重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
糖尿病の食後過血糖の改善
(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)
通常、成人にはミグリトールとして1回50mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を75mgまで増量することができる。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、老人性糖代謝異常、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
糖尿病治療の基本である食事療法・運動療法のみを行っている患者では、投与の際の食後血糖1又は2時間値は200mg/dL以上を示す場合に限る。
食事療法、運動療法に加えて経口血糖降下剤又はインスリン製剤を使用している患者では、投与の際の空腹時血糖値は140mg/dL以上を目安とする。
本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払うこと。本剤を2〜3カ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合(静脈血漿で食後血糖2時間値が200mg/dL以下にコントロールできないなど)には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。なお、食後血糖の十分なコントロール(静脈血漿で食後血糖2時間値が160mg/dL以下)が得られ、食事療法・運動療法又はこれらに加えて経口血糖降下剤若しくはインスリンを使用するのみで十分と判断される場合には、本剤の投与を中止して経過観察を行うこと。
本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。(「重大な副作用」の項参照)
低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。
本剤の投与により、「腹部膨満」、「鼓腸」、「下痢」等の消化器系副作用が発現することがある。これらの症状が発現するおそれがある場合には、少量から投与を開始し、症状を観察しながら増量することが望ましい。これらは、一般に時間の経過とともに消失することが多いが、症状に応じて減量あるいは消化管内ガス駆除剤の併用を考慮し、高度で耐えられない場合は投与を中止すること。
他の糖尿病用薬による治療が行われている患者[併用により低血糖が起こるおそれがある。](「重大な副作用」の項参照)
開腹手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者[腸内ガス等の増加により腸閉塞が発現するおそれがある。]
消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患の患者[本剤の作用により病態が悪化するおそれがある。]
ロエムヘルド症候群、重度のヘルニア、大腸の狭窄・潰瘍等の患者[腸内ガス等の増加により症状が悪化するおそれがある。]
重篤な肝機能障害のある患者[代謝状態が不安定であり、血糖管理状態が大きく変化するおそれがある。]
重篤な腎機能障害のある患者[外国の臨床試験において重篤な腎障害患者に投与した際に腎機能正常者に比べて血漿中濃度が上昇することが報告されている。](「薬物動態」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
服用時
本剤は舌の上にのせ唾液を浸潤させ舌で軽くつぶし、崩壊後唾液のみで服用可能である。また、水で服用することもできる。
開封後も湿気を避けて保存すること。(本剤はアルミ袋により品質保持をはかっている。)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
糖尿病用薬スルホニルアミド系及びスルホニルウレア系薬剤ビグアナイド系薬剤インスリン製剤インスリン抵抗性改善剤速効型インスリン分泌促進薬DPP-4阻害剤GLP-1受容体作動薬 | 左記薬剤との併用時には、低血糖発現の可能性を考慮し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。また、このような症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与すること。 | 左記糖尿病用薬の血糖降下作用に本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を増強する薬剤を併用している場合糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤β-遮断剤サリチル酸剤モノアミン酸化酵素阻害剤フィブラート系の高脂血症治療剤ワルファリン 等 | 左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。 | 左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が増強されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
糖尿病用薬及びその血糖降下作用を減弱する薬剤を併用している場合糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤アドレナリン副腎皮質ホルモン甲状腺ホルモン 等 | 左記の併用に加え更に本剤を併用する場合には、糖尿病用薬の使用上の注意に記載の相互作用に留意するとともに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わることによる影響に十分注意すること。 | 左記薬剤により他の糖尿病用薬の血糖降下作用が減弱されるところに、本剤の糖質吸収遅延作用が加わる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
プロプラノロールラニチジン | 本剤との併用によりこれらの薬剤の生物学的利用率が低下することがある。 | 発現機序は不明である。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジゴキシン | 本剤との併用によりジゴキシンの血漿中濃度が低下することがある。ジゴキシンの血漿中濃度が低下した場合には、ジゴキシンの投与量を調節するなど適切な処置を行う。 | 発現機序は不明である。 |
総症例1030例中、副作用が報告されたのは519例(50.4%)であった。主な症状は鼓腸197例(19.1%)、下痢188例(18.3%)、腹部膨満153例(14.9%)、低血糖80例(7.8%)であった。[セイブル錠効能追加時]
低血糖
他の糖尿病用薬との併用で低血糖(0.1〜5%未満)があらわれることがある。本剤は二糖類の消化・吸収を遅延するので、低血糖症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。
腸閉塞
腹部膨満、鼓腸、放屁増加等があらわれ、腸内ガス等の増加により、腸閉塞(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、持続する腹痛、嘔吐等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な肝硬変例での意識障害を伴う高アンモニア血症
類薬(ボグリボース)で重篤な肝硬変例に投与した場合、便秘等を契機として高アンモニア血症が増悪し、意識障害を伴うことがあるので、排便状況等を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 | |
消化器 | 腹部膨満、鼓腸、下痢 | 便秘、腸雑音異常、腹痛、嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、消化不良、胃不快感、おくび、胃炎、排便障害、痔核 | 口内炎、味覚異常、腸管 |
過敏症 | 発疹、紅斑、蕁麻疹、 |
||
肝臓 | ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、Al-P上昇 | ||
精神神経系 | めまい、頭痛 | ||
血液 | 白血球数減少 | ||
代謝 | 血中アミラーゼ増加、血中カリウム増加、血中尿酸増加 | ||
その他 | 頻尿、咳嗽 | 倦怠感、浮腫 |
セイブルOD錠50mg 52.4円/錠
セイブルOD錠75mg 73.3円/錠
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副作用の重篤度
投稿日: 2017/01/08 参考率: 95%(70人/74人)
内科/60代/処方経験あり