本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
無尿や乏尿のある患者[8.1、8.2、9.2.1参照]
糸球体ろ過量の測定による腎機能検査
本剤1バイアルを加熱溶解後、日局生理食塩液360mLに希釈し、A法で投与するが、18歳以下においては、患者の状態、体格を考慮し、B法を用いることもできる。
A法
初回量として、150mLを1時間に300mLの速度で30分間、次いで維持量として150mLを1時間に100mLの速度で90分間点滴静注する。
B法
初回量として、1時間に体重1kgあたり8mL(最大1時間に300mL)の速度で30分間、次いで維持量として、1時間に以下の計算式を用いて算出した投与量(最大1時間に100mL)の速度で120分間点滴静注する。なお、120分間の維持量投与中に排尿が認められなかった場合は、維持量の投与時間を150分間まで延長できる。
維持量(mL)=0.7×推定糸球体ろ過量(mL/min/1.73m2)×体表面積(m2)
水負荷と生理食塩液を投与し患者に負荷をかける検査であることから、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[2.2、8.2、9.1.1、9.2.1、9.2.2参照]
開始時より患者の状態を観察し、浮腫等の症状の悪化又は呼吸困難等が認められた場合には、直ちに検査を中止し、適切な処置を行うこと。[2.2、8.1、9.1.1、9.2.1、9.2.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心臓、循環器系機能障害のある患者
水負荷を行い循環血液量が増すことから、心臓に負荷をかけ、症状を悪化させることがある。[8.1、8.2参照]
9.1.2 アレルギー素因のある患者
[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 無尿や乏尿のある患者
投与しないこと。水分の過剰投与に陥りやすく、症状を悪化させるおそれがある。[2.2、8.1、8.2参照]
9.2.2 腎不全あるいは透析を受けている患者
水分、生理食塩液投与により、症状を悪化させることがある。[8.1、8.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトにおいて胎盤通過性があり、胎児に移行することが報告されている。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
新生児及び低出生体重児として出生した乳児での本剤を用いた検査は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。一般に、新生児及び低出生体重児として出生した乳児の腎機能は特に未成熟である。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
本剤は水に溶けにくく沈殿しているので、調製時には、以下に注意すること。なお、溶解には約100℃まで加熱が必要であるため、取り扱いには十分注意すること。また、加熱前及び加熱後の液が澄明でないもの、あるいは黄色に着色したものは使用しないこと。
(1)バイアルをよく振り混ぜてから、あらかじめ約100℃に加熱した適当な加熱機器にて約20分間加熱し、その間、バイアルを数回取り出し、よく振り混ぜ、完全に溶解させること。
注意:バイアルを取り出し振り混ぜる際には、厚手の手袋等を用いてバイアルのキャップ部を持って行うこと。
(2)完全に溶解していない場合は、更に加熱機器にて約10分間加熱する。約10分後に取り出して完全に溶解していない場合は使用しないこと。
(3)溶解したバイアルを室温まで放冷すること。生理食塩液で希釈する前に無色から微黄色の澄明な状態であることを確かめ、黄色に着色している場合は使用しないこと。本剤は長時間の加熱により黄色に着色することがある。
(4)バイアルを開封し、本剤40mL(全量)を日局生理食塩液360mLに注入し、振り混ぜること。
(5)本剤は用時調製し、速やかに使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は静脈内投与のみに使用すること。
不溶物の認められるもの又は混濁しているものは使用しないこと。
本剤はイヌリンが析出する可能性があるので、本剤投与時には0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いた輸液セットを通して使用すること。
本剤は投与方法に応じて点滴速度を調節する必要があるので、輸液ポンプ等を使用すること。
使用後の残液は使用しないこと。
14.3 診断上の注意
下記の条件を満たさない場合、測定値に誤差を生じることがある。
(1)検査中は尿量1mL/min以上を保たせること。
(2)検査中、排尿時以外は安静臥床を保たせること。
下記の薬剤との併用により、測定値に誤差を生じることがある。
抗酸化作用を有する薬剤(ビタミンE、プロブコール等)。酵素法による測定では本検査の測定値に影響を及ぼすことがある。
14.4 測定時の注意
14.4.1 前処理
(1)検査当日は、検査結果に影響を与えないために、絶食すること。蛋白質食の摂取により、イヌリンクリアランスが上昇する可能性がある。
(2)患者の身長・体重を測定し、体表面積を求める。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2%未満 | |
精神神経系 | 頭痛、頭部不快感 |
消化器 | 水様便 |
皮膚 | 皮疹 |
血液 | 白血球減少、好中球増加、リンパ球減少 |
肝臓 | 肝機能検査値異常(AST、ALT、ALP等の増加) |
その他 | アミラーゼ増加 |
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