本剤の投与によりinfusion reaction、アナフィラキシーがあらわれる可能性がある。緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。重篤なinfusion reaction、アナフィラキシーが発現した場合には、速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1、8.1、8.2、9.1.1、9.1.2、9.1.3、11.1.1参照]
急性呼吸器疾患のある患者、又は心機能もしくは呼吸機能が低下している患者に本剤を投与する場合、症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。[9.1.4参照]
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者[1.1、8.1、11.1.1参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
遅発型ポンペ病に対するミグルスタットとの併用療法
ミグルスタットとの併用において、通常、体重40kg以上の成人にはシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与する。
本剤はタンパク質製剤であり、重度の過敏症又はアナフィラキシーが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。重度の過敏症又はアナフィラキシーが発現した後の本剤の再投与については、有益性と危険性を考慮して決定すること。再投与が必要な場合には、点滴速度を下げ、忍容性を確認しながら投与すること。[1.1、2.1、9.1.1、9.1.2、11.1.1参照]
本剤投与中又は投与後数時間以内にinfusion reactionが発現することがあるので、本剤投与中及び投与終了後も患者の状態を観察すること。infusion reactionが発現した場合は、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。また、本剤投与によるinfusion reactionを予防又は軽減させるために、本剤投与前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与を考慮すること。[1.1、9.1.3、11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
[1.1、8.1、11.1.1参照]
9.1.2 アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤又はアバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
過敏症の発現に注意すること。[1.1、8.1、11.1.1参照]
[1.1、8.2、11.1.1参照]
9.1.4 心機能又は呼吸機能の低下した患者
infusion reactionが発現した場合、状態が悪化する可能性がある。また、水分制限の適応となる患者では、本剤投与中は、適切な医学的処置とモニタリング手段がとれるように準備しておくこと。点滴投与中に水分過負荷により心機能又は呼吸状態の重篤な増悪を起こす可能性がある。[1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度又は重度(クレアチニンクリアランス15mL/min以上60mL/min未満)の腎機能障害患者
腎機能の程度及び体重に応じて、本剤に併用されるミグルスタットの用量を適宜減量すること。
9.2.2 末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)
投与は推奨されない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤及びミグルスタットの併用投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験において、ウサギに本剤175mg/kg/隔日(臨床曝露量の約111倍に相当)及びミグルスタット25mg/kg/隔日(臨床曝露量の約23倍に相当)を併用投与した時に心血管系奇形が報告されている。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明であるが、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
18歳未満の患者を対象とした臨床試験成績は得られていない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 溶解
(1)下記に従い患者の体重に基づいて、投与に必要なバイアル数(小数点以下は切り上げる)及び本剤の必要量を決定する。
・患者あたりの投与量(mg)=患者の体重(kg)×20mg/kg(体重あたりの投与量)
・必要なバイアル数=患者あたりの投与量(mg)÷105mg(1バイアルあたりの含量)
・本剤の必要量(mL)=患者あたりの投与量(mg)÷15mg/mL(溶解液の濃度)
(2)必要なバイアル数を冷蔵庫から取り出し、室温になるまで放置する。
(3)溶解前に目視にてバイアルを確認し、異物又は変色が認められる場合は使用しないこと。
(4)1バイアルに日局注射用水7.2mLをバイアルの内壁に沿ってゆっくり注入し、溶液が泡立たないように静かに溶解する(シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)濃度15mg/mL)。溶解する際にバイアルの振とう等は避けること。
(5)溶解液は無色〜微黄色の澄明又は乳濁した液で、肉眼で確認できる半透明〜白色の微粒子はない。目視による確認で異物や変色が認められた場合は使用しないこと。溶解後、直ちに使用できない場合は、遮光した上で、2〜8℃(凍結させないこと)で最長24時間保存できる。
14.1.2 希釈
(1)体重範囲に対応した総点滴量となるように、日局生理食塩液の量を決定すること。予め日局生理食塩液点滴バッグから、“14.1.1”で算出した本剤の必要量と等量の生理食塩液を抜き取っておく。バイアルから“14.1.1”で算出した本剤の必要量をゆっくりと抜き取り、日局生理食塩液点滴バッグ内に静かに注入する(最終濃度は2.4〜4.0mg/mL)。点滴バッグを静かに回転させ、気泡ができないようゆっくりと混和し、振とうしないこと。[7.2参照]
(2)希釈後は室温で速やかに使用すること。なお、希釈後、直ちに使用できない場合は、遮光した上で、2〜8℃(凍結させないこと)で最長24時間保存できるが、その後25℃以下で6時間以内に使用すること。
(3)各バイアルは一回限りの使用とすること。
14.2 薬剤投与時の注意
希釈後に冷蔵していた場合は、点滴バッグを室温に戻してから使用すること。
輸液ポンプ及びタンパク質を吸着しにくい0.2μmのインラインフィルターを使用して本剤を投与すること。
他剤との混注を行わないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
本剤はタンパク質製剤であり、本剤に対するIgG抗体が産生される可能性がある。実施した臨床試験において、本併用投与を受けた151例で抗薬物抗体を評価した(酵素補充療法既治療患者117例、酵素補充療法未治療患者34例)。酵素補充療法既治療患者の抗薬物抗体発現割合は、ベースライン時が83.8%(98/117)、本併用投与後が95.7%(112/117例)であった。酵素補充療法未治療患者の抗薬物抗体発現割合は、ベースライン時が11.8%(4/34例)、本併用投与後が100%(34/34例)であった。酵素補充療法既治療患者における投与後の中和抗体の発現割合は88.0%(103/117例)であった。同様に酵素補充療法未治療患者における投与後の中和抗体の発現割合は、88.2%(30/34例)であった。
外箱開封後は、遮光して保存すること。
凍結を避けて保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 infusion reaction(23.5%)、アナフィラキシー(1.2%)
本剤投与中又は投与終了後数時間以内に、頭痛、発熱、悪寒、悪心、蕁麻疹、そう痒症等のinfusion reactionがあらわれることがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。[1.1、2.1、8.1、8.2、9.1.1、9.1.2、9.1.3参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上10%未満 | 1%以上5%未満 | |
神経系 | 頭痛 | 浮動性めまい、味覚不全、片頭痛、平衡障害、認知障害、錯感覚、傾眠、振戦 |
心臓 | 頻脈 | |
精神 | 悪夢 | |
血管 | 潮紅、高血圧 | |
呼吸器 | 呼吸困難 | |
消化器 | 腹部膨満、下痢、腹痛、鼓腸、食道痙攣 | |
皮膚 | そう痒症、発疹、蕁麻疹、紅斑性皮疹 | |
筋骨格系 | 筋痙縮、筋力低下、筋骨格硬直、筋肉痛 | |
全身及び局所反応 | 発熱、悪寒、胸部不快感、顔面痛、疲労、注入部位腫脹、倦怠感、疼痛 | |
臨床検査 | 血中尿素増加、体温変動、リンパ球数減少 | |
眼 | 眼瞼痙攣 | |
傷害 | 皮膚擦過傷 |
ポムビリティ点滴静注用105mg
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