痙攣発作、発疹、錯乱状態及び重度の疲労等が発現することがある。
処置
本剤を体外に除去する方法は知られていない。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
注意
本品はアルミ袋により品質保持をはかっているので、アルミ袋開封後は多湿を避けて保存すること。
本剤は主として薬物代謝酵素CYP2C8で代謝される。また、本剤はCYP3A4、CYP2C9、CYP2C19、CYP2B6※、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)※及びP糖蛋白(P-gp)※に対して誘導作用を示し、P-gp※、乳癌耐性蛋白(BCRP)※、有機カチオントランスポーター1(OCT1)※及び有機アニオントランスポーター3(OAT3)※に対して阻害作用を示した(※:
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 痙攣発作の閾値を低下させる薬剤フェノチアジン系抗精神病薬三環系及び四環系抗うつ薬ニューキノロン系抗菌薬等 | 痙攣発作を誘発するおそれがある。 | 本剤及びこれらの薬剤はいずれも痙攣発作の閾値を低下させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C8阻害剤ゲムフィブロジル(国内未承認)等 | ゲムフィブロジルと本剤を併用したとき、本剤の未変化体と活性代謝物(N-脱メチル体)の合計のAUCinfは単独投与時と比べ2.17倍に上昇した。本剤の作用が増強するおそれがあるので、強力なCYP2C8阻害剤との併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。やむを得ず、強力なCYP2C8阻害剤と併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 | これらの薬剤はCYP2C8を阻害するため、併用により本剤の代謝が阻害され、血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C8誘導剤リファンピシン等 | リファンピシンと本剤を併用したとき、本剤の未変化体と活性代謝物(N-脱メチル体)の合計のAUCinfは単独投与時と比べ0.63倍に低下した。本剤の作用が減弱するおそれがあるので、慎重に投与すること。 | これらの薬剤はCYP2C8を誘導するため、併用により本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4の基質となる薬剤ミダゾラム等 | 本剤の定常状態でミダゾラムを投与したとき、ミダゾラムのAUCinf及びCmaxは単独投与と比べそれぞれ0.14倍及び0.23倍に低下した。本剤の併用により、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。 | 本剤のCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C9の基質となる薬剤ワルファリン等 | 本剤の定常状態でワルファリンを投与したとき、CYP2C9の基質であるS-ワルファリンのAUCinf及びCmaxはワルファリン単独投与時と比べそれぞれ0.44倍及び0.93倍に低下した。本剤の併用により、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。 | 本剤のCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP2C19の基質となる薬剤オメプラゾール等 | 本剤の定常状態でオメプラゾールを投与したとき、オメプラゾールのAUCinf及びCmaxはオメプラゾール単独投与時と比べそれぞれ0.30倍及び0.38倍に低下した。本剤の併用により、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。 | 本剤のCYP2C19誘導作用により、これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。 |
<国内臨床試験>
去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第I/II相試験において、本剤が投与された47例中31例(66.0%)に副作用が認められた。主な副作用は高血圧(14.9%)、便秘(14.9%)、疲労(12.8%)、食欲減退(12.8%)、体重減少(10.6%)及び心電図QT延長(10.6%)等であった。(承認時:2014年3月)
<海外臨床試験>
ドセタキセル治療歴を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした海外第III相試験で本剤を投与された800例中554例(69.3%)に副作用が認められた。主な副作用は疲労(21.5%)、悪心(20.1%)、ほてり(15.0%)、食欲減退(12.6%)及び無力症(10.0%)等であった。(承認時:2014年3月)
<国際共同臨床試験>
化学療法歴のない去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国際共同第III相試験で本剤を投与された871例(日本人28例を含む)中566例(65.0%)に副作用が認められた。主な副作用は疲労(25.3%)、ほてり(13.4%)及び悪心(13.3%)等であった。(効能・効果に関連する使用上の注意改訂時:2014年10月)
以下の副作用の頻度は、国内第I/II相試験、海外第III相試験及び国際共同第III相試験において本剤が投与された患者の集計に基づき記載した。
痙攣発作(0.2%)
痙攣、てんかん重積状態等の痙攣発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少(頻度不明)
血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
上記の副作用の頻度は、国内第I/II相試験、海外第III相試験の更新データ(各47例、850例)及び国際共同第III相試験(871例)の集計に基づいている。
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 血液 | 貧血 | ヘモグロビン減少、白血球減少症、好中球減少症 | ||
| 心臓 | 心電図QT延長 | |||
| 腎臓 | 頻尿 | |||
| 耳 | 回転性めまい | |||
| 眼 | 流涙増加 | |||
| 消化器 | 悪心、下痢、便秘 | 嘔吐、腹部膨満、上腹部痛、消化不良、鼓腸 | 口内乾燥、腹痛、胃炎、口内炎、腹部不快感、胃食道逆流性疾患 | |
| 全身及び投与局所 | 疲労、無力症 | 末梢性浮腫、体重減少 | 疼痛、悪寒、倦怠感、体重増加 |
|
| 肝臓 | 肝機能異常 | |||
| 代謝 | 食欲減退 | 低カリウム血症、脱水 | ||
| 筋骨格系 | 関節痛、筋肉痛、背部痛、筋力低下、四肢痛 | 筋骨格痛、筋痙縮、筋骨格硬直 | ||
| 神経系 | 頭痛、浮動性めまい、味覚異常、錯感覚、嗜眠 | 感覚鈍麻、記憶障害、傾眠、下肢静止不能症候群、末梢性ニューロパチー、認知障害、注意力障害、失神、健忘 | ||
| 精神系 | 不眠症 | 不安、うつ病、錯乱状態、幻覚 | ||
| 生殖系及び乳房 | 女性化乳房 | |||
| 呼吸器 | 呼吸困難 | 咳嗽、鼻出血 | ||
| 皮膚 | 皮膚乾燥、発疹、多汗症 | そう痒症、寝汗、脱毛症、紅斑、斑状丘疹状皮疹 | ||
| 血管 | ほてり | 高血圧、潮紅 | ||
| その他 | 転倒、脊椎圧迫骨折、骨折(病的骨折を除く) |
上記の副作用の頻度は、国内第I/II相試験、海外第III相試験の更新データ(各47例、850例)及び国際共同第III相試験(871例)の集計に基づいている。
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効果の強さ
投稿日: 2015/03/21 参考率: 94%(15人/16人)
泌尿器科/50代/処方経験あり