トレアキシン点滴静注用100mg

抗悪性腫瘍剤

4.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 ベンダムスチン塩酸塩
製造/販売 シンバイオ製薬 / エーザイ
剤形/規格
  • トレアキシン点滴静...

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警告

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

  • 骨髄抑制により感染症等の重篤な副作用があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]。

  • なお、本剤の使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

禁忌

  • 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

効能・効果

  • 再発又は難治性の下記疾患

    • 低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫

    • マントル細胞リンパ腫

  • 慢性リンパ性白血病

用法・容量

  • 再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫

    • 通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として120mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

  • 慢性リンパ性白血病

    • 通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として100mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、26日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤の投与により骨髄機能が抑制され、感染症等の重篤な副作用が増悪又はあらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと[「警告」、「重大な副作用」の項参照]。

  • 本剤の投与により、リンパ球減少が高頻度にあらわれ、重症の免疫不全が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の兆候について綿密な検査を行うこと。異常が認められた場合には、減量・休薬等の適切な処置を行うとともにカンジダ等の真菌、サイトメガロウイルス等のウイルス、ニューモシスティス等による重症日和見感染に注意すること。また、本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の兆候や症状の発現に注意すること[「重大な副作用」の項参照]。

  • 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

  • アルキル化剤等の抗悪性腫瘍剤による前治療を有する患者において、本剤による治療後、二次発癌が発生したとの報告があるので、本剤の投与終了後も経過を観察するなど十分に注意すること。

慎重投与

  • 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強されるおそれがある。]

  • 感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある(「重大な副作用」の項参照)。]

  • 心疾患(心筋梗塞、重度の不整脈等)を合併する又は既往歴のある患者[心疾患を悪化させるおそれがある。]

  • 肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]

  • 腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]

過量投与

  • 国内外の臨床経験において、報告されている最高単回投与量は280mg/m2である。

  • 徴候・症状

    280mg/m2を投与した患者4例中3例で、投与後7及び21日目に用量制限毒性と考えられる心電図の変化が認められた。この変化は、QT延長(1例)、洞性頻脈(1例)、ST及びT波の偏位(2例)、左脚前枝ブロック(1例)等であった。

  • 処置

    過量投与時の特異的な解毒剤は知られていない。必要に応じて支持療法を行うこと。

適用上の注意

  • 調製時

    • 本剤が体部に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の水で十分に洗い、眼は水で洗浄すること。

    • 本剤の溶解に際しては、必ず注射用水を使用し、溶解液の希釈に際しては、必ず生理食塩液を使用すること。

  • 投与時

    • 点滴静注に際し、投与液が血管外に漏れると、投与部位に紅斑、腫脹、疼痛、壊死を起こすことがあるので、投与液が血管外に漏れないように投与すること。血管外に漏れた場合は、速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    • 調製後は、3時間以内に投与を終了すること。

取扱上の注意

  • 包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。

  • 調製時には、手袋を着用することが望ましい。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他の抗悪性腫瘍剤 骨髄抑制等の副作用が増強することがある。 骨髄抑制作用を増強する可能性がある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫患者及びマントル細胞リンパ腫患者に対する国内臨床試験安全性評価対象例78例中78例(100%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な自他覚症状[30%以上を記載]は、悪心85.9%(67例)、食欲不振65.4%(51例)、便秘47.4%(37例)、嘔吐41.0%(32例)、疲労39.7%(31例)、発疹37.2%(29例)、発熱34.6%(27例)、体重減少33.3%(26例)、静脈炎30.8%(24例)等であった。また、主な臨床検査値異常[30%以上を記載]は、リンパ球数減少98.7%(77例)、白血球数減少97.4%(76例)、好中球数減少87.2%(68例)、血小板数減少76.9%(60例)、CD4リンパ球減少69.2%(54例)、ヘモグロビン減少69.2%(54例)、赤血球数減少69.2%(54例)、LDH増加50.0%(39例)、C-反応性蛋白増加47.4%(37例)、IgM低下43.6%(34例)、AST(GOT)上昇38.5%(30例)、ALT(GPT)上昇35.9%(28例)、IgA低下30.8%(24例)等であった。

  • 再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫患者及びマントル細胞リンパ腫患者に対する製造販売後の特定使用成績調査(全例調査)の安全性評価対象例583例中565例(96.9%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。
    主な自他覚症状[10%以上を記載]は、貧血19.7%(115例)、悪心19.4%(113例)、発熱11.0%(64例)等であった。また、主な臨床検査値異常[10%以上を記載]は、リンパ球数減少73.9%(431例)、好中球数減少61.4%(358例)、白血球数減少60.0%(350例)、血小板数減少42.7%(249例)、C-反応性蛋白増加12.3%(72例)等であった。

  • 未治療の慢性リンパ性白血病患者に対する海外臨床試験において、本剤の投与を受けた安全性評価対象例161例中137例(85.1%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な自他覚症状[10%以上を記載]は、発熱23.6%(38例)、悪心19.3%(31例)、貧血18.6%(30例)、嘔吐14.9%(24例)等であった。また、主な臨床検査値異常[10%以上を記載]は、好中球数減少27.3%(44例)、血小板数減少24.2%(39例)、白血球数減少17.4%(28例)等であった。

  • 慢性リンパ性白血病患者に対する国内臨床試験において、本剤の投与を受けた安全性評価対象例10例中10例(100%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な自他覚症状[30%以上を記載]は、悪心80.0%(8例)、便秘70.0%(7例)、倦怠感50.0%(5例)、食欲不振50.0%(5例)、静脈炎30.0%(3例)、そう痒症30.0%(3例)、斑状丘疹状皮疹30.0%(3例)等であった。また、主な臨床検査値異常[30%以上を記載]は、CD4リンパ球減少100%(10例)、好中球数減少100%(10例)、リンパ球数減少90.0%(9例)、血小板数減少90.0%(9例)、白血球数減少90.0%(9例)、低γグロブリン血症50.0%(5例)、AST(GOT)上昇30.0%(3例)等であった。

  • 「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、「再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫患者及びマントル細胞リンパ腫患者に対する国内臨床試験の安全性評価対象例78例」及び「慢性リンパ性白血病患者に対する国内臨床試験の安全性評価対象例10例」の計88例の結果に基づき記載した。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 骨髄抑制

    リンパ球減少(97.7%)、白血球減少(96.6%)、好中球減少(88.6%)、血小板減少(78.4%)、CD4リンパ球減少(72.7%)、ヘモグロビン減少(63.6%)、赤血球減少(63.6%)等の骨髄抑制があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと[「警告」、「重要な基本的注意」、「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照]。

  • 感染症

    肺炎(3.4%)、敗血症(頻度不明注3)等の重度の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと[「重要な基本的注意」の項参照]。

  • 間質性肺疾患(1.1%)

    間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い発熱、咳嗽、呼吸困難胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 腫瘍崩壊症候群(頻度不明注3

    腫瘍崩壊症候群があらわれ、急性腎不全に至るおそれがあるので、体内水分量を適切に維持し、血液生化学検査(特に尿酸及びカリウム)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 重篤な皮膚症状(頻度不明注3

    中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜の発疹、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • ショック、アナフィラキシー(頻度不明注3

    ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 注3:国外において報告された頻度を算出できない副作用及び製造販売後調査でのみ発現している副作用等を頻度不明として記載した。

その他の副作用

  • 以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

10%以上 10%未満 頻度不明 注3
血液 イムノグロブリン(IgA、IgM、IgG)低下、CD4/CD8比低下 貧血、好酸球増加、発熱性好中球減少症、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン増加、溶血性貧血、好中球増加、網状赤血球数減少、白血球増加、CD4/CD8比上昇 無顆粒球症、播種性血管内凝固、汎血球減少
心・血管障害 静脈炎、心電図QT延長 不整脈(房室ブロック、洞性頻脈、上室性期外収縮、心室性期外収縮等)、心不全、心電図T波振幅減少、潮紅、高血圧、低血圧、動悸、脈拍異常、血管障害(血管痛)、静脈血栓症、左室機能不全、ほてり 循環虚脱、心筋梗塞、心嚢液貯留、頻脈、心肺不全、出血
結膜炎、眼瞼紅斑、角膜炎、流涙増加、眼充血、強膜出血、眼そう痒症
消化器 胃不快感、便秘、下痢、悪心、口内炎、嘔吐 腹部膨満、腹痛、口唇炎、口内乾燥、消化不良、おくび、胃炎、舌炎、痔核、口腔内潰瘍形成、舌障害、肛門出血、消化管運動過剰、びらん性十二指腸炎、口腔障害 胃腸出血、イレウス、潰瘍性食道炎
肝臓 ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、血中ビリルビン上昇、γ-GTP上昇等の肝機能異常
感染症 鼻咽頭炎 膀胱炎、サイトメガロウイルス感染、ヘルペスウイルス感染、帯状疱疹、インフルエンザ、口腔カンジダ症、副鼻腔炎、水痘、ウイルス性咽頭炎、外陰部炎、外陰部腟カンジダ症、好中球減少性感染、細菌感染、口腔感染
代謝・栄養系 LDH上昇、総蛋白低下、ALP上昇、食欲不振 尿中ブドウ糖陽性、クロール上昇、高血糖、カリウム上昇、低カルシウム血症、カリウム低下、ナトリウム低下、ALP低下 高カルシウム血症、高アミラーゼ血症
筋骨格系 関節痛、背部痛、筋肉痛、頚部痛、四肢痛、筋骨格硬直
精神神経系 味覚異常、頭痛 無感情、浮動性めまい、体位性めまい、知覚過敏、感覚鈍麻、不眠症、気分変化、嗅覚錯誤 抗コリン作動性症候群、失声症、運動失調、脳炎、末梢性ニューロパチー、錯感覚、眠気
泌尿器 クレアチニン上昇 BUN低下、BUN上昇、高尿酸血症、頻尿、蛋白尿、尿中ウロビリン陽性 腎機能障害
呼吸器 アレルギー性胞隔炎、咳嗽、呼吸困難、鼻出血、しゃっくり、胸水、湿性咳嗽、アレルギー性鼻炎、鼻漏、上気道の炎症、口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛 原発性異型肺炎、肺線維症、肺機能異常
皮膚 注4 そう痒症、発疹(34.1%) ざ瘡様皮膚炎、湿疹、紅斑、多形紅斑、多汗症、皮膚疼痛、点状出血、全身性皮疹、斑状丘疹状皮疹、そう痒性皮疹、皮膚びらん、皮膚剥脱、皮膚乳頭腫、蕁麻疹、色素沈着障害 脱毛症、皮膚炎
注射部位 注射部位反応(発赤、疼痛、硬結等 注射部位血管外漏出
その他 血清アルブミン低下、C-反応性蛋白増加、疲労、倦怠感、発熱、体重減少 無力症、悪寒、耳管閉塞、熱感、尿潜血、過敏症、低体温、不規則月経、寝汗、浮腫、疼痛、腫瘍疼痛、体重増加、注入に伴う反応、節足動物刺傷アレルギー 無月経、不妊症、粘膜の炎症、多臓器不全
  • 注3:国外において報告された頻度を算出できない副作用及び製造販売後調査でのみ発現している副作用等を頻度不明として記載した。

  • 注4:必要に応じて、皮膚科を受診するよう患者を指導すること。

薬価

トレアキシン点滴静注用100mg 94995円/瓶

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