慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍のある患者〔ビスマスが吸収されやすいため,血液中に移行する量が多くなるおそれがある。〕
出血性大腸炎の患者〔腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では,症状の悪化,治療期間の延長をきたすおそれがある。〕
下痢症
次硝酸ビスマスとして,通常成人1日2gを2〜3回に分割経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
精神神経系障害があらわれるおそれがあるので,長期連続投与を避け,やむをえない場合には,原則として1ヵ月に20日程度(1週間に5日以内)の投与にとどめること。〔血液中のビスマス濃度が上昇する。〕
便秘の患者
結腸瘻造設術,回腸瘻造設術又は人口肛門造設術を受けた患者
消化管憩室のある患者〔ビスマスが吸収されやすいため,血液中に移行する量が多くなるおそれがある。〕
症状
口臭,口内炎と歯肉炎,金属味,食欲不振,悪心,嘔吐,下痢,腹痛,頭痛,不快感と脱力感,発熱,リウマチ様疼痛,蕁麻疹,落屑性皮膚炎,歯肉の黒色線条及び頬粘膜の黒色斑点,血圧低下,腎障害(近位尿細管障害,腎不全),肝障害。
小児に次硝酸ビスマスを大量投与した結果,メトヘモグロビン血症を起こして死亡した例がある。
解毒剤・治療法
胃洗浄
下剤
硫酸マグネシウム(30g→水200ml),又はマクロゴール250ml。
輸液(肝保護剤を加える)。
キレート剤(BAL(ジメルカプロール1A=100mg/1ml))の筋注
ジメルカプロールとして通常成人1回2.5mg/kgを第1日目は6時間間隔で4回,第2日目以降6日間は毎日1回筋肉内注射する。重症緊急の場合は最初の2日間は4時間ごとに1日6回,3日目には1日4回,以降10日間あるいは回復するまで毎日2回筋肉内注射する。
(注)腎機能低下のある場合には体内に蓄積するため減量投与する。
チオ硫酸ナトリウムの静注(デトキソール)
対症療法。
浣腸には使用しないこと。
本剤の服用によって便の色が黒くなることがある。〔ビスマスが黒色の硫化ビスマスになるため。〕
配合変化
炭酸塩,ヨウ化物,タンニン,硫酸塩と配合すると分解する。
本剤は,副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
(頻度不明)
精神神経系
ビスマス塩類(次硝酸ビスマス,次没食子酸ビスマス)1日3〜20gの連続経口投与(1ヵ月〜数年間)により,間代性痙れん,昏迷,錯乱,運動障害等の精神神経系障害(初期症状:不安,不快感,記憶力減退,頭痛,無力感,注意力低下,振せん等)があらわれたとの報告がある。これらの報告によれば,症状は投与中止後数週間〜数ヵ月で回復している。
血液
亜硝酸中毒(メトヘモグロビン血症,血圧降下,皮膚の紅潮)があらわれることがあるので,このような症状が現れた場合には投与を中止すること。また,便秘があらわれた場合には,亜硝酸中毒をおこすおそれがあるので,減量,休薬など適切な処置を行うこと。〔次硝酸ビスマスは腸内で亜硝酸となるので,血管拡張薬となると同時にメトヘモグロビン形成毒ともなる。〕
| 頻度不明 | |
| 消化器 | 嘔気,食欲不振 |
| 粘膜注) | 歯齦縁,舌,口腔内等に青色又は青黒色の着色 |
注)このような症状があらわれた場合には,投与を中止すること。
次硝酸ビスマス「三恵」 7.6円/g
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