本剤を使用する際は、呼吸器疾患や喘息の診断・治療に十分な経験のある医師の監督のもとで投与すること。
重度の気管支収縮及び呼吸機能低下を生じるおそれがあるので、使用に際して以下の点に留意すること。[11.1.1参照]
・急性の呼吸困難に対応するための緊急用の備品及び治療薬を使用可能な状態で準備すること。必要に応じ、検査前に血管確保も検討すること。
・重度の気管支収縮及び呼吸困難が生じた場合は、直ちに速効型吸入用気管支拡張薬(吸入β
2刺激薬)の投与を行い、必要に応じ、その他の呼吸困難に対する緊急処置も行うこと。なお、β遮断薬を使用している患者では、吸入β
2刺激薬による処置に反応しない可能性があることに留意すること。
・本剤による検査終了後は、原則として吸入β
2刺激薬を投与し、速やかに1秒量(FEV
1)を回復させること。
本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
気流制限が高度の場合(対標準1秒量(%FEV
1)が50%未満又は1秒量が1L未満)及び明らかな呼吸困難や喘鳴の症状がある患者[重度の気管支収縮を発現する可能性がある。][11.1.1参照]
3ヵ月以内に心筋梗塞又は脳梗塞を発症した患者、コントロール不良の高血圧患者、脳動脈瘤又は大動脈瘤がある患者[心血管イベントを誘発する可能性がある。]
同日に気道過敏性検査を実施した患者[本剤の作用が増強される可能性がある。]
気道過敏性検査
メタコリン塩化物100mg(1バイアル)に日局生理食塩液を加え溶解及び希釈し、通常0.039〜25mg/mLの範囲の適切な希釈系列の希釈液を調製する。成人及び小児ともに、調製した希釈系列を低濃度よりネブライザーを用いて吸入し、気道過敏性検査を実施する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者
心血管系に作用して不整脈を起こすおそれがある。
9.1.2 徐脈を伴う心血管系疾患のある患者
心拍数、心拍出量の減少により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 消化性潰瘍疾患のある患者
消化管運動の促進及び胃酸分泌作用により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 アジソン病の患者
副腎皮質機能低下による症状が悪化するおそれがある。
9.1.5 消化管又は尿路閉塞のある患者
消化管又は排尿筋を収縮、緊張させ、閉塞状態が悪化するおそれがある。
9.1.6 てんかんの患者
痙攣を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.1.7 パーキンソニズムの患者
ドパミン作動性神経系とコリン作動性神経系に不均衡を生じ、症状が悪化するおそれがある。
9.1.8 迷走神経亢進状態の患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.9 コリンエステラーゼ阻害薬を常用する重症筋無力症患者
症状が悪化するおそれがある。[10.2参照]
9.1.10 気流制限が中等度の場合(対標準1秒量(%FEV1)が70%未満又は1秒量が1.5L未満)の患者
重度の気管支収縮を発現する可能性がある。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に呼吸機能が低下している。
13.1 徴候・症状
経口投与又は注射投与の場合、心停止及び意識消失を伴うおそれがある。
13.2 処置
重篤な中毒反応については、アトロピン硫酸塩0.5〜1mgを筋肉内又は静脈内投与する。
14.1 薬剤調製時の注意
本剤を取扱う場合、本剤に暴露しないよう注意すること。
本剤は用時調製し、速やかに使用すること。
本剤の溶解には消毒又は滅菌された機器を用い、希釈操作は清潔な環境で行うこと。
14.2 検査後の注意
残液は適切な方法で廃棄すること。
14.3 診断上の注意
喫煙者の慢性閉塞性肺疾患又はその他の病態生理学的原因により、1秒率(FEV
1%)が70%未満の慢性の気流制限がある場合、気道過敏性検査で陽性となる可能性がある。また、喘息症状のないアレルギー性鼻炎を有する患者又は将来喘息症状を発症し得る被験者でも陽性となる可能性がある。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
β遮断薬ビソプロロールアテノロールメトプロロール等[11.1.1参照] | 本剤による気管支収縮が増強又は持続する可能性がある。 | 双方の気管支平滑筋収縮作用が増強されるおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
コリン作動薬アセチルコリン塩化物等コリンエステラーゼ阻害薬ネオスチグミン臭化物等[9.1.9参照] | 本剤のコリン作動性作用に基づく副作用を増強させるおそれがある。 | 双方のコリン作動性作用が増強されるおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
β2刺激薬、抗コリン薬及びテオフィリンなどの抗喘息薬及び抗アレルギー薬、パパベリンを含む製剤、カフェインを含む飲食物 | 本剤による検査において、正確な検査結果が得られない可能性がある。 | 気管支拡張作用があり、本剤の作用と拮抗するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
吸入ステロイド薬フルチカゾンプロピオン酸エステルブデソニドフルチカゾンフランカルボン酸エステル等 | 本剤による検査において、正確な検査結果が得られない可能性がある。 | 抗炎症作用があり、検査結果に影響するおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 呼吸困難(頻度不明)
重度の気管支収縮及び呼吸困難があらわれた場合は、直ちに速効型吸入用気管支拡張薬(吸入β
2刺激薬)を投与するなど適切な処置を行うこと。[1.2、2.2、9.1.10、10.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 1〜5%未満 | |
呼吸器 | 咳嗽(12.5%) | 喘鳴、酸素飽和度低下、呼吸音異常、息詰まり感 |
プロボコリン吸入粉末溶解用100mg 7514.9円/瓶
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