イオパミロン注300シリンジ 他

非イオン性尿路・血管造影剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 イオパミドール
製造/販売 バイエル薬品
剤形/規格
  • イオパミロン注30...
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  • イオパミロン注37...

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警告

  • ショック等の重篤な副作用があらわれることがある.

  • 本剤は尿路・血管用造影剤であり,特に高濃度製剤(370mgI/mL)については脳・脊髄腔内に投与すると重篤な副作用が発現するおそれがあるので,脳槽・脊髄造影には使用しないこと.

禁忌

  • ヨード又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者

  • 重篤な甲状腺疾患のある患者[ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず,症状が悪化するおそれがある.]

効能・効果

  • イオパミロン注300シリンジ(50mL1筒)

    • イオパミロン注300シリンジ

      • 脳血管撮影,大動脈撮影,選択的血管撮影,四肢血管撮影,ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影,ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影,コンピューター断層撮影における造影,静脈性尿路撮影,逆行性尿路撮影

用法・容量

  • イオパミロン注300シリンジ(50mL1筒)

    • 通常,成人1回下記量を使用する.なお,年齢,体重,症状,目的により適宜増減する.

      • 効能・効果 イオパミロン注300シリンジ
        脳血管撮影 6〜13mL
        血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む) -
        大動脈撮影 30〜50mL
        選択的血管撮影 5〜40mL
        四肢血管撮影 20〜50mL
        ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影 30〜50mL
        ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影 3〜30mL
        コンピューター断層撮影における造影 100mL
        静脈性尿路撮影 40〜100mL
        逆行性尿路撮影 5〜200mL

注意事項

重要な基本的注意

  • ショック等の発現に備え,十分な問診を行うこと.

  • 投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応を示すことがある.本剤によるショック等の重篤な副作用は,ヨード過敏反応によるものとは限らず,それを確実に予知できる方法はないので,投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと.

  • 投与にあたっては,開始時より患者の状態を観察しながら,過敏反応の発現に注意し,慎重に投与すること.また,異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.

  • 重篤な遅発性副作用(ショックを含む)等があらわれることがあるので,投与中及び投与後も,患者の状態を十分に観察すること.

  • 外来患者に使用する場合には,本剤投与開始より1時間〜数日後にも遅発性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で,発疹,発赤,蕁麻疹,悪心,嘔吐,血圧低下,頭痛等の副作用と思われる症状が発現した場合には,速やかに主治医に連絡するように指示するなど適切な対応をとること.

  • ヨード造影剤の投与により腎機能の低下があらわれるおそれがあるので,適切な水分補給を行うこと.特に急性膵炎の患者においては,本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと.

慎重投与

  • 本人又は両親,兄弟に発疹,蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者

  • 薬物過敏症の既往歴のある患者

  • 脱水症状のある患者[急性腎障害を起こすおそれがある.]

  • 高血圧症の患者[血圧上昇等,症状が悪化するおそれがある.]

  • 動脈硬化のある患者[心・循環器系に影響を及ぼすことがある.]

  • 糖尿病の患者[急性腎障害を起こすおそれがある.]

  • 甲状腺疾患のある患者[「禁忌」(2)の項参照]

  • 肝機能が低下している患者[肝機能が悪化するおそれがある.「原則禁忌」(4)の項参照]

  • 腎機能が低下している患者[腎機能が悪化するおそれがある.「原則禁忌」(5)の項参照]

  • 急性膵炎の患者[症状が悪化するおそれがある.「重要な基本的注意」の項参照]

  • 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

  • 幼・小児[「小児等への投与」の項参照]

適用上の注意

  • 投与経路

    脳槽・脊髄造影には使用しないこと.

  • 前処置

    • 投与前に体温まで温めること.

    • 投与前には極端な水分制限をしないこと.

    • 尿路造影では検査前に腸内ガスを排除し,検査終了まで絶食すること.

  • 投与時

    • 投与開始前に目視による確認を行い,内容液に結晶が認められた場合や容器に破損等の異常が認められた場合には使用しないこと.

    • 静脈内投与により血管痛,血栓性静脈炎があらわれることがあるので,注入時に十分注意すること.

    • 本剤を用いてカテーテル等を使用する血管撮影の実施にあたっては,カテーテル内をよくフラッシュすること.また,注入器やカテーテル内で本剤と血液とを長時間にわたって接触させることは避け,直ちに使用すること.[非イオン性造影剤(本剤を含む)の血液凝固抑制作用はイオン性造影剤に比較して弱いとのin vitro試験の報告がある.]

    • 他の薬剤(抗ヒスタミン剤,副腎皮質ホルモン剤等)を併用する場合は別々に投与すること.

    • 注入装置の洗浄が不十分な場合には,注入器内部に付着する残存液に由来する銅イオン溶出等によって,生成物(緑色等に着色)を生じるおそれがあるので,使い捨て以外の器具を用いる場合には内部の汚れに注意し,洗浄,滅菌を十分に行うこと.

    • 誤って血管外に造影剤を漏出させた場合には発赤,腫脹,水疱,血管痛等があらわれることがあるので,注入時に十分注意すること.

    • 本剤を自動注入器にて使用する際には,注入圧力は13kg/cm2(185PSI)以下とすること.

  • 投与後

    投与後は水分補給を行い,造影剤の速やかな排泄を促すこと.

  • 開封後

    1回の検査にのみ使用し,余剰の溶液は廃棄すること.

取扱上の注意

  • 自動注入器への適合

    米国メドラッド社製CT用自動注入器及び根本杏林堂製CT用自動注入器に適合する.

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビグアナイド系糖尿病用剤メトホルミン塩酸塩,ブホルミン塩酸塩等 乳酸アシドーシスがあらわれるおそれがあるので,本剤を使用する場合は,ビグアナイド系糖尿病用剤の投与を一時的に中止するなど適切な処置を行うこと. ビグアナイド系糖尿病用剤の腎排泄が減少し,血中濃度が上昇すると考えられている.

副作用

副作用発現状況の概要

  • CT,尿路・血管撮影

    • イオパミロン注300シリンジ

      45例全例とも副作用は認められなかった.(承認時)

    • イオパミロン注300及びイオパミロン注370

      総症例6,965例中356例(5.1%)に副作用が認められ,主な副作用は嘔気66件(0.9%),発疹41件(0.6%),熱感40件(0.6%),口内乾燥40件(0.6%),嘔吐32件(0.5%),潮紅23件(0.3%),そう痒22件(0.3%),BUN上昇22件(0.3%),閃光感20件(0.3%)等であった.小児等への投与210例中9例(4.3%)に副作用が認められ,主な副作用は発疹2件(1.0%),発赤1件(0.5%),蕁麻疹1件(0.5%)等であった.(再審査終了時:承認時及び使用成績調査[1985年11月〜1991年11月]の累計)

  • 逆行性尿路撮影

    • イオパミロン注300

      総症例2,350例中1例(0.04%)に副作用が認められ,発現した副作用は血尿1件(0.04%)であった.(再審査終了時:承認時及び使用成績調査[1992年1月〜1998年1月]の累計)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • ショック(0.1%未満)

    ショック(遅発性を含む)を起こし,失神,意識消失,呼吸困難,呼吸停止,心停止等の症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,必要に応じ適切な処置を行うこと.また,軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合があるので,観察を十分に行うこと.

  • アナフィラキシー (0.1%未満)

    呼吸困難,咽・喉頭浮腫,顔面浮腫等のアナフィラキシー(遅発性を含む)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,必要に応じ適切な処置を行うこと.

  • 腎不全(頻度不明)

    急性腎障害があらわれることがあるので,このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと.

  • 急性呼吸窮迫症候群,肺水腫(頻度不明)

    急性呼吸窮迫症候群,肺水腫があらわれることがあるので,観察を十分に行い,急速に進行する呼吸困難,低酸素血症,両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には,必要に応じ適切な処置を行うこと.

  • せん妄,錯乱,健忘症,麻痺(頻度不明)

    脳血管撮影で,せん妄,錯乱,健忘症,麻痺があらわれることがあるので,観察を十分に行い,必要に応じ適切な処置を行うこと.

  • 意識障害,失神(頻度不明)

    ショックを伴わない意識障害,失神があらわれることがあるので,検査終了後も意識レベル等の観察を十分に行い,必要に応じ適切な処置を行うこと.

  • 血小板減少(頻度不明)

    血小板減少があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.

  • 痙攣発作(頻度不明)

    痙攣発作があらわれることがあるので,このような場合にはフェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること.

  • 肝機能障害,黄疸(頻度不明)

    AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと.

  • 心室細動,冠動脈攣縮(頻度不明)

    心室細動,冠動脈攣縮があらわれることがあるので,このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと.

  • 皮膚障害(頻度不明)

    皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発熱,紅斑,そう痒感,眼充血,口内炎等の症状が認められた場合には適切な処置を行うこと.

  • 造影剤脳症(頻度不明)

    脳血管撮影,血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む),大動脈撮影において,本剤が脳血管外に漏出し,意識障害,麻痺,失語,皮質盲等の中枢神経症状があらわれることがあるので投与量は必要最小限とし,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.

その他の副作用

  • 下記の副作用があらわれることがあるので,このような場合には適切な処置を行うこと.

0.1〜1%未満 0.1%未満 頻度不明
過敏症 蕁麻疹,潮紅,発疹,そう痒感
循環器 血圧低下 血圧上昇,顔面蒼白,頻脈 チアノーゼ,動悸,不整脈,虚脱,徐脈
呼吸器 せき くしゃみ,咽頭不快感 喘息発作,頻呼吸,喉頭不快感,嗄声,鼻閉,鼻汁
精神神経系 頭痛,閃光感 羞明感,めまい,あくび 不安感,しびれ(感),振戦,一過性盲等の視力障害,意識レベルの低下,錯感覚(ピリピリ感等)
自律神経系 発汗
消化器 悪心・嘔吐,口渇 口内にがみ感,口腔内不快感,唾液増加,腹痛,下痢,耳下腺腫大
内分泌系 甲状腺機能低下症
その他 胸内苦悶感,熱感 発熱 悪寒,冷感,倦怠感,異常感,結膜充血,流涙,疼痛,背部痛,四肢痛,関節痛

薬価

イオパミロン注300シリンジ 2904円/筒
イオパミロン注300シリンジ 3886円/筒
イオパミロン注300シリンジ 4898円/筒
イオパミロン注370シリンジ 3023円/筒
イオパミロン注370シリンジ 3816円/筒
イオパミロン注370シリンジ 4269円/筒
イオパミロン注370シリンジ 5582円/筒

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

使いやすさ

投稿日: 2015/11/29 参考率: 93%(69人/74人)

内科/60代/処方経験あり

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