ハイキュービア10%皮下注セット5g/50mL 他

血漿分画製剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射) ボルヒアルロニダーゼアルファ(遺伝子組換え)
製造/販売 武田薬品工業
剤形/規格
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禁忌

  • 本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者

効能・効果

  • ○無又は低ガンマグロブリン血症

  • ○慢性炎症性脱髄性多発根神経炎及び多巣性運動ニューロパチーの運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)

用法・容量

  • <無又は低ガンマグロブリン血症>

    • ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を皮下投与した後、約10分以内に同じ部位へ人免疫グロブリンGを皮下投与する。
      人免疫グロブリンG及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の投与は、以下の用量の1/3又は1/4から開始し、漸増する。また、投与間隔は投与量に併せて延長する。

      • ・通常、人免疫グロブリンGとして150〜600mg(1.5〜6mL)/kg体重を3週間に1回又は200〜800mg(2〜8mL)/kg体重を4週間に1回投与する。

      • ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、人免疫グロブリンG 1gあたり80単位(0.5mL)を投与する。

      • なお、患者の状態に応じて、3週又は4週あたりの投与量及び投与回数は適宜増減する。

  • <慢性炎症性脱髄性多発根神経炎及び多巣性運動ニューロパチーの運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)>

    • 通常、成人には、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を皮下投与した後、約10分以内に同じ部位へ人免疫グロブリンGを皮下投与する。
      人免疫グロブリンG及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、以下の用法及び用量で皮下投与するが、原則として開始用量は、以下の用量の1/3又は1/4とし、投与量に併せて投与間隔を延長しながら漸増すること。

      • ・人免疫グロブリンGとして1.0g(10mL)/kg体重を3週間に1回投与するが、患者の状態に応じて、0.3〜1.6g(3〜16mL)/kg体重を3週間に1回、又は0.4〜2.2g(4〜22mL)/kg体重を4週間に1回の範囲で適宜増減する。

      • ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、人免疫グロブリンG 1gあたり80単位(0.5mL)を投与する。

      • なお、1回あたりの人免疫グロブリンGの投与量及び忍容性に応じて、人免疫グロブリンG及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を48〜72時間間隔で分割して投与することができる。

注意事項

重要な基本的注意

  • <効能共通>

    • 8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、ヒトの血漿を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、その理解を得るよう努めること。

    • 8.2 人免疫グロブリン注射液の原材料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HAV、HBV、HCV、HIV-1及びヒトパルボウイルスB19について核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用している。また、製造工程段階のプール血漿においてHBs抗原、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、HAV、HBV、HCV、HIV-1及びヒトパルボウイルスB19についてNATを実施し、適合していることを確認しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。人免疫グロブリン注射液の製造工程であるCohnの低温エタノール分画、ウイルス除去膜による濾過工程、有機溶媒/界面活性剤処理及び低pHインキュベーション処理は、各種ウイルスに対して不活化・除去作用を有することが確認されているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。

      • 8.2.1 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。[9.1.4、9.1.5、9.5参照]

      • 8.2.2 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

    • 8.3 人免疫グロブリン注射液は抗A及び抗B血液型抗体を有する。したがって、血液型がO型以外の患者に大量投与したとき、溶血性貧血を起こすことがある。[11.1.8参照]

    • 8.4 急性腎障害があらわれることがあるので、投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認すること。[9.2.1、11.1.3参照]

    • 8.5 ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液は、1mL中にナトリウム0.16mmol(3.68mg)を含有するため、ナトリウムの過剰摂取に注意して使用すること。

  • <慢性炎症性脱髄性多発根神経炎及び多巣性運動ニューロパチーの運動機能低下の進行抑制>

    • 8.6 本剤による慢性炎症性脱髄性多発根神経炎及び多巣性運動ニューロパチーの治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

    • 8.7 臨床症状の観察を十分に行い定期的に継続投与の必要性を確認すること。また、継続投与の結果十分な効果が認められず、運動機能低下の再発・再燃等を繰り返す場合には、本剤の継続投与は行わず、他の治療法を考慮すること。

    • 8.8 本剤を継続投与した結果、運動機能低下の再発・再燃が認められなくなった場合には、本剤の減量又は投与中止を考慮すること。

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

      • 治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

    • 9.1.2 IgA欠損症の患者

      • 抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。

    • 9.1.3 血栓塞栓症の危険性の高い患者

      • 適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。血液粘度の上昇等により血栓塞栓症を起こすおそれがある。[9.8、11.1.4参照]

    • 9.1.4 溶血性・失血性貧血の患者

      • ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。[8.2.1参照]

    • 9.1.5 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者

      • ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。[8.2.1参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 9.2.1 腎機能障害又はその既往歴のある患者

      • 適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。腎機能を悪化させるおそれがある。[8.4、11.1.3参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性を否定できない。[8.2.1参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

  • 9.7 小児等

    • <無又は低ガンマグロブリン血症>

      • 低出生体重児、新生児、乳児及び2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

    • <慢性炎症性脱髄性多発根神経炎及び多巣性運動ニューロパチーの運動機能低下の進行抑制>

      • 18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 一般に生理機能が低下している。また、一般に脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者がみられ、血栓塞栓症を起こすおそれがある。[9.1.3、11.1.4参照]

適用上の注意

  • 14.1 薬剤調製時の注意

    • 14.1.1 使用前に室温に戻し、室温に戻した後は、再び冷蔵庫に戻さず、3ヵ月以内に使用すること。

    • 14.1.2 不溶物又は変色が認められるものは使用しないこと。本剤を振盪しないこと。

    • 14.1.3 ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液と人免疫グロブリン注射液を混合しないこと。また、他の製剤との混注を避けること。本剤を希釈しないこと。[7.2参照]

    • 14.1.4 本剤は開封後できるだけ速やかに使用すること。また、使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので再使用しないこと。

  • 14.2 薬剤投与時の注意

    • 14.2.1 ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液については、輸液ポンプ等又は手動にて投与すること。

    • 14.2.2 人免疫グロブリン注射液については、投与速度の調節可能な輸液ポンプ等を用いて投与すること。

    • 14.2.3 本剤は腹部中央から上腹部及び大腿部等に皮下投与すること。2ヵ所又は3ヵ所から投与する場合、各注入部位は腹部中央から上腹部の反対側で10cm以上の間隔をあけるか、反対側の大腿部とすること。骨の隆起、瘢痕、炎症又は感染のある部位は避けること。[7.3参照]

    • 14.2.4 投与部位は3ヵ所までとし、1日あたりの人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの最大投与容量は下表に従うこと。[7.3、7.5、7.8参照]

      • 1日あたりの人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの最大投与容量

        投与部位数 1日あたりの人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの最大投与容量(mL)
        体重40kg未満の患者 体重40kg以上の患者
        1ヵ所 300 600
        2ヵ所 300 600
        3ヵ所 200 400

    • 14.2.5 投与速度

      • (1)ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液の投与速度は、投与部位あたり1〜2mL/分、又は忍容性に応じて調整すること。人免疫グロブリン注射液は、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液の注入終了後約10分以内に同じ翼状針から投与すること。

      • (2)人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの投与速度は、最初の4回又は5回の投与では下表に従うこと。以降の投与は患者の状態に応じて適宜調整すること。[7.3参照]

        • 人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの投与速度(最初の2回の投与)

          投与開始後の経過時間 人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの投与速度(mL/時間)
          体重40kg未満の患者 体重40kg以上の患者
          最初の5〜15分 5 10
          次の5〜15分 10 30
          次の5〜15分 20 60
          次の5〜15分 40 120
          残りの投与 80 240

        • 人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの投与速度(その後の2回又は3回の投与)

          投与開始後の経過時間 人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの投与速度(mL/時間)
          体重40kg未満の患者 体重40kg以上の患者
          最初の5〜15分 10 10
          次の5〜15分 20 30
          次の5〜15分 40 120
          次の5〜15分 80 240
          残りの投与 160 300

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • 国内外臨床試験(9試験)において、11.9%(37/310例)に、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対する結合抗体が認められた。結合抗体は、成人男性の精巣、精巣上体及び精子に発現することが知られている内因性ヒアルロニダーゼと交差反応を呈する可能性がある。結合抗体のヒトにおける臨床的意義は不明である。また、国内外臨床試験(9試験)において、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対する中和抗体陽性が0.6%(2/310例)で検出されたが、中和抗体陽性に関連する有効性及び安全性の問題は認められなかった。

取扱上の注意

  • 20.1 本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合は、医薬品名(販売名)、製造番号、投与した日、投与を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

  • 20.2 光の影響を防ぐために、薬剤バイアルは外箱に入れた状態で保存すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非経口用生ワクチン麻疹ワクチンおたふくかぜワクチン風疹ワクチンこれら混合ワクチン水痘ワクチン等 本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3ヵ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。なお、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎及び多巣性運動ニューロパチーに対する大量療法(200mg/kg体重以上)後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6ヵ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11ヵ月以上)延期すること。 本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 アナフィラキシー反応(頻度不明)

    • 悪寒、全身紅潮、胸部不快感、頻脈、脈拍微弱、血圧低下、喘鳴、呼吸困難、チアノーゼ等異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 11.1.2 無菌性髄膜炎症候群(頻度不明)

    • 無菌性髄膜炎症候群(項部硬直、頭痛、発熱、羞明、悪心又は嘔吐等)があらわれることがある。

  • 11.1.3 急性腎障害(頻度不明)

    • 腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.4、9.2.1参照]

  • 11.1.4 血栓塞栓症0.3%

    • 血液粘度の上昇等により、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがある。中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には適切な処置を行うこと。[9.1.3、9.8参照]

  • 11.1.5 肝機能障害、黄疸1.0%)

    • AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDH、ビリルビンの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

  • 11.1.6 血小板減少(頻度不明)

  • 11.1.7 肺水腫(頻度不明)

    • 呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 11.1.8 溶血性貧血(頻度不明)[8.3参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上 1%以上5%未満 1%未満 頻度不明
精神神経系 頭痛(21.6%) 浮動性めまい、片頭痛 嗜眠、錯感覚、振戦
循環器 高血圧 頻脈、低血圧 洞性頻脈
消化器 悪心 嘔吐、腹痛、上腹部痛、腹部膨満、下腹部痛、下痢 腹部圧痛
呼吸器 呼吸困難
皮膚 紅斑、そう痒症、発疹 紅斑性皮疹、じん麻疹、アレルギー性皮膚炎、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚浮腫 丘疹
筋・骨格系 筋肉痛、関節痛、四肢痛、筋骨格系胸痛 小結節、鼡径部痛、関節硬直、筋骨格硬直 四肢不快感、背部痛
投与部位 注入部位反応(疼痛、紅斑、そう痒感、腫脹等)(54.8%) 注入部位漏出 熱感
全身障害 発熱、疲労 疼痛、倦怠感、悪寒、無力症 灼熱感、多汗症
臨床検査 遊離ヘモグロビン陽性 クームス試験陽性、ヘモジデリン尿症
その他 Infusion reaction注)、腫脹、限局性浮腫、浮腫、末梢性浮腫、末梢腫脹、性器浮腫、挫傷 インフルエンザ様疾患、性器腫脹、外陰腟腫脹、副鼻腔炎、食欲減退、過敏症 潮紅、蒼白、末梢冷感、顔面腫脹
  • 注)本剤投与中又は投与開始後短時間に発現した頭痛、疲労等

薬価

ハイキュービア10%皮下注セット5g/50mL 56816円/セット
ハイキュービア10%皮下注セット10g/100mL 112154円/セット
ハイキュービア10%皮下注セット20g/200mL 221382円/セット

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