本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
○HER2陽性の乳癌
○がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
HER2陽性の乳癌にはトラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には840mgを、2回目以降は420mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。ただし、術前・術後薬物療法の場合には、投与期間は12カ月間までとする。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌にはトラスツズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には840mgを、2回目以降は420mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
8.1 左室機能不全(うっ血性心不全を含む)があらわれることがあるので、本剤投与開始前には患者の心機能を確認すること。また、本剤投与中は心症状の発現状況・重篤度等に応じて適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察し、休薬、投与再開、あるいは中止を判断すること。[9.1.1、9.1.2参照]
8.2 好中球減少症、白血球減少症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.1参照]
8.3 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 左室駆出率(LVEF)が低下している患者
心不全等の心障害があらわれるおそれがある。[8.1参照]
9.1.2 以下のような心機能の低下するおそれのある患者
心不全等の心障害があらわれるおそれがある。[8.1参照]
・アントラサイクリン系薬剤の投与歴のある患者
・胸部への放射線治療歴のある患者
・うっ血性心不全若しくは治療を要する重篤な不整脈(心房細動、発作性上室性頻脈を除く)のある患者又はその既往歴のある患者
・冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症等)の患者又はその既往歴のある患者
・高血圧症の患者又はその既往歴のある患者
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物試験(サル)では、流産、胚・胎児死亡、羊水過少、胎児の腎形成不全等が認められている。また、胎児の血清中に本薬が検出されている。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬の乳汁への移行性については不明であるが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製前に目視によりバイアル中に不溶性異物がないことを確認すること。不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。
14.1.2 調製時には、日局生理食塩液以外は使用しないこと。
14.1.3 調製時はバイアルから本剤溶液を14mL抜き取り、日局生理食塩液250mLに添加した後、静かに転倒混和し、目視により不溶性異物がないことを確認すること。不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。
14.1.4 用時調製し、調製後は速やかに使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤投与時には、他剤との混注をしないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
抗ペルツズマブ抗体は、国際共同第III相試験(CLEOPATRA試験)の本剤群386例中11例(2.8%)、プラセボ群372例中23例(6.2%)に検出されたが、抗ペルツズマブ抗体発現と明らかに関連したアナフィラキシー/過敏症は認められていない。第I相及び第II相試験では366例中2例(0.5%)で抗ペルツズマブ抗体が検出され、共に過敏症が発現した。なお、使用された抗ペルツズマブ抗体測定法では、検体中のペルツズマブ及び抗トラスツズマブ抗体が測定結果に影響を及ぼした可能性は否定できない。
外箱開封後は遮光して保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アントラサイクリン系薬剤 | 心不全等の心障害があらわれるおそれがある。 | 心障害のリスクを増強させるおそれがある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 好中球減少症、白血球減少症
発熱性好中球減少症(4.1%)、好中球減少症(16.9%)、白血球減少症(7.2%)があらわれることがあり、感染症により死亡に至った例も報告されている。[8.2参照]
11.1.2 Infusion reaction(4.8%)
悪寒、発熱、疲労、悪心、紅斑、高血圧、呼吸困難等を含むInfusion reactionがあらわれることがあり、本剤投与中又は投与開始後24時間以内に多く報告されている。また、2回目以降の本剤投与時にもInfusion reactionがあらわれることがある。本剤投与中にこれらの異常が認められた場合には本剤の投与速度を遅らせる、又は投与を中断し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。重篤なInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止し、以降、本剤を再投与しないこと。
11.1.3 アナフィラキシー(0.1%)、過敏症(2.9%)
11.1.4 間質性肺疾患(0.3%)
11.1.5 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.3参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 2〜5%未満 | 2%未満 | |
| 精神神経系 | 末梢性ニューロパチー(末梢性感覚ニューロパチー等)、味覚異常 | 頭痛、浮動性めまい、錯感覚、不眠症 | 感覚鈍麻、神経毒性 |
| 眼 | 流涙増加 | 眼乾燥、結膜炎、霧視、視力障害、視力低下 | |
| 消化器 | 下痢(38.7%)、悪心(16.1%)、嘔吐、口内炎、食欲減退、腹痛 | 便秘、消化不良 | 口内乾燥、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、肛門直腸障害(肛門の炎症、肛門周囲痛、肛門 |
| 循環器 | 駆出率減少 | ほてり、高血圧、動悸、心不全、左室機能不全、頻脈、静脈炎、うっ血性心不全 | |
| 呼吸器 | 鼻出血、上気道感染(鼻咽頭炎等)、呼吸困難、咳嗽 | 鼻漏、口腔咽頭痛、鼻乾燥、胸水、発声障害 | |
| 皮膚 | 脱毛症(17.0%)、発疹(16.8%)、爪の障害(10.6%)、 |
皮膚乾燥、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚炎、爪感染(爪囲炎等) | 紅斑、皮膚色素過剰、ざ瘡 |
| 肝臓 | ALT増加 | AST増加、γ-GTP増加 | |
| 腎臓 | 排尿困難 | ||
| 血液 | 貧血 | 血小板減少症 | ヘモグロビン減少、血小板数減少、リンパ球減少症 |
| その他 | 疲労(16.1%)、筋骨格痛(筋肉痛等)(10.3%)、無力症、粘膜障害(粘膜の炎症等)、浮腫(末梢性浮腫、顔面浮腫、全身性浮腫、限局性浮腫)、関節痛 | 発熱、筋痙縮、注入に伴う反応、四肢痛、悪寒、体重減少 | 背部痛、疼痛、低マグネシウム血症、低カリウム血症、尿路感染、脱水、倦怠感、胸痛、月経障害、カンジダ感染、インフルエンザ様疾患、胸部不快感、筋力低下、注射部位反応、体重増加、ヘルペスウイルス感染、蜂巣炎、体液貯留、熱感、リンパ浮腫 |
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