本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
低カルシウム血症の患者[8.2、11.1.1参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
○骨粗鬆症
○関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制
<骨粗鬆症>
通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として60mgを6ヵ月に1回、皮下投与する。
<関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制>
通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として60mgを6ヵ月に1回、皮下投与する。なお、6ヵ月に1回の投与においても、骨びらんの進行が認められる場合には、3ヵ月に1回、皮下投与することができる。
<効能共通>
本剤はランマークと同一成分(デノスマブ)を含むため、本剤投与中の患者にはランマークの投与を避けること。
本剤投与開始前に血清補正カルシウム値を確認すること。低カルシウム血症のある患者は、本剤投与前に低カルシウム血症を治療すること。[2.2、9.1.1、11.1.1参照]
本剤投与により低カルシウム血症があらわれることがあるため、血清補正カルシウム値が高値でない限り、毎日カルシウム及びビタミンDの経口補充のもとに本剤を投与すること。ただし、腎機能障害患者や、既に活性型ビタミンDを使用している患者においては、適宜、活性型ビタミンDを使用するとともに、カルシウムについては投与の必要性を判断し、投与量を調整すること。また、投与開始後早期及びその後も定期的に血清カルシウム値を測定し、血清補正カルシウム値の変動や、痙攣、しびれ、失見当識等の症状に注意すること。
なお、本剤の国内第III相臨床試験では、全ての患者に対して、治験期間中に毎日少なくとも600mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDが補充された。また、市販後に低カルシウム血症と報告された症例のうち、発現日が確認できた症例の約半数は、初回投与から7日以内の発現であった。[9.1.1、9.2.1、11.1.1、17.1.1、17.1.2参照]
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあり、本剤の長期投与により発現率が増加する可能性がある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には、本剤の休薬等を考慮すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。[11.1.2参照]
本剤又はビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、本剤の投与開始後にこのような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]
本剤のシリンジ注射針カバーは、天然ゴム(ラテックス)を含み、アレルギー反応を起こすことがあるので、投与に際し、問診を行うこと。
<骨粗鬆症>
本剤治療中止後、骨吸収が一過性に亢進し、多発性椎体骨折があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、本剤治療中止後に骨吸収抑制薬の使用を考慮すること。[11.1.5、17.3.1、17.3.2参照]
<関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制>
関節リウマチの薬物治療について十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用すること。
骨粗鬆症を合併している関節リウマチ患者で、本剤以外の骨粗鬆症治療薬が使用されている場合、これらの薬剤について投与継続の要否を検討すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低カルシウム血症を起こすおそれのある患者
低カルシウム血症が発現するおそれがある。[8.2、8.3、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
臨床試験では除外されている。低カルシウム血症を起こすおそれがある。[8.3、11.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
動物実験では、サルに妊娠20日から分娩時まで本剤(50mg/kg/4週)を皮下投与した結果、死産の増加、出生児の分娩後死亡の増加、骨・歯の異常、末梢リンパ節の欠損が認められた。[2.3、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有用性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤を投与した若齢サルにおいて、骨端成長板の異常が認められた。RANKL
注)を阻害すると、ラット新生児の骨成長及び歯の萌出が抑制されることが示されている。
注)RANKL:receptor activator for nuclear factor-κB ligand
14.1 薬剤投与前の注意
冷蔵保存(2〜8℃)下から室温に戻した後、使用すること。
薬液中に気泡がみられることがあるが無害であり、薬剤の損失を防ぐために注射前にシリンジから気泡を抜かないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
皮下注射は、上腕、大腿又は腹部に行うこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
骨粗鬆症承認時までの国内外臨床試験において、10,895例中41例(0.4%)で本剤に対する結合抗体が認められたが、中和抗体の産生は認められなかった。また、関節リウマチ患者を対象とした国内臨床試験では、結合抗体及び中和抗体の産生は認められなかった。
外箱開封後は遮光して保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低カルシウム血症(1.4%)
QT延長、痙攣、テタニー、しびれ、失見当識等を伴う低カルシウム血症があらわれることがある。低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの補充に加えて、緊急時には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。[2.2、8.2、8.3、9.1.1、9.2.1参照]
(0.1%)[8.4参照]
(頻度不明)
(頻度不明)[8.5参照]
(頻度不明)[8.7、17.3.1、17.3.2参照]
11.1.6 重篤な皮膚感染症(頻度不明)
重篤な蜂巣炎等の皮膚感染症があらわれることがあるので、発赤、腫脹、疼痛、発熱等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
0.5〜2%未満 | 0.5%未満 | 頻度不明 | |
血液 | 貧血 | 白血球減少 | |
皮膚 | 湿疹 | 脱毛症、扁平苔癬 | |
代謝 | 低リン酸血症 | ||
内分泌 | 血中副甲状腺ホルモン増加 | ||
精神神経系 | めまい | ||
循環器 | 高血圧 | ||
呼吸器 | 鼻咽頭炎 | ||
消化器 | 胃炎、口内炎、歯周炎、胃食道逆流性疾患 | 上腹部痛、口腔ヘルペス、歯肉炎、悪心、嘔吐 | |
筋骨格系 | 背部痛 | 関節痛、四肢痛、筋骨格痛 | |
肝臓 | 肝機能異常、γ-GTP上昇 | ALT上昇、AST上昇 | |
腎臓 | 尿蛋白陽性 | ||
その他 | 注射部位反応(疼痛、腫脹、紅斑等)、発熱、白内障、倦怠感、ほてり | 薬物過敏症、末梢性浮腫、無力症 |
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使いやすさ
投稿日: 2020/04/26 参考率: 97%(33人/34人)
内科/60代/処方経験あり