本剤又は他のウサギ血清製剤投与歴のある患者〔ショックを起こすおそれがある。〕
本剤による皮内テストで陽性と判定された患者〔<用法・用量に関連する使用上の注意>の(2)項参照〕
重篤な感染症のある患者〔本剤の免疫抑制作用により病状を悪化させるおそれがある。〕
妊婦又は授乳婦〔6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与の項参照〕
弱毒生ワクチンを投与中の患者〔3.相互作用の項参照〕
重症・中等症の再生不良性貧血
なお、本剤の耐薬量は患者によって異なるので、用量及び投与期間については注意深い増減が必要である。
また、本剤は罹病期間が短い程、治療効果が得られる可能性が高いので、目安として罹病期間が1年未満の患者を対象とすることが望ましい。
ショック等重篤な副作用が起こる可能性があるので、投与前にショック症状発現時の救急処置対策を考慮しておくこと。投与中は注意して使用し、医師が経過を十分観察する。ショック症状があらわれた場合には速やかに投与を中止し適切な救急処置をとること。
本剤の使用に際しては、投与前に皮内テストを実施すること。〔<用法・用量に関連する使用上の注意>の(2)皮内テストの項参照〕
本剤の投与前に感染症が認められた場合、感染症の治療を優先し、患者の状態が安定した後、本剤を投与すること。また、本剤のリンパ球障害作用により、投与中並びに投与後に重篤な感染症(ウイルス、細菌、真菌感染症等)が発症する場合があるので、適切な治療を行うこと。
本剤投与の初期にインフルエンザ様症状(発熱・悪寒・頭痛等)があらわれるので、その旨を患者にあらかじめ説明しておくこと。また、その間は患者を厳密に観察すること。これらの症状を軽減させるため、あらかじめ副腎皮質ホルモン剤等を投与することが望ましい。また、解熱剤及び抗ヒスタミン剤の併用も本剤の初回投与時に頻発するこれらの症状を軽減する。
本剤投与時に血小板数が減少し、出血傾向が増悪するおそれがあるので、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。
本剤投与に先立って本剤、ウサギ血清製剤の使用歴がないことを必ず確認すること。
本剤は、異種タンパク(ウサギ免疫グロブリン)であり、本剤による治療は一回限りと制限されている。
本剤の再使用を防止するため、同封の医療機関用治療歴記録用紙(ブルー色)に、患者名、使用量、使用期間、病院名・科名、担当医師名を記入し、治療歴として保存するとともに、患者さん用治療歴記録カード(ピンク色)にも同様の内容を記入し、患者に保管を指示すること。
薬物過敏症の既往歴のある患者
アレルギー素因のある患者
肝障害のある患者〔肝機能を悪化させるおそれがある。〕
腎障害のある患者〔腎機能を悪化させるおそれがある。〕
高齢者〔5.高齢者への投与の項参照〕
小児等〔7.小児等への投与の項参照〕
注射液並びにその他の外観に異常を認めた場合には使用しないこと。
日局生理食塩液以外の製剤と混注しないこと。
本剤には防腐剤が含まれていないので、一部を使用した残液は再使用しないこと。
凍結をさけ2〜8℃でしゃ光保存すること。なお、凍結させたものを使用しないこと。
類薬を投与した再生不良性貧血患者において、骨髄異形成症候群へ移行したとの報告がある。
腎移植患者において、本剤の投与後に一過性の網赤血球の減少がみられたとの報告がある。(海外)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
弱毒生ワクチン おたふくかぜ、麻しん、風しん及びこれらの混合ワクチン等 | 発病するおそれがあるので接種しないこと。 | 本剤の免疫抑制作用による。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
免疫抑制剤 シクロスポリン等 | 過度の免疫抑制による感染症誘発の危険性があるので、併用する場合には慎重に投与すること。 | 免疫抑制作用が増強される可能性がある。 |
承認時
調査症例数28例のうち24例(86%)の副作用発現を認めた。主なものは、発熱・熱感18例(64%)、悪寒15例(54%)、関節痛7例(25%)、頭痛7例(25%)、発疹・膨疹6例(21%)、徐脈3例(11%)等であった。
使用成績調査(再審査申請時)
調査症例数169例中133例(78.7%)、607件の副作用が報告された。主なものは発熱90件(53.3%)、CRP上昇45件(26.6%)、ALT(GPT)上昇38件(22.5%)、血小板減少34件(20.1%)、白血球減少29件(17.2%)、悪寒29件(17.2%)、AST(GOT)上昇28件(16.6%)、関節痛27件(16.0%)、頭痛26件(15.4%)、熱感17件(10.1%)、発疹17件(10.1%)、肝障害16件(9.5%)、浮腫16件(9.5%)、悪心12件(7.1%)、背部痛11件(6.5%)、肺炎7件(4.1%)、貧血7件(4.1%)、脱力感7件(4.1%)、LDH上昇7件(4.1%)、敗血症6件(3.6%)、ビリルビン上昇5件(3.0%)、血圧上昇5件(3.0%)等であった。
ショック(頻度不明)
アナフィラキシーショック等を起こすことがある。このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
感染症(10.7%)
本剤の投与により白血球減少の増悪がみられることがあるため、ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症(敗血症、肺炎等)が発現又は増悪することがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血小板減少(4.6%)
本剤の投与により、血小板減少があらわれ出血傾向が増悪するおそれがあるので、定期的に血小板数を測定し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、肺水腫
抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンの投与により、間質性肺炎、肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血傾向
抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンの投与により、紫斑、血尿、鼻血、皮下出血斑、肺出血、消化管出血等の出血傾向があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行い、出血傾向が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な肝障害
抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンの投与により、重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行い、黄疸や著しいトランスアミナーゼ等の上昇が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全
静注用人免疫グロブリンの投与により、急性腎不全があらわれることが報告されているので、投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認するとともに、観察を十分に行い、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、急性腎不全の危険性の高い患者においては、投与量及び投与速度を出来るだけ低くすることが望ましい。
承認時28例と使用成績調査169例(再審査申請時)における投与期間中及び投与期間終了後の副作用
投与期間中
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投与期間中
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投与期間終了後
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投与期間終了後
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過敏症
| - | 膨疹、関節痛、発疹 | - | 発疹、血清病 |
発熱及びインフルエンザ様症状
| 発熱、熱感、悪寒、頭痛 | 戦慄、関節痛、全身倦怠感、背部痛、項部のだるさ、下半身倦怠感、顔面潮紅、腰痛、骨の痛み、脱力感、胸痛・胸内苦悶 | 発熱、関節痛 | 腰痛、悪寒、頭痛、背部痛、脱力感、熱感 |
消化器 | - | 口腔内の痛み、しゃっくり、腹部膨満感、嘔吐、悪心・嘔気 | - | 急性膵炎、嘔吐、悪心・嘔気 |
肝臓 | ALT(GPT)上昇 | 肝障害、AST(GOT)上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇 | - | 肝障害、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇 |
循環器 | - | 血圧上昇、動悸、徐脈 | - | - |
泌尿器 | - | - | - | 蛋白尿 |
その他 | CRP上昇 | 冷感、帯状疱疹、浮腫 | - | 浮腫、CRP上昇、リンパ節腫脹、帯状疱疹 |
過敏症は、副腎皮質ホルモン剤等の併用で軽減される。
発熱及びインフルエンザ様症状は、副腎皮質ホルモン剤、解熱剤及び抗ヒスタミン剤等の併用で軽減される。
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