ゼルヤンツ錠5mg

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

3.6(5件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 トファシチニブクエン酸塩
製造/販売 ファイザー
剤形/規格
  • ゼルヤンツ錠5mg

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警告

  • <効能共通>

    • 1.1 本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等や、悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
      また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。[2.2、2.3、8.1-8.5、8.8、9.1.1-9.1.3、9.1.9、9.8、11.1.1、11.1.8、15.1.1、17.3.1参照]

    • 1.2 感染症

      • 1.2.1 重篤な感染症

        • 敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。[2.2、8.1、8.5、8.8、9.1.1、9.1.3、9.8、11.1.1、15.1.1参照]

      • 1.2.2 結核

        • 播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、脳髄膜、胸膜、リンパ節等)を含む結核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与すること。
          ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。[2.3、8.1、8.3、8.8、9.1.1-9.1.3、11.1.1参照]

  • <関節リウマチ>

    • 1.3 本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。

  • <潰瘍性大腸炎>

    • 1.4 本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の既存治療薬(ステロイド、免疫抑制剤又は生物製剤)の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること。

禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 2.2 重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状を悪化させるおそれがある。][1.1、1.2.1、8.1、8.5、9.1.1、9.1.3、9.8、11.1.1、15.1.1参照]

  • 2.3 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。][1.1、1.2.2、8.1、8.3、9.1.1-9.1.3、11.1.1参照]

  • 2.4 重度の肝機能障害を有する患者[7.6、8.9、9.3、11.1.4、16.6.2参照]

  • 2.5 好中球数が500/mm3未満の患者[8.6、9.1.5、11.1.3、15.2.1参照]

  • 2.6 リンパ球数が500/mm3未満の患者[8.6、9.1.6、11.1.3、15.2.1参照]

  • 2.7 ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者[8.6、9.1.7、11.1.3、15.2.1参照]

  • 2.8 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

効能・効果

  • ○既存治療で効果不十分な関節リウマチ

  • ○中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法・容量

  • <関節リウマチ>

    • 通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。

  • <潰瘍性大腸炎>

    • 導入療法では、通常、成人にトファシチニブとして1回10mgを1日2回8週間経口投与する。なお、効果不十分な場合はさらに8週間投与することができる。

    • 維持療法では、通常、成人にトファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、維持療法中に効果が減弱した患者では、1回10mgの1日2回投与に増量することができる。また、過去の薬物治療において難治性の患者(TNF阻害剤無効例等)では、1回10mgを1日2回投与することができる。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 本剤は、免疫反応に関与するヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーを阻害するので、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性がある。本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。関節リウマチ患者において、本剤投与時に発現する重篤な感染症は、本剤単独投与時と比較して抗リウマチ薬(メトトレキサートを含むDMARD)併用投与時では発現率が高い傾向が認められているため、特に注意すること。[1.1、1.2、2.2、2.3、9.1.1-9.1.3、9.1.9、11.1.1、15.1.1参照]

  • 8.2 悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている。また、海外臨床試験において悪性腫瘍の発現頻度がTNF阻害剤に比較し本剤で高い傾向が認められたとの報告もあることから、悪性腫瘍の発現には注意すること。[1.1、11.1.8、17.3.1参照]

  • 8.3 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
    また、本剤投与中も胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。[1.1、1.2.2、2.3、9.1.1-9.1.3、11.1.1参照]

  • 8.4 本剤投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。[1.1、9.1.1、9.1.3、9.1.9参照]

  • 8.5 ヘルペスウイルス等の再活性化(帯状疱疹等)が報告されている。また、日本人患者で認められた重篤な日和見感染症のうち多くが重篤な帯状疱疹であったこと、播種性帯状疱疹も認められていることから、ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、速やかに適切な処置を行うこと。また、ヘルペスウイルス以外のウイルスの再活性化にも注意すること。[1.1、1.2.1、2.2、9.1.1、9.1.3、9.1.9、11.1.1、15.1.1参照]

  • 8.6 本剤投与により、好中球減少、リンパ球減少及びヘモグロビン減少があらわれることがあるので、本剤投与開始後は定期的に好中球数、リンパ球数及びヘモグロビン値を確認すること。[2.5-2.7、9.1.5-9.1.7、11.1.3、15.2.1参照]

  • 8.7 総コレステロール、LDLコレステロール及びHDLコレステロールの増加等の脂質検査値異常があらわれることがある。本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認すること。臨床上必要と認められた場合には、高脂血症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること。

  • 8.8 感染症発現のリスクを否定できないので、本剤投与中の生ワクチン接種は行わないこと。[1.1、1.2、9.1.1-9.1.3、9.1.9、11.1.1参照]

  • 8.9 肝機能障害があらわれることがあるので、トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十分に行うこと。[2.4、7.2、7.6、9.3、11.1.4、16.6.2参照]

慎重投与

  • 9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 9.1.1 感染症(重篤な感染症(敗血症等)又は活動性結核を除く)の患者又は感染症が疑われる患者

      • 感染症が増悪する可能性がある。[1.1、1.2、2.2、2.3、8.1、8.3-8.5、8.8、11.1.1、15.1.1参照]

    • 9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)及び結核感染が疑われる患者[1.1、1.2.2、2.3、8.1、8.3、8.8、11.1.1参照]

      • (1)結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。

      • (2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること。

        • ・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

        • ・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

        • ・インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者

        • ・結核患者との濃厚接触歴を有する患者

    • 9.1.3 易感染性の状態にある患者

      • 感染症を発現するリスクが増加する。[1.1、1.2、2.2、2.3、8.1、8.3-8.5、8.8、11.1.1、15.1.1参照]

    • 9.1.4 腸管憩室のある患者

      • 消化管穿孔があらわれるおそれがある。[11.1.2参照]

    • 9.1.5 好中球減少(好中球数500/mm3未満を除く)のある患者

      • 好中球数が低い患者(1000/mm3未満)については、本剤投与を開始しないことが望ましい。好中球減少が更に悪化するおそれがある。[2.5、8.6、11.1.3、15.2.1参照]

    • 9.1.6 リンパ球減少(リンパ球数500/mm3未満を除く)のある患者

      • リンパ球減少が更に悪化するおそれがある。[2.6、8.6、11.1.3、15.2.1参照]

    • 9.1.7 ヘモグロビン値減少(ヘモグロビン値8g/dL未満を除く)のある患者

      • ヘモグロビン値が9g/dL未満の患者については、本剤投与を開始しないことが望ましい。ヘモグロビン減少が更に悪化するおそれがある。[2.7、8.6、11.1.3、15.2.1参照]

    • 9.1.8 間質性肺炎の既往歴のある患者

      • 定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。[11.1.5参照]

    • 9.1.9 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)

      • 肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。[1.1、8.1、8.4、8.5、8.8参照]

    • 9.1.10 心血管系事象のリスク因子を有する患者

      • 他の治療法を考慮すること。特に10mg 1日2回投与の必要性については慎重に判断すること。
        本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。
        心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度はTNF阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。また、静脈血栓塞栓症の発現頻度は本剤群で用量依存的に高くなる傾向が認められており、死亡の発現頻度は本剤10mg 1日2回群で高い傾向であったことが報告されている。[5.1、11.1.6、11.1.7、17.3.1参照]

  • 9.2 腎機能障害患者

    • [7.1、7.6、16.6.1参照]

    • 9.2.1 中等度又は重度の腎機能障害患者

      • 減量し、慎重に投与すること。
        腎機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある。

    • 9.2.2 軽度の腎機能障害患者

      • 腎機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある。

  • 9.3 肝機能障害患者

    • [2.4、7.2、7.6、8.9、11.1.4、16.6.2参照]

    • 9.3.1 重度の肝機能障害患者

      • 投与しないこと。
        国内外で実施された臨床試験において重度の肝機能障害を有する患者は除外されている。また、中等度又は軽度の肝機能障害を有する患者に投与した場合に本剤の曝露量が増加するとの臨床試験成績があり、副作用が強くあらわれるおそれがある。

    • 9.3.2 中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスB)

      • 減量し、慎重に投与すること。肝機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し副作用が強くあらわれるおそれがある。

    • 9.3.3 軽度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスA)

      • 肝機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し副作用が強くあらわれるおそれがある。

  • 9.4 生殖能を有する者

    • 妊娠する可能性のある女性に投与する場合は、投与中及び投与終了後少なくとも1月経周期は、妊娠を避けるよう指導すること。[9.5参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験では催奇形性が報告されており、日本人関節リウマチ患者に本剤5mg 1日2回投与したときの血漿中濃度と比較したとき、催奇形性に関する安全域はラット及びウサギでそれぞれ78倍(無毒性量:30mg/kg/日)及び2.8倍(無毒性量:10mg/kg/日)、日本人を含む潰瘍性大腸炎患者に本剤10mg 1日2回投与したときの血漿中濃度と比較したとき、催奇形性に関する安全域はラット及びウサギでそれぞれ51倍及び1.8倍であった。また、ラットで受胎能、出産、胎児の発達への影響が報告されており、雌ラットの受胎能及び初期胚発生に関する安全域は、日本人関節リウマチ患者に本剤5mg 1日2回投与したときの血漿中濃度と比較したとき5.7倍(無毒性量:1mg/kg/日)、日本人を含む潰瘍性大腸炎患者に本剤10mg 1日2回投与したときの血漿中濃度と比較したとき4.0倍であった。[2.8、9.4参照]

  • 9.6 授乳婦

    • 本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することが報告されている

  • 9.7 小児等

    • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 9.8 高齢者

    • 減量するなど注意すること。
      重篤な感染症の発現頻度の上昇が認められている。一般に生理機能が低下している。また、肝機能及び腎機能の低下により本剤の血中濃度の増加が認められている。[1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照]

適用上の注意

  • 14.1 薬剤交付時の注意

    • PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • <関節リウマチ>

      • 15.1.1 関節リウマチ患者を対象とした本剤の単剤投与での6ヵ月間の二重盲検比較試験において、100人・年あたりの重篤な感染症の発現率はプラセボ群では0であったのに対し、本剤5mg 1日2回投与群及び10mg 1日2回投与群注)でそれぞれ0.85及び3.5であった。
        本剤のDMARD併用投与での6ヵ月間又は12ヵ月間投与の二重盲検比較試験において、100人・年あたりの重篤な感染症の発現率はプラセボ群では1.7であったのに対し、本剤5mg 1日2回投与群及び10mg 1日2回投与群注)でそれぞれ3.6及び2.9であった。
        また、本剤の長期間投与を受けた関節リウマチ患者における100人・年あたりの重篤な感染症の発現率は、本剤5mg 1日2回投与群及び10mg 1日2回投与群注)でそれぞれ2.3及び4.9であった。[1.1、1.2.1、2.2、8.1、8.5、9.1.1、9.1.3、11.1.1参照]

        • 注)本剤の関節リウマチにおける承認用法・用量は、トファシチニブとして5mg 1日2回経口投与である。

      • 15.1.2 関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験において、本剤とメトトレキサート併用群では、プラセボ群及び本剤単剤投与群と比較して、肺炎球菌ワクチンに対する免疫応答を減弱させることが示唆されている

    • <潰瘍性大腸炎>

      • 15.1.3 日本人及び外国人潰瘍性大腸炎患者を対象に、本剤を8週間(最長9週間)投与した国際共同第III相寛解導入試験において、本剤10mg 1日2回群及びプラセボ群における重篤な感染症の発現割合は、それぞれ0.4%(476例中2例)及び0.0%(122例中0例)であった。
        日本人及び外国人潰瘍性大腸炎患者を対象に、本剤を52週間(最長53週間)投与した国際共同第III相寛解維持試験において、100人・年あたりの重篤な感染症の発現率は、プラセボ群では1.94であったのに対し、本剤5mg 1日2回群及び10mg 1日2回群では、それぞれ1.35及び0.64であった。
        日本人及び外国人潰瘍性大腸炎患者への本剤の投与群全体での100人・年あたりの重篤な感染症の発現率は、2.05であった。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • 15.2.1 本剤はJAK阻害作用を有することから免疫系及び造血系へ影響を及ぼす可能性があり、非臨床試験ではリンパ球数及び赤血球数の減少などに加え、免疫抑制(IFN-α/β、IFN-γ、TNF-α等のサイトカインの抑制等)に起因する二次的な作用(細菌及びウイルス感染並びにリンパ腫)がみられた。また、その他に肝臓や消化管への影響(トランスアミナーゼの上昇や胃腸の拡張など)もみられた。[2.5-2.7、8.6、9.1.5-9.1.7、11.1.3参照]

    • 15.2.2 ラットのがん原性試験(24ヵ月投与)において、良性ライディッヒ細胞腫(75mg/kg/日の雄)、褐色脂肪腫(30mg/kg/日以上の雌)、良性胸腺腫(75mg/kg/日の雌)、良性血管腫(10mg/kg/日の雄)の発現頻度の上昇が認められた

    • 15.2.3 サル39週間投与試験では10mg/kg/日で8例中3例に、サル腎同種片移植試験ではミコフェノール酸モフェチルを併用投与した動物8例中1例でリンパ腫が認められた

相互作用

相互作用序文

  • 本剤は主としてCYP3A4及び一部CYP2C19により代謝される。[16.4参照]

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP2C19

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4阻害剤マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、エリスロマイシン等)ノルフロキサシン等アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール等)カルシウム拮抗剤(ジルチアゼム、ベラパミル)アミオダロンシメチジンフルボキサミン抗HIV剤(リトナビル、アタザナビル、ネルフィナビル)ニルマトレルビル・リトナビルグレープフルーツ[16.7.2参照] トファシチニブの曝露量が増加するおそれがある。併用時には本剤を減量(1回投与量を減量。1回投与量を減量することができない場合は投与回数を減らす。)するなど用量に注意すること。 これらの薬剤等はCYP3A4による本剤の代謝を阻害するため、トファシチニブの血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フルコナゾール[16.7.3参照] トファシチニブの曝露量が増加するおそれがある。併用時には本剤を減量(1回投与量を減量。1回投与量を減量することができない場合は投与回数を減らす。)するなど用量に注意すること。 フルコナゾールはCYP3A4及びCYP2C19の代謝活性を阻害するため、トファシチニブの血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4誘導剤抗てんかん剤(バルビツール酸誘導体、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン等)リファンピシンリファブチンモダフィニルセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[16.7.5参照] トファシチニブの血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱する可能性がある。CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 これらの薬剤等はCYP3A4を誘導するため、本剤の効果が減弱する可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
肝機能障害を起こす可能性のある薬剤 関節リウマチ患者において、メトトレキサートを含むDMARD等併用時に本剤単独投与時と比較して肝機能障害の発現割合上昇が認められている。 機序は不明である。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 感染症

    • 帯状疱疹(3.6%)、肺炎(ニューモシスチス肺炎等を含む)(1.0%)、敗血症(0.1%)、結核(0.1%)等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれ、致命的な経過をたどることがある。
      本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること。[1.1、1.2、2.2、2.3、8.1、8.3、8.5、8.8、9.1.1-9.1.3、9.8、15.1.1参照]

  • 11.1.2 消化管穿孔(0.1%)

    • 異常が認められた場合には投与を中止するとともに、腹部レントゲン、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。[9.1.4参照]

  • 11.1.3 リンパ球減少(0.5%)、好中球減少(0.4%)、ヘモグロビン減少(0.3%)

    • リンパ球数

      • 本剤投与開始後、リンパ球数が500/mm3未満の場合には、投与を中止すること。

    • 好中球数

      • 本剤投与開始後、好中球数が継続して500〜1000/mm3である場合は、好中球数が1000/mm3を超えるまで本剤の投与を中断すること。

    • ヘモグロビン値

      • 本剤投与開始後、ヘモグロビン値が8g/dL未満である患者又は2g/dLを超える低下を示した患者については、正常化するまで本剤を投与しないこと。

    • [2.5-2.7、8.6、9.1.5-9.1.7、15.2.1参照]

  • 11.1.4 肝機能障害、黄疸

    • ALT(1.2%)、AST(0.9%)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがある。[2.4、7.2、7.6、8.9、9.3、16.6.2参照]

  • 11.1.5 間質性肺炎(0.1%)

    • 発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。[9.1.8参照]

  • 11.1.6 静脈血栓塞栓症(頻度不明)

    • 肺塞栓症及び深部静脈血栓症があらわれることがある。[5.1、9.1.10、17.3.1参照]

  • 11.1.7 心血管系事象(頻度不明)

    • 心筋梗塞等の心血管系事象があらわれることがある。[5.1、9.1.10、17.3.1参照]

  • 11.1.8 悪性腫瘍(頻度不明)[1.1、8.2、17.3.1参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上 1%以上5%未満 0.1%以上1%未満 0.1%未満 頻度不明
感染症及び寄生虫症 鼻咽頭炎 気管支炎、尿路感染、インフルエンザ、膀胱炎、咽頭炎、副鼻腔炎、肺炎 単純ヘルペス、蜂巣炎、ウイルス性胃腸炎、腎盂腎炎、ウイルス感染、細菌性関節炎、サイトメガロウイルス感染、細菌性肺炎、肺炎球菌性肺炎 脳炎(BKウイルス脳炎を含む)、クリプトコッカス性髄膜炎、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス感染、壊死性筋膜炎、ニューモシスチス肺炎 非定型マイコバクテリア感染、菌血症、ブドウ球菌性菌血症
血液及びリンパ系障害 貧血 白血球減少
免疫系障害 過敏症(蕁麻疹、血管浮腫等)
代謝及び栄養障害 高脂血症 脂質異常症 脱水
精神障害 不眠症
神経系障害 頭痛 錯感覚
血管障害 高血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 咳嗽 呼吸困難、副鼻腔うっ血
胃腸障害 悪心、下痢、腹痛、消化不良、嘔吐 胃炎
肝胆道系障害 脂肪肝
皮膚及び皮下組織障害 発疹 そう痒症、紅斑 ざ瘡
筋骨格系及び結合組織障害 関節痛 筋骨格痛、関節腫脹、腱炎
一般・全身障害及び投与部位の状態 疲労、発熱 末梢性浮腫
臨床検査 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 血中コレステロール増加、γ-GTP増加 低比重リポ蛋白増加、体重増加、肝酵素上昇、血中クレアチニン増加、高比重リポ蛋白増加、トランスアミナーゼ上昇、肝機能検査異常
傷害、中毒及び処置合併症 靭帯捻挫 肉離れ

薬価

ゼルヤンツ錠5mg 2260.9円/錠

評価サマリー

もっとも参考になった評価コメント

副作用の重篤度

投稿日: 2015/01/13 参考率: 100%(9人/9人)

麻酔科/60代/処方経験なし

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