ロンサーフ

抗悪性腫瘍剤

3.6(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 チピラシル塩酸塩 トリフルリジン
製造/販売 大鵬薬品工業
剤形/規格
  • ロンサーフ配合錠T15
  • ロンサーフ配合錠T20

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警告

  • 1.1

     本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  • 1.2

     フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、これらの薬剤との併用療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法等)、抗真菌剤フルシトシン又は葉酸代謝拮抗剤(メトトレキサート及びペメトレキセドナトリウム水和物)との併用により、重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがあるので注意すること。[10.2参照]

禁忌

  • 2.1

     本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2

     妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

効能・効果

  • ○治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

  • ○がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌

用法・容量

  • 通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし(トリフルリジンとして約35mg/m

    2

    /回)、朝食後及び夕食後の1日2回、5日間連続経口投与したのち2日間休薬する。これを2回繰り返したのち14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。


    なお、患者の状態により適宜減量する。

    • 体表面積(m2 初回基準量
      (トリフルリジン相当量)
      1.07未満 35mg/回(70mg/日)
      1.07以上〜1.23未満 40mg/回(80mg/日)
      1.23以上〜1.38未満 45mg/回(90mg/日)
      1.38以上〜1.53未満 50mg/回(100mg/日)
      1.53以上〜1.69未満 55mg/回(110mg/日)
      1.69以上〜1.84未満 60mg/回(120mg/日)
      1.84以上〜1.99未満 65mg/回(130mg/日)
      1.99以上〜2.15未満 70mg/回(140mg/日)
      2.15以上 75mg/回(150mg/日)

注意事項

重要な基本的注意

  • 本剤の投与により骨髄機能が抑制され、感染症等の重篤な副作用が増悪又はあらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[7.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 骨髄抑制のある患者

      • 骨髄抑制が増強するおそれがある。[8.、11.1.1参照]

    • 9.1.2 感染症を合併している患者

      • 骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。[8.、11.1.1参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 骨髄抑制等の副作用が強くあらわれるおそれがある。[7.2参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 重度肝機能障害患者

      • 重度肝機能障害患者は臨床試験で検討していない。

    • 9.3.2 中等度肝機能障害患者

      • 中等度肝機能障害患者で重度の血中ビリルビン増加が発現したとの報告がある。

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 9.4.1

       生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。[15.2.2参照]

    • 9.4.2

       妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5、15.2.1参照]

    • 9.4.3

       男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.1参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への影響(胎児発育抑制及び胚致死作用)及び催奇形性が報告されている。[2.2、9.4.2参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。動物実験(ラット)で終生成長する切歯への影響が報告されている。

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 本剤に含まれるトリフルリジン(FTD)はヌクレオシド系抗癌剤であり、抗ウィルス薬のうちチミジン誘導体(ジドブジン、サニルブジン等)と同様の活性化経路を有しており、本剤と他のチミジン誘導体を併用した場合、両剤の効果が減弱される可能性が考えられる。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 15.2.1

       遺伝毒性に関して、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験、及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験において、陽性の結果が報告されている。[9.4.2、9.4.3参照]

    • 15.2.2

       ラットに反復投与した場合に、黄体数の増加が報告されている。[9.4.1参照]

相互作用

相互作用序文

  • In vitro

    試験で、トリフルリジン(FTD)はヒト濃縮型ヌクレオシドトランスポーターCNT1の基質、チピラシル塩酸塩(TPI)はヒト有機カチオントランスポーターOCT2の基質であることが示された。

薬物代謝酵素用語

ヒト濃縮型ヌクレオシドトランスポーターCNT1

薬物代謝酵素用語

ヒト有機カチオントランスポーターOCT2

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤(カペシタビン、テガフール、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、テガフール・ウラシル配合剤、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)[1.2参照] 重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。 チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ホリナート・テガフール・ウラシル療法レボホリナート・フルオロウラシル療法[1.2参照] 重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。 チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗真菌剤フルシトシン[1.2参照] 重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。 チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
葉酸代謝拮抗剤(メトトレキサート、ペメトレキセドナトリウム水和物)[1.2参照] 重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。 チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射等 骨髄抑制、消化管障害等が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 骨髄抑制、消化管障害等が相互に増強される。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 骨髄抑制

    • 好中球減少(58.2%)、貧血(29.6%)、白血球減少(21.0%)、血小板減少(18.0%)、リンパ球減少(4.3%)、発熱性好中球減少症(2.4%)等の骨髄抑制があらわれることがある。[8.、9.1.1、9.1.2参照]

  • 11.1.2 感染症(5.6%)

    • 肺炎(0.8%)、敗血症(0.4%)等の感染症があらわれ、死亡に至る症例が報告されている。[8.参照]

  • 11.1.3 間質性肺疾患(頻度不明)

    • 咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上 5〜10%未満 5%未満 頻度不明
消化器 下痢、悪心、嘔吐、食欲減退 口内炎、腹痛 便秘、イレウス、腸炎、胃炎
全身症状 疲労、無力症 発熱、浮腫、脱水
肝臓胆道系 血中ビリルビン増加、血中アルブミン減少
腎臓 尿中蛋白陽性
循環器 心房細動 心筋虚血、心房粗動
精神神経 味覚異常、頭痛、めまい、末梢性感覚障害
筋骨格系 筋肉痛
皮膚皮下組織 脱毛症、皮疹/落屑、手足症候群、そう痒症
その他 体重減少、血中ナトリウム減少、血中カリウム減少、インフルエンザ様症状、鼻出血、低血圧、結膜炎 尿糖陽性

薬価

ロンサーフ配合錠T15 2511円/錠
ロンサーフ配合錠T20 3369.2円/錠

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