タケプロン、アモリン及びフラジールの成分に対する過敏症の既往歴のある患者
アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
伝染性単核症のある患者[アモキシシリン水和物で紅斑性丘疹の発現頻度が高いとの報告がある。]
高度の腎障害のある患者[アモキシシリン水和物の血中濃度が上昇することがあり、本製品では各製剤の投与量を調節できないため、本製品の使用を避けること。]
脳、脊髄に器質的疾患のある患者(脳膿瘍の患者を除く)[メトロニダゾールで中枢神経系症状があらわれることがある。]
妊娠3ヵ月以内の婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
<適応菌種>
アモキシシリン、メトロニダゾールに感性のヘリコバクター・ピロリ
<適応症>
胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
アモリン
があらわれることがあるので、十分な問診を行うこと。
フラジール
白血球減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。
中枢神経障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、ふらつき、歩行障害、意識障害、構語障害、四肢のしびれ等の初期症状の発現に注意すること。また、これらの初期症状があらわれ、メトロニダゾールによる脳症が疑われた場合には、メトロニダゾールの投与を中止すること。
肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施するなど、患者の状態を十分に観察すること。
タケプロン
薬物過敏症の既往歴のある患者
肝障害のある患者[ランソプラゾールの代謝、排泄が遅延することがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
アモリン
セフェム系抗生物質に対する過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
フラジール
血液疾患のある患者[白血球減少、好中球減少があらわれることがある。]
脳膿瘍の患者[中枢神経系症状があらわれることがある。]
肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。]
コケイン症候群の患者[コケイン症候群の患者で重度の肝毒性又は急性肝不全が発現し死亡に至ることがある。]
薬剤交付時
PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意
ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
タケプロン
ラットに52週間強制経口投与した試験で、50mg/kg/日群(臨床用量の約100倍)において1例に良性の精巣間細胞腫が認められている。さらに、24ヵ月間強制経口投与した試験で、15mg/kg/日以上の群において良性の精巣間細胞腫の発生増加が、また、5mg/kg/日以上の群において胃のカルチノイド腫瘍が認められており、加えて、雌ラットの15mg/kg/日以上及び雄ラットの50mg/kg/日以上の群において網膜萎縮の発生頻度の増加が認められている。
精巣間細胞腫及び網膜萎縮については、マウスのがん原性試験、イヌ、サルの毒性試験では認められず、ラットに特有な変化と考えられる。
タケプロンの投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
フラジール
マウスに長期経口投与した場合、肺腫瘍が
、またラットでは乳房腫瘍の発生が報告されているが
、ハムスターの生涯投与試験では腫瘍はみられていないとの報告がある。
メトロニダゾールの注射剤において、メトロニダゾール500mgの単回点滴静注直後の血液透析により、投与量の約45%が除去されたとの報告がある。
その他
ラットにアモキシシリン水和物(2,000mg/kg/日)、ランソプラゾール(15mg/kg/日以上)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
ランソプラゾールは主として肝薬物代謝酵素CYP2C19又はCYP3A4で代謝される。また、ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制することがある。
タケプロン
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アタザナビル硫酸塩 (レイアタッツ) | アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある。 | ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下することがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リルピビリン塩酸塩 (エジュラント) | リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。 | ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある。 |
タケプロン
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
テオフィリン | テオフィリンの血中濃度が低下することがある。 | ランソプラゾールが肝薬物代謝酵素を誘導し、テオフィリンの代謝を促進することが考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
タクロリムス水和物 | タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。 | ランソプラゾールが肝薬物代謝酵素におけるタクロリムスの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジゴキシン、メチルジゴキシン | 左記薬剤の作用を増強する可能性がある。 | ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
イトラコナゾール、ゲフィチニブ、ボスチニブ水和物 | 左記薬剤の作用を減弱する可能性がある。ボスチニブ水和物との併用は可能な限り避けること。 | ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用により左記薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
メトトレキサート | メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的にランソプラゾールの投与を中止することを考慮すること。 | 機序は不明である。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フェニトイン、ジアゼパム | 左記薬剤の代謝、排泄が遅延することが類薬(オメプラゾール)で報告されている。 | 左記薬剤の代謝、排泄が遅延することが類薬(オメプラゾール)で報告されている。 |
アモリン
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ワルファリンカリウム | ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。 | 腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
経口避妊薬 | 経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。 | 腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
プロベネシド | アモキシシリン水和物の血中濃度を増加させる。 | アモキシシリン水和物の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。 |
フラジール
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルコール | 腹部の疝痛、嘔吐、潮紅があらわれることがあるので、投与期間中は飲酒を避けること。 | メトロニダゾールはアルコールの代謝過程においてアルデヒド脱水素酵素を阻害し、血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リトナビル含有製剤(内用液) | ジスルフィラム−アルコール反応を起こすおそれがある。 | リトナビル含有製剤(内用液)はエタノールを含有するのでメトロニダゾールにより血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジスルフィラム | 精神症状(錯乱等)が出現することがある。 | 機序は不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ワルファリン | ワルファリンの抗凝血作用を増強し、出血等があらわれることがある。 | メトロニダゾールはワルファリンの代謝を阻害し、その血中濃度を上昇させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リチウム | リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒があらわれることがある。 | 機序は不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ブスルファン | ブスルファンの作用が増強されることがある。 | メトロニダゾールはブスルファンの血中濃度を上昇させることがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
5-フルオロウラシル | 5-フルオロウラシルの作用が増強される可能性がある。 | メトロニダゾールは5-フルオロウラシルの血中濃度を上昇させることがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シクロスポリン | シクロスポリンの作用が増強される可能性がある。 | メトロニダゾールはシクロスポリンの血中濃度を上昇させることがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フェノバルビタール | メトロニダゾールの作用が減弱する可能性がある。 | フェノバルビタールはメトロニダゾールの代謝酵素を誘導し、その血中濃度を低下させることがある。 |
胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
ランソプラゾール、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの3剤投与については、国内において臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。
胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
国内において臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない(承認時)。
胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
外国で行われた試験(ランソプラゾール、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの3剤投与)では132例中60例(45.5%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められており、その主な副作用(頻度1%以上)は次のとおりである。
5%以上 | 1〜5%未満 | |
消化器 | 下痢(11.4%) | 味覚異常、悪心、嘔吐、口内炎、腹痛、排便回数増加、口渇、口腔カンジダ症 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇(各9.1%) | |
過敏症 | 発疹 | |
精神神経系 | 頭痛(6.8%) | めまい、傾眠 |
その他 | 倦怠感 |
ランピオンパック 445.3円/シート
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