1.1 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2 視力低下等の眼障害が高頻度に認められている。点状表層角膜症等があらわれ、角膜潰瘍等、重篤な眼障害へ進行した症例が報告されている。眼科医との連携の下で使用し、本剤の投与開始前に眼科医による診察を実施すること。また、本剤の投与開始前も含め本剤の初回から4回目までの各投与前は必ず、その後の投与期間中は必要に応じて、眼科医による視力検査及び細隙灯顕微鏡検査を含む眼科検査を実施し、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うとともに、眼科医による評価を行うこと。[7.3、7.4、8.1、9.1.1、11.1.1参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
再発又は難治性の多発性骨髄腫
ボルテゾミブ及びデキサメタゾン併用投与
通常、成人にはベランタマブ マホドチン(遺伝子組換え)として、2.5mg/kgを30分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
ポマリドミド及びデキサメタゾン併用投与
通常、成人にはベランタマブ マホドチン(遺伝子組換え)として、初回は2.5mg/kg、2回目は1.9mg/kgを30分以上かけて4週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
8.1 眼障害があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、以下の事項に注意すること。[1.2、7.3、7.4、9.1.1、11.1.1参照]
8.1.1 本剤の投与開始前に眼科医による診察を実施すること。本剤の初回から4回目までの各投与前は必ず、その後の投与期間中は必要に応じて、眼科医による視力検査及び細隙灯顕微鏡検査を含む眼科検査を実施し、患者の状態を十分に観察すること。2回目の投与から休薬又は減量を要する場合や、長期の休薬を要する場合があるため、「7.用法及び用量に関連する注意」の項を参考に対処すること。
8.1.2 眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導し、眼科医による評価を行うこと。
8.1.3 ドライアイ等の眼症状を軽減するため、本剤投与中は防腐剤を含まない人工涙液を1日4回以上投与するよう患者を指導すること。
8.1.4 本剤投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう患者を指導すること。
8.2 本剤の投与により視力低下につながる霧視等の眼障害が高頻度に認められているため、自動車の運転や機械の操作等を行う際に注意するよう患者を指導すること。[11.1.1参照]
8.3 血球減少があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2参照]
8.4 感染症(日和見感染症を含む)の発現若しくは悪化があらわれることがあるので、本剤投与に先立ってニューモシスチス・イロベチイ等の感染の有無を確認すること。本剤投与前に適切な処置を行い、本剤投与中は感染症の発現又は悪化に十分注意すること。[9.1.2、11.1.3参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 角膜上皮疾患(軽度の点状角膜症を除く)を合併している患者
眼障害の発現又は増悪リスクが高まるおそれがある。なお、臨床試験において、当該患者は除外された。[1.2、8.1、11.1.1参照]
9.1.2 感染症を合併している患者
血球減少により感染症が悪化するおそれがある。[8.4、11.1.3参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5、15.2.1参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトIgGは胎盤通過性があることが知られており、本剤は胎児に移行する可能性がある。本剤は遺伝毒性及び細胞毒性を示すため、本剤を妊婦に投与した場合、胚・胎児毒性が認められる可能性がある。[9.4.1、9.6、15.2.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁への移行性に関するデータはないが、ヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られており、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5、15.2.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤の溶解及び希釈は無菌的に操作すること。
14.1.2 溶解方法
(1)溶解前にバイアルを冷蔵庫から取り出し、約10分間静置して室温に戻すこと。
(2)1バイアルに注射用水2mLを加え、静かに回転させながら混和する。振とうは避けること。
(3)溶解後に粒子や変色がないことを目視で確認すること。溶解後の液は無色〜黄色、黄褐色又は褐色の澄明〜乳白光を呈する。半透明〜白色のタンパク質性粒子以外の異物が認められる場合は使用しないこと。
(4)溶解後は速やかに希釈すること。速やかに希釈できない場合は、凍結を避けて25℃以下で保存し、4時間以内に希釈すること。
14.1.3 希釈方法
(1)患者の体重より計算した必要量をバイアルから抜き取り、最終濃度0.2〜2mg/mLになるように生理食塩液の点滴バッグに加える。静かに転倒混和し、振とうは避けること。
(2)点滴バッグはポリ塩化ビニル製又はポリオレフィン製が望ましい。
(3)希釈後は速やかに使用すること。速やかに使用できない場合は、凍結を避けて25℃以下で保存し、6時間以内に投与を完了すること。2〜8℃で保存する場合は、使用前に最長24時間保存できる。希釈後の溶液を保存した場合は、20〜25℃に戻した後に使用すること。
(4)未使用の調製後溶液及び投与後の残液は適切に廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は、注射用水で溶解後、生理食塩液で希釈して独立したラインにより投与するものとし、他の注射剤等と混合しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 臨床試験において、皮膚癌、消化器癌等の二次性悪性腫瘍が認められたとの報告がある。
15.1.2 臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
15.1.3 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、本剤単独注)投与の有効性及び安全性をポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用投与(対照群)と比較することを目的とした国際共同第III相試験において、主要評価項目である無増悪生存期間について、ハザード比[95%CI]は1.03[0.72,1.47]であり、対照群に対する本剤単独投与群の統計学的な有意差は示されなかった。
注)本剤単独の用法及び用量は承認されていない。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 本剤は、ヒトリンパ球を用いた
15.2.2 ラットにおいて臨床曝露量(2.5mg/kg投与時)の約4.0倍に相当する用量で卵巣の黄体化未破裂卵胞が認められた。ラットで臨床曝露量の約1.9倍及びサルで約3.9倍の曝露に相当する用量で精巣の精細管変性及び萎縮が認められた。
15.2.3 ラット及びウサギにおいて、臨床曝露量の約1.1倍及び約6.6倍の曝露に相当する用量で角膜上皮の単細胞壊死及び/又は角膜上皮細胞の有糸分裂増加が認められた。ウサギでは、表層角膜混濁及び血管新生を伴う角膜間質の炎症が認められた。
本剤は凍結を避けて保存すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼障害
視力低下(90.2%)、角膜検査所見(角膜症等)(86.6%)、霧視(69.2%)、羞明(43.8%)、視力障害(11.5%)、角膜潰瘍(1.2%)等があらわれることがある。特に、角膜上皮欠損や角膜潰瘍(感染性角膜炎及び潰瘍性角膜炎を含む)が疑われる眼症状があらわれた場合には、速やかに患者を眼科に受診させ、適切な処置を行うこと。[1.2、7.3、7.4、8.1、8.2、9.1.1参照]
11.1.2 血球減少
血小板減少症(70.4%)、好中球減少症(30.3%)、貧血(11.5%)、リンパ球減少症(9.1%)、白血球減少症(8.3%)、発熱性好中球減少症(1.0%)等があらわれることがある。消化管出血及び頭蓋内出血を含む重篤な出血を起こす可能性がある。[8.3参照]
11.1.3 感染症
肺炎(10.5%)、上気道感染(5.1%)、尿路感染(1.2%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(1.0%)、敗血症(0.5%)、サイトメガロウイルス感染(0.2%)等があらわれることがある。[8.4、9.1.2参照]
11.1.4 間質性肺疾患(0.7%)
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 10%未満 | |
| 神経系障害 | 末梢性ニューロパチー | 失神 |
| 眼障害 | ドライアイ(51.3%)、眼の異物感(48.7%)、眼刺激(42.1%)、眼痛(30.3%) | 流涙増加、複視、眼そう痒症、眼部不快感 |
| 胃腸障害 | 下痢、便秘 | 悪心、嘔吐 |
| 腎および尿路障害 | アルブミン尿 | |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 疲労 | 発熱 |
| 臨床検査 | アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 | γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、クレアチンホスホキナーゼ増加 |
| 傷害、中毒および処置合併症 | Infusion reaction |
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