2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 フェニルケトン尿症等のアミノ酸代謝異常のある患者[高アミノ酸血症等を起こすおそれがある。]
新生児及び乳幼児の下記疾患の栄養管理に用いる。ただし、適用年令は原則として2才未満とする。
○小腸切除、回腸瘻造設等で消化吸収障害を有する場合
○悪性腫瘍
○心疾患術後
○難治性下痢
○術前に腸管内の清浄化を要する場合
○消化管術後で未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が困難な場合
○ヒルシュスプルング病(short segment)の保存療法、胆道閉鎖、栄養障害等で未消化態タンパクを含む栄養物による栄養管理が困難な場合
本剤を水又は微温湯に溶解し、経口又は経管投与する。症状により適宜増減する。
1才未満
20〜30g/kg体重(78〜117kcal/kg体重)
1才〜2才
15〜25g/kg体重(59〜98kcal/kg体重)
(本剤は原則として2才未満の患者に用いるが、2才以上の幼児で特に本剤の投与が必要と判断される場合は1才〜2才の投与量に準じる)
通常、1日3〜10g/kg体重(12〜39kcal/kg体重)で投与を開始し、徐々に投与量を増やし、通常3〜10日で維持量に達する。濃度は、通常、10〜15W/V%(0.4〜0.6kcal/mL)で投与を開始し、徐々に濃度をあげて、維持期には18〜20W/V%(0.7〜0.8kcal/mL)とする。なお症状により適宜増減する。
経口投与では1日数回に分けて投与し、経管投与では原則として1日24時間持続的に投与する。なお、注入速度は患者の状態により適当に調節する。
8.1 ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること。特に、鉄欠乏性貧血が認められた場合には鉄剤の併用等の処置が有効なことがある。長期投与中に、セレン欠乏症(心機能の低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれることがあり、また、カルニチン欠乏があらわれたとの報告がある。
8.2 経管投与患者においては、投与濃度が濃すぎる又は投与速度が速すぎると、投与終了後にダンピング症候群様の低血糖があらわれることがあるので、投与濃度、投与速度に注意すること。[11.1.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 小腸広範囲切除等による短小腸の患者
慎重に投与することが望ましい。下痢の発現頻度が高い。
9.1.2 難治性下痢の患者
栄養状態の改善が望めないと判断された場合は、速やかに中止する。必ずしも全ての難治性下痢が本剤の適用とは限らない。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児
慎重に投与することが望ましい。アミノ酸代謝等において、未解明な点もあると考えられる。低出生体重児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 2才以上の幼児
特に必要と判断される場合のみ適用すること。本剤は原則として2才未満の患者に用いる。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
(1)本剤は用時、水又は微温湯に溶解して調製する。70℃以上の湯では、成分の分解のおそれがある。
(2)本剤は溶解後6時間以内に使用する。ただし、冷蔵して保存する場合は、30時間以内に使用する。溶解後の長時間保存は微生物増殖のおそれがある。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 投与方法
(1)誤飲をおこさないように注意して投与すること。
(2)本剤は溶解後、経口又は経管で投与し、静注してはならない。
(3)投与濃度及び投与量は段階的に増加させることが望ましい。
(4)経管で投与する場合は、特に下痢の発現に注意して投与速度を調節し、24時間持続投与を行うことが望ましい。
14.2.2 その他
可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。
内袋を開封後は、光を遮り気密容器に保存すること。開封後の粉末は、吸湿に注意して保管し、1週間以内に使用する。
次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 低血糖(0.1%未満)
投与終了後にダンピング症候群様の低血糖(倦怠感、発汗、冷汗、顔面蒼白、痙攣、意識低下等)があらわれることがある。[8.2参照]
注):発現頻度は、使用成績調査を含む。
次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 消化器 | 下痢 | 腹部膨満、嘔吐、便秘、電解質異常(著しい下痢の場合) | 嘔気 |
| 肝臓 | AST、ALTの上昇等の肝機能異常 | ||
| 血液 | 貧血 | ||
| 皮膚 | 発疹、湿疹 | ||
| その他 | 発熱 | 乏尿、Al-Pの上昇、喘鳴 |
注):発現頻度は、使用成績調査を含む。
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