スーグラ錠25mg 他

選択的SGLT2阻害剤

3.6(5件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 イプラグリフロジンL−プロリン
製造/販売 アステラス製薬
剤形/規格
  • スーグラ錠25mg
  • スーグラ錠50mg

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禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡[輸液、インスリン製剤による速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]

  • 2.3 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

効能・効果

  • ○2型糖尿病

  • ○1型糖尿病

用法・容量

  • <2型糖尿病>

    • 通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。

  • <1型糖尿病>

    • インスリン製剤との併用において、通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。[9.1.1、11.1.1参照]

  • 8.2 本剤投与中は、血糖値等を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3カ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切な治療法への変更を考慮すること。

  • 8.3 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査するとともに、腎機能障害患者における治療にあたっては経過を十分に観察すること。[5.1、5.2、9.2.1、9.2.2参照]

  • 8.4 尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。[9.1.2、11.1.2参照]

  • 8.5 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者や利尿剤併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。[9.1.3、9.8、10.2、11.1.3参照]

  • 8.6 本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。[7.1、7.2、11.1.4参照]

    • 8.6.1 著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。

      • (1)悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

      • (2)特に、1型糖尿病患者、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。

      • (3)患者に対し、以下の点を指導すること。

        • ・ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等)。

        • ・ケトアシドーシスの症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診すること。

        • ・血糖値が高値でなくともケトアシドーシスが発現しうること。

        • 特に、1型糖尿病患者に対しては、上記3点に加えて、ケトアシドーシス発現リスクが高いことも説明すること。

      • [7.1、7.2、11.1.4参照]

    • 8.6.2 本剤を含むSGLT2阻害剤の投与中止後、血漿中半減期から予想されるより長く尿中グルコース排泄及びケトアシドーシスが持続した症例が報告されているため、必要に応じて尿糖を測定するなど観察を十分に行うこと。[7.1、7.2、11.1.4参照]

  • 8.7 排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、その治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。

  • 8.8 本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。

  • 8.9 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態

      • ・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全を有する患者

      • ・栄養不良状態、るいそう、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態の患者

      • ・激しい筋肉運動を行った状態

      • ・過度にアルコールを摂取した状態

      • [8.1、11.1.1参照]

    • 9.1.2 尿路感染、性器感染のある患者

      • 症状を悪化させるおそれがある。[8.4、11.1.2参照]

    • 9.1.3 脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)

      • 本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがある。[8.5、10.2、11.1.3参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者

      • 投与しないこと。本剤の効果が期待できない。[5.1、8.3、16.6.1参照]

    • 9.2.2 中等度の腎機能障害のある患者

      • 投与の必要性を慎重に判断すること。本剤の効果が十分に得られない可能性がある。[5.2、8.3、16.6.1、17.1.11、17.1.12参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

      • 低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。また、本剤の動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行及び出生児の体重増加抑制が報告されている。

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 高齢者では脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある。[8.5、11.1.3参照]

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 雌雄ラットに本剤12.5、40、125、250mg/kg/日(250mg/kg/日群は雌のみで実施)を104週間反復経口投与したがん原性試験において、40mg/kg/日以上の雄及び125mg/kg/日以上の雌で副腎髄質の褐色細胞腫の発生頻度増加が認められた。ラットに本剤40mg/kg/日(雄)又は125mg/kg/日(雌)を反復経口投与したときの曝露量(AUC24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回100mg)の約10倍又は約60倍であった。

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は主としてUGT2B7によるグルクロン酸抱合代謝を受ける。[16.4参照]

薬物代謝酵素用語

UGT2B7

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
糖尿病用薬インスリン製剤スルホニルウレア剤チアゾリジン系薬剤ビグアナイド系薬剤α-グルコシダーゼ阻害剤速効型インスリン分泌促進剤GLP-1受容体作動薬DPP-4阻害剤等[11.1.1、11.1.4参照] 低血糖の発現に注意すること。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はGLP-1受容体作動薬の減量を検討すること。ただし、1型糖尿病患者においてインスリン製剤を減量する場合、ケトアシドーシス等のリスクが高まるため、過度の減量に注意すること。 血糖降下作用が増強されるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血糖降下作用を増強する薬剤β-遮断薬サリチル酸剤モノアミン酸化酵素阻害剤フィブラート系薬剤等 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 血糖降下作用が増強されるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血糖降下作用を減弱する薬剤副腎皮質ホルモン甲状腺ホルモン等 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 血糖降下作用が減弱されるおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿作用を有する薬剤ループ利尿薬サイアザイド系利尿薬等[8.5、9.1.3、11.1.3参照] 利尿作用が過剰にみられるおそれがあるため、必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。 利尿作用が増強されるおそれがある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 低血糖(1.0%注1)

    • 低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。[7.2、8.1、8.9、9.1.1、10.2、17.1.1-17.1.14参照]

  • 11.1.2 腎盂腎炎(0.1%)、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)(頻度不明)、敗血症(頻度不明)

    • 腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。[8.4、9.1.2参照]

  • 11.1.3 脱水(0.2%)

    • 口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている。[8.5、9.1.3、9.8、10.2参照]

  • 11.1.4 ケトアシドーシス(頻度不明)

    • ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある。[7.1、7.2、8.6、8.6.1、8.6.2、10.2参照]

  • 11.1.5 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

  • 注1)承認時までの国内の臨床試験(他の糖尿病薬と併用しない場合)の試験結果に基づいている。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上 1〜5%未満 1%未満 頻度不明
血液及びリンパ系障害 貧血
眼障害 糖尿病網膜症 眼瞼浮腫
胃腸障害 便秘 下痢、胃炎、胃食道逆流性疾患、上腹部痛、腹部膨満、齲歯、悪心 嘔吐
全身障害及び投与局所様態 口渇、体重減少 空腹、倦怠感 顔面浮腫、脱力感
肝胆道系障害 肝機能異常、脂肪肝
感染症 膀胱炎 鼻咽頭炎、外陰部膣カンジダ症、細菌尿
代謝及び栄養障害 ケトーシス
筋骨格系及び結合組織障害 筋痙縮 筋肉痛、背部痛
神経系障害 糖尿病性ニューロパチー、浮動性めまい、体位性めまい、頭痛、感覚鈍麻
腎及び尿路障害 頻尿 多尿 尿管結石、腎結石症
生殖系及び乳房障害 陰部そう痒症
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 上気道の炎症
皮膚及び皮下組織障害注2) 湿疹、発疹、蕁麻疹、薬疹、そう痒症
血管障害 高血圧
臨床検査 尿中β2ミクログロブリン増加、血中ケトン体増加 尿中β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿潜血陽性、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、尿中ケトン体陽性、尿中α1ミクログロブリン増加、尿量増加
  • 注2)投与初期に比較的多く発現していることから、投与後は十分な観察を行い、症状がみられた場合は投与を中止するなどし、必要に応じて皮膚科専門医と相談して適切な処置を行うこと。

薬価

スーグラ錠25mg 100.1円/錠
スーグラ錠50mg 149.7円/錠

評価サマリー

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効果の強さ

投稿日: 2015/03/06 参考率: 100%(10人/10人)

内科/50代/処方経験あり

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